彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大芸術家や」総統兼帝国宰相編

421: 名無し 2015/08/22(土)11:10:25 ID:heO

1912年 私立劇場

ザワザワ ザワザワ

ヴー

『ロルツィングの【刀鍛冶】指揮者 アウグスト・クビツェク』

(´・ω・`)ノ ̄サッ

♪~♪~♪~♪~

(´・ω・`)(音楽院での徹底的な四年間の勉強の後、僕はスロヴァキアの私立劇場の補助指揮者になった)

(´・ω・`)ノシ\(そしてこの舞台が僕の指揮者デビューだ!)

(´-ω-`)ノ ̄

バチバチパチパチパチパチパチパチ

424: 名無し 2015/08/22(土)11:19:19 ID:heO

『続いてホロトウ【マルタ】』

(´・ω・`)ノ ̄ジャカジャン

バチバチパチパチパチパチパチパチバチバチパチパチパチパチパチパチバチバチパチパチパチパチパチパチ

(´・ω・`)(この最初の本格的な仕事は成功に終わった)

(´・ω・`)(スロヴァキア…アドルフから聞いていた話でいいイメージはなかったけど、そんなことはなかった 結局、それは偏見でしかなかった)

支配人「素晴らしい!来シーズンまでの契約を早速結ぼう」

(´・ω・`)「はい これからよろしくお願いします」

(´・ω・`)(それから、僕はスロヴァキアをまわった 南の田舎から聞きにきてくれる人もいた)

スロヴァキア とある街

『続きまして『エヴァ』 指揮者アウグスト・クビツェク』

(´-ω-`)スッ

♪~♪~♪~♪~♪

???「ほう…あの指揮者…使える」

 

425: 名無し 2015/08/22(土)11:27:26 ID:heO

公演後 楽屋

支配人「クビツェク君、君に会いたいという人が来ている」

(´・ω・`)「はぁ」

(´゜ω゜`)「あ、あなたは!」

大オペラ監督「君がクビツェク君か 君に来年、1914年に私のオペラで指揮者をやって貰いたい」

(´・ω・`)「ぜひ、是非お願いいたします!」

(´・ω・`)(やった! クラーゲンフルトの楽団といったら40人のオーケストラに美しい劇場、近代的な設備もある そしてケルンテンの州都、つまり都会だ!)

(´^ω^`)(やったやった! もう最高だよ!)

申し分なかった 僕はこの時、幸福に酔いしれていた

 

426: 名無し 2015/08/22(土)11:37:23 ID:heO

数ヵ月後 1914年

ドガーン バパパババパパバパパ
ヒュルルルルルルルル ズガッ 突撃ィー!!! ママー
(´゜ω゜`)
パンパンパンパンパン ドヴルルルルルルルル
ロシアジンダ!コロセ! パンパンパンパンパン ドガー

(´゜ω゜`)(僕は…なんでこんなところに…今頃『ローエングリン』の指揮をしていた筈じゃ…)

アパーム!タマモッテコーイ フゥアハハハー パンパンパンパンパン
大砲ヨーイ ズガーン パパパパパパパ

軍曹「伏せろ、クビツェク二等兵!」

(´゜ω゜`)「うわああ」

ズガーン

軍曹「死にたいのか貴様! 常に腰を低くしていろ!」

(´゜ω゜`)「はい……」

 

427: 名無し 2015/08/22(土)11:46:21 ID:heO

士官「我々はこれからガリチアに向かう! ロシア熊どもから祖国を守るのだ!」

(^q^)(°∀°)『サー、yes、サー!!!』(゜ロ゜)(´゜ω゜`)

ウオオオオオオ?? 砲火だ! ズガーーーー ウアアアアア
パパパパパパパパパパパパパパ ドガーン
(´゜ω゜`)(とにかく、今は生き残ることだけ考えよう……)
ガガガガガガガガガガガガ トツゲキー
ズガーン

1915年

(^q^)「クビツェク、よけろー!!」

(´・ω・`)「えっ」

ズガーーーーーン

(´。ω゜`)「うああああ!!!!」

(^q^)「衛生へーい!!」

 

428: 名無し 2015/08/22(土)11:49:12 ID:a7A
あぁ…

 

429: 名無し 2015/08/22(土)11:58:40 ID:heO

野戦病院

(´・ω・`)(ああ…なんとか命拾いした…でも、重症の人はみんな棄てられていく…)

(´-ω-`)(僕も覚悟を決めておこう…)

上官「アウグスト・クビツェク二等兵、回復したな 次の戦地が待ってるぞ」

(´・ω・`)(助かった……いや、また地獄に行くだけか……)

上官「その前に1ヶ月の休暇が下りた 故郷で過ごすといい」

(´・ω・`)「はっ」

リンツ

(´゜ω゜`)「えっ…ここがリンツ…? ここまで荒れ果ててたなんて…」

父「クビツェク…生きてたか…そうか…神はまだお前を見捨てなかったか…」

(´・ω・`)「父さん…店は…」

父「もう…疲れた 店は閉める ここら一体みんなそうさ」

(´・ω・`)「……」

 

430: 名無し 2015/08/22(土)12:07:33 ID:q0i
唐突な当たり前の急転直下
辛い時代ンゴ…

 

431: 名無し 2015/08/22(土)12:08:19 ID:heO

1917年

(°∀°)「やった!ロシアで革命が起こったぞぉー!!」

(´・ω・`)「やった!これで帰れる…?」

(^q^)「次はイタリアが攻めてきたぞぉー!!」

(´ ω `)「ええ…」

1918年

母『戦地で頑張る息子へ この度、父が死去しました』

(´;ω;`)(父さん…もっといい晩年を送って欲しかった…何もこんな絶望と悲痛の中逝かなくてもいいじゃないか…)

ーーーーー
ーーー

(°∀°)「俺達は……負けた」

(^q^)「……ちのう」カチャ

(°∀°)「……俺も」カチャ

(´゜ω゜`)「あっ…駄目だよ!!」

バンバン

(°∀°)「」(^q^)

(´゜ω゜`)「あう…あう…」

( ・`ω・´)「折角命拾いしたのに…馬鹿な奴らだ」

 

432: 名無し 2015/08/22(土)12:16:33 ID:heO

(´゜ω゜`)「上官……」

( ・`ω・´)「クビツェク二等兵、ここで俺達の部隊は解散だ」

(´・ω・`)「上官…僕はこれからどうすればいいのでしょうか」

( ・`ω・´)「そうか、お前は元音楽家だったな これからの時代生きていくのは厳しいだろう」

( ・`ω・´)「取り敢えず、故郷に帰れ」

(´゜ω゜`)「はい」トボトボ

( -`ω-´)(あいつも、不運な奴だ 時代が違えば名のある音楽家になれたものを…)

( ・`ω・´)(だが、戦争では落ちぶれる奴がいるのと同時に成り上がる者もいるものだ 革命と同じだな)

( ・`ω・´)(取り敢えず、俺はドイツの義勇軍にでも入るか)

 

433: 名無し 2015/08/22(土)12:23:50 ID:heO

ウィーン

(´・ω・`)「あの、この劇場で指揮者や奏者は募集してますか」

支配人松「こんな時代やってる訳ないぞ」

(´・ω・`)「はい…わかりました」

(´・ω・`)「あの、ここで」

従業員「ああ!?忙しいんだ帰ってくれ!」

(´゜ω゜`)「そりゃそうさ…敗戦国が呑気に音楽なんてやれる訳がない やってるとしても国営劇場外側くらい…」

(´゜ω゜`)「でも、そんな大きいところで僕みたいな新米を雇ってくれる訳ない…」

(´゜ω゜`)「映画館の楽長…取り敢えずこれで食いつなぐか…」

 

434: 名無し 2015/08/22(土)12:25:25 ID:yYk
切なくて見てられへんで・・・
>>433の冒頭、自動ドアがあいて室内に入ってくるシーンかと一瞬思ってしもうた

 

435: 名無し 2015/08/22(土)12:26:16 ID:a7A
>>434
おまワイ

 

436: 名無し 2015/08/22(土)12:26:49 ID:Mqr
>>434
ワイもや

 

437: 名無し 2015/08/22(土)12:28:54 ID:Lgn
>>434
(あれワイ書き込んだっけ)

 

438: 名無し 2015/08/22(土)12:46:57 ID:heO

(´・ω・`)(この仕事も人件費削減ですぐ終わった…)

(´゜ω゜`)(せめて、個人レッスンの契約でも見つけなきゃ……!)

数日後

(´・ω・`)(誰も見向きもしない… 万事休す…か)

母『クビツェクへ 隣り街の役場で職員を募集しています 市長もあなたの音楽的才能について関心をもってくれています』

(´・ω・`)(音楽と…全く関係ない 母さんはそれをわかってるみたいだ)

(´・ω・`)(背に腹は変えられない…か)

リンツの隣り街 エファーディング

市長松「受験番号334番アウグスト・クビツェク君」

(´・ω・`)「はい」

市長松「合格だぞ」

(´・ω・`)「…ありがとうございます」

この瞬間、僕の音楽家への道は終了した

 

440: 名無し 2015/08/22(土)12:57:20 ID:heO

(´・ω・`)(でも、僕は幸せ者なんだよね 今オーストリアじゃあ自分の夢どころか今日のパンにすら事欠く人が大勢いるんだ)

(´・ω・`)(夢なんて…贅沢なこと言ってられないんだ…)

(´;ω;`)

こうして、僕は役人になった

1920年

(´・ω・`)(生計は楽じゃなかったけど、段々音楽の趣味に捧げる時間もできてきた)

(´・ω・`)(そして、街の仲間とオーケストラを立ち上げた 小さな町の小さな楽団だ 仕事をしながらたまに野外コンサートをしたりした)

「待ち受け番号334番ハンス・ヒトラーさん、5番窓口にどうぞ」

※ヒトラーという姓は、オーストリアではそれほど珍しくない

(´・ω・`)(ん)

(´・ω・`)(アドルフ…か 懐かしいな あの頃は、本当に楽しかったなぁ)

(´・ω・`)(そういえば、彼は今何をしてるんだろう)

 

441: 名無し 2015/08/22(土)13:11:03 ID:heO

(´・ω・`)(ゲルマンの英雄に憧れていた彼だ きっと僕よりも立派な兵士になったんだろうな)

(´・ω・`)(もしかしたら、戦死…?)

上司「クビツェク君、書類はまだかい?」

(´・ω・`)「はい、只今」

(´・ω・`)(ま、アドルフなら生きてたら有名な建築家か芸術家になっているんだろうな)

この時、僕は彼がミュンヘンの政治家になっているとは思いもしなかった

数ヵ月後

(´・ω・`)「うーん、中々景気は回復しないなぁ」シンブンパラー

『彡《●》《●》

国家社会主義の著名な大衆演説家、アドルフ・ヒトラー』

(´・ω・`)「」ピタッ

(´゜ω゜`)「はい?」

 

442: 名無し 2015/08/22(土)13:14:39 ID:a7A
キタ…

 

443: 名無し 2015/08/22(土)13:17:50 ID:BqE
あっ…(‘A`)

 

444: 名無し 2015/08/22(土)13:27:58 ID:heO

(´・ω・`)(そうか…アドルフも芸術家の道はあゆめなかったんだな…)

(´-ω-`)(……)

1923年

『アドルフ・ヒトラー 逮捕』

(´・ω・`)(余りま驚くニュースでもないかな)

(´・ω・`)(でも、彼が読んでた「群衆心理」で言ってたけど先導家って一回失敗したらもう終わりなんじゃ…)

しかし、彼は、甦った

(´・ω・`)(最近は、このオーストリアの新聞でもアドルフの名前をよく見るなぁ)

「大ドイツ主義いいゾ~これ」
「ヒトラー氏(オーストリアに)入って、どうぞ」
「(英仏政府)これもうわかんねぇな」
「(ユダヤ人)†悔い改めて†」

 

445: 名無し 2015/08/22(土)13:36:50 ID:heO

(´・ω・`)(アドルフはすごいな 昔は僕一人だけしか彼の話を聞いていなかったのに今は数万人が聞いてる)

(´・ω・`)(ん……なんだろうこの違和感は)

(´゜ω゜`)「あっ!」

クビツェクの家

(´・ω・`)「あった…!このトランク、アドルフの葉書、手紙、スケッチが沢山ある」

(´・ω・`)「送るべき…かな?」

(´・ω・`)「う~ん、でも、僕のことなんてもう覚えてないよね 取り敢えず保管しておこう」

そして1933年、アドルフ・ヒトラーは帝国宰相となった

(´゜ω゜`)「……」

(´・ω・`)「よしっ、一筆書くか」

 

449: 名無し 2015/08/22(土)13:44:04 ID:yYk
>>445
いつも一緒にいて夢を語ったり趣味を楽しんだり恋の話して
暮らしてた友達を忘れるわけないやんけ・・・切ないで・・・

 

446: 名無し 2015/08/22(土)13:39:34 ID:q0i
クビツェクちゃんは何も知らなかったんやな……急展開しまくりだし仕方ないのか

 

447: 名無し 2015/08/22(土)13:42:17 ID:oVK
ここでヒトラーがお前らなら手のひらクルー確実なんやがな

 

448: 名無し 2015/08/22(土)13:43:10 ID:heO

(´・ω・`)(僕は勿論返事を期待していなかった)

(´・ω・`)(帝国宰相は忙しくて、25年も前の友人に返事を書く暇なんてないだろうから…)

(´・ω・`)(でも、政治的なことは抜きにしても、旧友としてお祝いを述べる必要はあるよね)

一ヶ月後

郵便屋「ク、クビツェクさんお、お、お便りです…」

(´・ω・`)「はい(なんでこんなに怯えてるんだろう?)」

(´・ω・`)「えーと、差出人は…」

(´゜ω゜`)「アドルフ・ヒトラー」

 

450: 名無し 2015/08/22(土)13:44:13 ID:a7A
凄かったからなヒトラーの成り上がりは

 

451: 名無し 2015/08/22(土)13:45:11 ID:BqE
涙で、でますよ…

 

452: 名無し 2015/08/22(土)13:48:51 ID:heO

彡(゜)(゜)

『親愛なるクビツェク!

今日やっと君の手紙を見た。就任以来、膨大な量の手紙を見るので、こういうことは珍しくないないのだ

それだけに、長い年月の末に初めて君の消息と居場所がわかって、とても嬉しい

困難な闘争の日々が終われば、僕よりも喜んで我が人生最良の日々の思ひ出にまた浸りたい

君が僕のところに来ることは可能だろうか 旧友を想いながら、君と君の母上にご多幸をお祈りします
アドルフ・ヒトラー』

彡(゜)(<)

 

453: 名無し 2015/08/22(土)13:52:28 ID:yYk
手紙の最後、親にふれるいつもの結び方や・・・
クビツェクのパッパマッマの安否状態知っててくれたんか・・・

 

455: 名無し 2015/08/22(土)13:53:25 ID:bsK
ぐう泣ける

 

456: 名無し 2015/08/22(土)13:54:16 ID:a7A
ヒトラーは本当は弱い人やからね
近くにクビツェクがずっと居ればなぁ…

 

457: 名無し 2015/08/22(土)13:56:25 ID:heO

(´・ω・`)

『我が人生最良の日々』

(´・ω・`)

(´;ω;`)「うっ……うっ……うあああああ

ーーーーー
ーーー

『君が僕のところに来ることは可能だろうか』

(´・ω・`)「うーん、これどういうことだろ 僕がオーバーザルツブルクの山荘に? いやそれはないな…」

(´-ω-`)「それに、一体何を話せばいいんだ……僕は政治的な意見なんて言えないし、何より戦争は音楽ができなくなるから嫌だよ…」

(´・ω・`)「どうしようかな」

しかし彼は1938年にオーストリア国境を超え、かつて父が税関使として働いていたブラウナウに入った

 

458: 名無し 2015/08/22(土)14:01:24 ID:MdB
クビツェクがヒトラーと会ったときに「戦争は芸術がなくなるから嫌だ」って言っていたらどうなっていたんやろう
それでもヒトラーは戦争しそうではあるが

 

459: 名無し 2015/08/22(土)14:09:07 ID:heO

ドイツ国防軍はオーストリアに進駐

3月12日の夕方、ヒトラーはリンツの市長舎のバルコニーで演説した

(´・ω・`)「よし行くぞ」

僕は彼が泊まるホテルへ向かった

ザワザワ ザワザワ ハイル! ザワザワ
ザワザワ ハイル! ザワザワザワザワザワザワ

(´゜ω゜`)(うわ、凄い人だかりだ)

(´・ω・`)「ちょっとすいません……」

ナンダアイツ アンナマエニデテナニヲ?

(´・ω・`)「あの…帝国宰相と話がしたいんですが」

SS「はぁ?(イカれてんなコイツ)」

ソウトウニアワセテダッテヨ プーナニアノオヤジ ヤマダタロウオツ

 

460: 名無し 2015/08/22(土)14:16:08 ID:sOG
感動の再会来るんか?

 

461: 名無し 2015/08/22(土)14:18:22 ID:heO

(´・ω・`)「この手紙を…」

SS「……少々お待ちを」

SS「中に入って、どうぞ」

ウオオトオサレタゾ イッタイナニモノナンダ

(´゜ω゜`)(うああああ 新聞で見るような人ばっかりだ)

(´゜ω゜`)(そうか!明日はオーストリア併合の国民投票をやる前日だ とんでもないタイミングで来てしまったぞ…)

ジロジロ ジロジロ

(´;ω;`)(か、帰りたい……)

SS「この部屋です」

(´・ω・`)(もうここまで来たんだ 行くぞ…)

(´・ω・`)(アドルフ…は駄目だよね 礼儀正しくしないと アドルフはそういう無礼なのが嫌いだったし…)

(´・ω・`)(ゴクリ…)

ガチャ

 

462: 名無し 2015/08/22(土)14:19:55 ID:heO
続きは今夜
ほな…

 

463: 名無し 2015/08/22(土)14:20:48 ID:MdB
おつやで
続き楽しみなんじゃあ^~

 

464: 名無し 2015/08/22(土)14:22:09 ID:a7A
なんでや!焦らす必要ないやろ!

 

465: 名無し 2015/08/22(土)14:24:44 ID:Vg8
むむむ
待ってるやで

 

466: 名無し 2015/08/22(土)14:29:35 ID:yYk
夜はよ

 

469: 名無し 2015/08/22(土)15:14:16 ID:c2C
これまでも面白いし、ここからもくっそ面白そうだ!

 

470: 名無し 2015/08/22(土)16:04:05 ID:St5
すごくおもしろい、期待!

 

471: 名無し 2015/08/22(土)16:09:05 ID:MVF
今夜が最後なんやろか

 

473: 名無し 2015/08/22(土)19:31:38 ID:sOG
アドルフがどんな態度でクビツェクに接するか気になるわ
2人で暮らしてた頃のままやとええなぁ

 

474: 名無し 2015/08/22(土)20:15:53 ID:heO

彡(゜)(゜)「ん?」

(´・ω・`)

彡(゜)(゜)「お、クビツェクやんけ!」

ザワザワ 「総統と親しげに…」「な、なんだと…」「うらやましい…」 ザワザワ 「一体奴は何者だ」

(´・ω・`;)「え…えと…」

(´^ω^`;)「お、お久しぶりです総統閣下 この度は急に押し掛けてしまい申し分ありません 今日のお日柄もよく…えと…」

彡(゜)(゜)「はは…」

彡(^)(^)「上出来や、クビツェク! ついにお前も他の連中と同じことを言うようになったな」

(´^ω^`;)「あ、あはは…は…」

彡(゜)(゜)「よっしゃ!こっちに来いや!」

 

475: 名無し 2015/08/22(土)20:16:07 ID:eFB
きた…

 

476: 名無し 2015/08/22(土)20:23:17 ID:X9Z
来とるやん

 

477: 名無し 2015/08/22(土)20:24:20 ID:eFB
ヒトラー寂しそうや…
脚色やろうけど…

 

478: 名無し 2015/08/22(土)20:24:50 ID:heO

通された場所は、バルコニーからリンツが一望できる部屋だった

彡(゜)(゜)「クビツェク、お前は本当にあの頃のままや お前がどこにいても、ワイならすぐに見分けられたで お前は何も変わっとらん ただ年をとっただけや!」

彡(^)(^)「久しぶりに会えて嬉しいで! まぁ座れや」

(´・ω・`)「あ、ありがとうございます」

彡(-)(-)「スマンな 本当はもっと長話したいんやが…」

彡(゜)(゜)「今のワイにはブライベートはなく、普通の人みたいに振る舞うことができないんや」

(´・ω・`)「はい、理解できています」

彡(゜)(゜)「見ろや、ドナウ川に架かるあの橋を」

彡(>)(<)「まだ架かっとるんか 昔と変わらんボロいままや!」

 

479: 名無し 2015/08/22(土)20:26:11 ID:6Fe
涙出るで

 

480: 名無し 2015/08/22(土)20:32:54 ID:heO

彡(゜)(゜)「ワイは断言するで! あの橋をあのままにはせん」

彡(^)(^)「でもな、ワイはまたお前とあの橋を渡ってブラブラ歩きたいんや」

彡(-)(-)「だがそれは無理や ワイが現れれば、皆がついてまわる」

彡(゜)(゜)「しかしクビツェク、信じてくれや ワイはリンツに対してたくさんのことをしてやるつもりや」

(´・ω・`)「あの計画ですね」

彡(^)(^)「せや! 今こそあれを実現するで! まずはでかいオーケストラからや!」

(´・ω・`)(彼は青春時代に企てたすべての計画を再び披露した まるであの頃から30年ではなく、せいぜい3年しか経っていないかのようだった)

 

481: 名無し 2015/08/22(土)20:37:37 ID:E4w
アドルフ・・・

 

482: 名無し 2015/08/22(土)20:41:52 ID:heO

彡(゜)(゜)「ところで、お前は何になったんや、クビツェク?」

(´・ω・`)「私は地方官司になり、助役になりました」

彡(゜)(゜)「助役とはどういうもんや」

(´・ω・`;)「え、ええと…つまり、役人です」

(´゜ω゜`)(し、しまった!これだけは口にしちゃいけないと決めていたのに!)

彡(゜)(゜)「そか、役人か…書記か けれども、お前には合わんやろ お前の音楽的才能はどこにいったんや」

(´・ω・`)(僕は話した 敗戦によって僕の音楽の道は台無しになり、飢え死にしたくなかったので、転職したことを)

彡(-)(-)

彡(゜)(゜)「せや、敗戦や」

彡(゜)(゜)「クビツェク、お前は役場書記のまま終わるべきやない」

 

483: 名無し 2015/08/22(土)20:42:13 ID:Stk
(;つД`)

 

484: 名無し 2015/08/22(土)20:46:29 ID:HcL
目から汗が…(/_;)

 

485: 名無し 2015/08/22(土)20:48:10 ID:B9A
ンゴゴ…

 

486: 名無し 2015/08/22(土)20:50:13 ID:heO

ーーー

彡(゜)(゜)「そか この小さな町で小さなオーケストラを…素晴らしいことや どんな交響曲を演奏しとるんや」

(´・ω・`)「シューベルトの『未完成』、ベートーヴェンの『英雄』『運命』、モーツァルトの『ジュピター』などです」

彡(゜)(゜)「そか それならワイはお前を援助せなな 報告書を作って送ってくれや それと、何か悩んだでることはないか」

彡(^)(^)「ワイがパパーッと解決したるで!」

(´・ω・`;)「い、いえ…つつましながらも十分生活は出来てるので特に希望はありません」

彡(゜)(゜)「ファ!?大抵のの奴は喜んで頷いてたで」

(´・ω・`)「そ、そうですか…」

 

488: 名無し 2015/08/22(土)20:51:46 ID:6Fe
ヒトラーのこういう面は全く知らなんだ

 

489: 名無し 2015/08/22(土)20:53:19 ID:bsK
けどクビツェクは敬語か…
あの頃はもう戻らないんやね…

 

490: 名無し 2015/08/22(土)21:01:08 ID:heO

彡(゜)(゜)「ところでクビツェク、子供はおるか?」

(´・ω・`)「ええ、3人います」

彡(゜)(゜)「3人もか!」

彡(-)(-)「ワイには家族がおらん 一人ぼっちや だが、お前の子供達の面倒をみてやりたいやで」

(´・ω・`)(彼は子供について詳しく知りたがった 3人とも芸術的才能があると言うと、彼は喜んだ)

彡(゜)(゜)「クビツェクの子供にはワイらみたいに貧困で苦しんでほしくないんや」

彡(-)(-)「お前と別れてから、ワイは最悪の日々を送った 若い才能が困窮のために破壊されるようなことがあってはならんのや」

彡(゜)(゜)「だから子供達に援助させてくれや!
リンツのブルックナー学院に入れさせるで」

(´・ω・`)(僕がそれを断ると、彼はそれでも食い下がった)

彡(゜)(゜)「そ、それくらいはさせてくれや! 他ならぬ、クビツェクの息子や 遠慮するなや!」

(´・ω・`;)「えと…やはりそういう訳には…」

彡(。)(゜)「むむ…流石ワイの親友や…他の奴に通用する手が全く通じん…」

 

491: 名無し 2015/08/22(土)21:01:10 ID:hSm
クビツェクのこういうところがヒトラーに気に入られたんやろな

 

492: 名無し 2015/08/22(土)21:06:52 ID:stK
>>491
逆に、クビツェクと真反対の人間ばかりがヒトラーを囲んどったんやなぁ…

 

493: 名無し 2015/08/22(土)21:09:43 ID:c2C
敬語はやっぱり取れへんのやな…

 

494: 名無し 2015/08/22(土)21:12:11 ID:heO

副総統「総統、流石にそろそろ」

彡(゜)(゜)「ファ!? もうこんな時間か!」

(´・ω・`;)「あ、そうでした! これを!」

彡(゜)(゜)「これは…ワイの画材や絵葉書か…」

彡(゜)(゜)「クビツェク、これらはお前だけの所有物や これをどうしようとワイは一切関与する気はあらへん」

彡()()「全く、最近はワイが書いた絵だと言って高値で贋作を売るアホがおるんや」

彡(●)(●)「覚えとるか!?ワイが学生時代に肖像画のペアを組まされたやつを! あいつ、ワイとほとんど喋ったこともない癖にワイの学生時代の伝記書きよった!!」

彡(゜)(゜)「そういうものはワイのことを本当に知っとる人物だけが書くべきや もしそういう人物がいるとすれば、それはお前や、クビツェク」

彡(●)(●)「ヘス副総統、このことを直ちに記録しておくように」

ヘス「はい総統」

彡(^)(^)「ほなまた会おうや、クビツェク」

 

495: 名無し 2015/08/22(土)21:19:40 ID:9ND
アドルフ……

 

496: 名無し 2015/08/22(土)21:26:26 ID:heO

(´・ω・`)(あれから、僕の静かで目立たない生活は急に騒がしくなった)

(´・ω・`)(まず僕の所有物が狙われた ssの不良隊員や欲深な連中がよく家にきた)

役所

(´・ω・`)「あの、この書類についてなんですが」

職員「は、はい…なんでしょうか…」

(´-ω-`;)(明らかに怖がられてる…たまにそうでない人がいてもコネ狙い…)

(´・ω・`)(でも新たな知り合いもできた 副総統のヘスだ 彼は他のss隊員や高官と違い、興味深そうにアドルフのことについて聞きたがった)

(´^ω^`)「そこで彼は言ったんですよ『彼女と一緒にドナウ川に飛び込む』って」

ヘス「ははは、女性に対しては昔からそうだったんですねぇ 今お付き合いなさっているブラウン嬢も…」

(´^ω^`)「あはは、付き合った女性3人が自殺未遂……! ははは……は…」

 

497: 名無し 2015/08/22(土)21:29:05 ID:WFH
ひぇ……。

 

498: 名無し 2015/08/22(土)21:48:23 ID:heO

(´・ω・`)(そして、是が非でも援助を受けない僕に業を煮やしたアドルフは僕にあるチケットを送ってくれた リヒャルト・ワーグナーの祝賀劇の招待状だ! それは、あくまで彼の友人としてだ)

(´;ω;`)(その公演は僕の叶わぬ夢だった! 美しい名曲、見ることすらできなかった巨匠! もう死んでもいいとすら思えた…!)

彡(゜)(゜)「ワイが見ることができるのは、この上演だけや だが仕方ない、戦争なんや」

彡(-)(-)「この戦争のせいで、ワイの建設事業は何年も後戻りしてしまったんや 残念や ワイは戦争をするために帝国宰相になったんやない…」

(´・ω・`)「……」

彡(゜)(゜)「クビツェク、お前も知っとるやろ どれ程ワイに建設したいものがあるかを」

彡(●)(●)「戦争なんて糞や! ワイの建築計画を邪魔しおってからに……!」

(´・ω・`)(フランスに勝利した後こんなことを言うなんて思いもしなかったよ…)

彡(゜)(゜)「戦争が終わったら、ワイはまたお前を呼ぶ そして一緒に新しい建築を考えるんや」

彡(゜)(゜)「お前はいつもワイのそばにいなけりゃならんのや」

ヴー

パチパチパチパチパチパチパチパチ

こうして、最後の演目『神々の黄昏』が終わった 彼は別れ際に言った

彡(^)(^)「ほな、また!」

しかし、その約束は果たされることはなかった

 

499: 名無し 2015/08/22(土)21:55:20 ID:heO

1945年4月

彡(゜)(゜)「お、拳銃と青酸カリやんけ! 同時に使ったろ!」

アドルフ・ヒトラー 死亡

8日後 ドイツ降伏

 

517: 名無し 2015/08/22(土)22:26:10 ID:LjA
>>499の適当さも最高や

 

522: 名無し 2015/08/22(土)22:27:12 ID:Lgn

>>499の適当さに草

サンイチ

 

542: 名無し 2015/08/22(土)23:46:11 ID:sOG
>>499
クライマックスやのに遺影で草

 

545: 名無し 2015/08/23(日)00:38:08 ID:Ses

ありがとイッチ

>>499で泣きそうな感情一気に吹っ飛んだよ

 

500: 名無し 2015/08/22(土)21:58:15 ID:laU
悲しいなあ…

 

501: 名無し 2015/08/22(土)21:58:21 ID:6Fe
なんでこんなことになってしまったんや…

 

502: 名無し 2015/08/22(土)22:00:49 ID:bsK
おお、もう…

 

503: 名無し 2015/08/22(土)22:02:40 ID:heO

1946年 グラーゼンバッハ収容所

CIA「あなたはアドルフ・ヒトラーの友人なのですか?」

(´・ω・`)「はい」

CIA「いつから?」

(´・ω・`)「1904年からです」

CIA「それはどういうことですか?当時彼はまだとるに足らない人間だったはずです」

(´・ω・`)「それでも私は彼の友達でした」

CIA「なるほど それであなたは彼から何か貰いましたか?」

(´・ω・`)「いえ何も」

CIA「後年の彼はあなたを歓迎しましたか?」

(´・ω・`)「はい」

 

504: 名無し 2015/08/22(土)22:08:16 ID:heO

CIA「どうやって彼に会ったのですか?」

(´・ω・`)「私の方から出向きました」

CIA「それであなたは彼と一緒にいたのですか? 本当に? すぐそばにですか?」

(´・ω・`)「はい、すぐそばにいました」

CIA「二人だけで? 警備なしで?」

(´・ω・`)「二人だけで、警備もなしです」

CIA「それなら、あなたは彼を〇すこともできたでしょう?」

(´・ω・`)「できたと思います」

CIA「ではなぜ、彼を殺さなかったのですか?」

(´・ω・`)「彼は、私の友達だからです」

 

507: 名無し 2015/08/22(土)22:12:52 ID:QkK
ヒトラーの侵略に抵抗した
ハプスブルク旧皇太子オットーの話すこ

 

508: 名無し 2015/08/22(土)22:14:47 ID:heO

1947年4月

CIA「もう帰ってくるなよ」

(´・ω・`)(僕何もしてないんだけどなぁ…)

(´・ω・`)(僕ももう57歳か)

(´-ω-`)「……」

集まれ!集まれ!

(´・ω・`)「ん」

急いでこっちに来い!

(´・ω・`)「『リエンツィ』……か 久しぶりに見てみるか もうほとんど瓦礫みたいな劇場だけど」

 

509: 名無し 2015/08/22(土)22:21:38 ID:heO

劇場(急ごしらえ) 中

(´・ω・`)「お、この崩れた柱が腰掛けるのに丁度いいや」

石を持ってこい 松明を持ってこい!

(´・ω・`)「よっこらしょ…腰が痛いなぁ 戦中の瓦礫運びが効いたな…」

奴は呪われた 奴は破門された!

(´・ω・`)「……」

私が引き上げてやった民衆たちも、私を見捨てた

私の幸運に集まってきた友達たちも、私を見捨てた……

(´・ω・`)「……」

(´・ω・`)(……)

(´-ω-`)(……)

 

510: 名無し 2015/08/22(土)22:24:32 ID:heO

1956年 アウグスト・クビツェク 死去

彼の残した著書は青年期のヒトラーを詳細に記した数少ない資料として今日も参考にされている

 

511: 名無し 2015/08/22(土)22:24:54 ID:CE1
遂に完結か
乙!

 

512: 名無し 2015/08/22(土)22:25:01 ID:eYz
サンキューイッチ

 

513: 名無し 2015/08/22(土)22:25:07 ID:heO
ほな、また…

 

514: 名無し 2015/08/22(土)22:25:12 ID:I71
おつかれ

 

515: 名無し 2015/08/22(土)22:25:15 ID:NMx
感動的やった

 

518: 名無し 2015/08/22(土)22:26:14 ID:stK
サンキューイッチフォーエバーイッチ
サンキュークビツェクフォーエバークビツェク
ハイル・・・

 

519: 名無し 2015/08/22(土)22:26:18 ID:MdB
当たり前だがヒトラーも人間なんやな
お疲れ様やで

 

523: 名無し 2015/08/22(土)22:27:58 ID:xll
サンガツ

 

524: 名無し 2015/08/22(土)22:28:19 ID:q0i
サンキューイッチフォーエバークビツェク
最後まで敬語で話さないといけなかったのがかなC

 

527: 名無し 2015/08/22(土)22:30:40 ID:CE1
第一次世界大戦がなければ、とかいろいろ考えてしまうな

 

530: 名無し 2015/08/22(土)22:35:53 ID:xll
ヒトラーはクビツェフと別れたあとずっと孤独やったんやな
その孤独は今も続いとる気がする

 

531: 名無し 2015/08/22(土)22:36:24 ID:QkK
協商国「オーストリアうざいわ!民族自決あおって分裂させたろ!」

同じ民族でもドイツとオーストリアの民族自決はアカンで

ヒトラー「散り散りのドイツ民族よこせ」

 

532: 名無し 2015/08/22(土)22:44:34 ID:sOG
ヒトラーを入学させなかった大学は無能やろ
上手いだけで特長がないとかいうけど学生としては十分やん
画風なんて描いていくうちに身につけるもんなんちゃうんか
ヒトラーとクビツェクが戦火を逃れてニューヨークに渡るシナリオ見たかったわ

 

533: 名無し 2015/08/22(土)22:45:16 ID:jZQ
このスレのおかげで歴史文学に目覚めそうやで

 

537: 名無し 2015/08/22(土)23:25:29 ID:CGQ
サンキューイッチ
もっと歴史知りたくなったわ

 

538: 名無し 2015/08/22(土)23:27:02 ID:Cw9
イッチ有能

 

539: 名無し 2015/08/22(土)23:31:41 ID:MVF
サンキューイッチ
こういう書籍のやきう民SS化もっとしてほしいンゴ
彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大芸術家や」
(´・ω・`)