津輕号・パンダ号
運行会社:弘南バス
運転区間:東京~青森
運転期間:1989年~
昔ながらの上野発の夜行列車を思い起こさせる運転区間を行くバス
一番の特徴は東京-函館をバスとフェリーで移動するための割引切符が設定されている事で、その切符利用者のために青森のフェリーターミナルまでバスが乗り入れている
この切符を使えば東京-函館を片道最安7000円で移動することができ、ついでに津軽海峡の船旅も楽しめる
ただしバスとフェリーはそれぞれの都合に合わせた時刻設定なので、お世辞にも良好な接続というわけではない
特に下りの東京→函館の場合2時間半程度青森のフェリーターミナルで待ちぼうけを食らうことになるので要注意
ノクターン号
運行会社:弘南バス・京浜急行バス
運転区間:横浜・東京~弘前・五所川原
運転期間:1986年~
1985年から盛岡~弘前間で「ヨーデル号」の運転を開始したところ順調な滑り出しを見せる
その利用客のデータを調べたところ、半分以上が盛岡から新幹線に乗換えて東京に行くことが判明した
そこで思い切ってヨーデル号の発着点である弘前から首都圏へ直行する夜行バスを運転開始
当時はまだ地方都市へ行く夜行バスは皆無だったこともあり運転開始前は自社内でも成功が疑問視されていたが、フタを開けてみれば連日連夜の大盛況で繁忙期にはバカみたいに続行便が出るほど
この成功は全国のローカルバス会社が大都市への夜行バスを走らせるきっかけとなった
ちなみに「キングオブ深夜バス」はかた号より知名度は低いが、こちらも水曜どうでしょう内において「東日本の女王」という渾名が付けられている
つくば号
運行会社:JRバス関東・関東鉄道
運転区間:東京-つくば
運転期間:1987年~(紹介するバスは2002年~2006年)
国内有数の研究都市でありながら21世紀になるまで大量輸送機関がなかった筑波
東京から出るバスは毎日のように大混雑・積み残しが発生し、学会や入試が行われるときは東京駅のバス乗り場に長蛇の列ができる有様
会社側も増発に増発を重ね最大1日88往復にまで増やしたがそれでも足らず、もはや利用客増による増収が増発や混雑対策にかかる経費に追いつかなくなるほどであった
そこで車両を大型化し一便あたりの定員を増やす作戦に出る
ここで導入されたのが、ドイツのネオプラン社が生み出した超大型バス「メガライナー」
全長15メートル、総重量24トン、そして座席定員は80人超
どれもこれも従来の大型バスの2倍はあるボーアクラスの巨漢は、まさしく大量輸送と混雑緩和の切り札であった
だがこの図体のデカさが仇となり、運用面において様々な制約が生じる
通常の運行ルートは通れず、一部のバス停には寄れず、JRバスに至っては車庫にすら行けないので関東鉄道の車庫を間借りしていた
それでもその収容力に比べればこのような制約など屁のようなものであり、結局つくばエクスプレスが開業しある程度バスの混雑が落ち着く2006年までメガライナーの活躍は続いた
青春メガドリーム号
運行会社:JRバス関東・西日本JRバス
運転区間:東京~大阪
運転期間:2006年~2009年
つくば号の運用から外れたメガライナーの新しい運用先として新設された東京-京阪神夜行バス「ドリーム号」の格安便
当時勃興しつつあった格安ツアーバスに負けじと巨体に貧乏人を大量に積み込むことで東京~大阪間最安3500円という圧倒的安さを実現した
だがクソみたいな運用の制約は健在で、むしろ夜行かつ長距離となった分その影響は大きくなる
一般道への迂回もできないので、東名高速で通行止めが発生しようものなら最寄りのPA・SAで長時間待たなければならず、その旨を了承するよう出発時の案内放送で流すほどであった
とはいえこれだけならまだ扱いにくいジャジャ馬くらいの評価で済んだだろうが、なんとここから2年間で2度も車両全焼の火災事故を起こすというスーパープレーが炸裂
2件とも奇跡的に死傷者0だったが使いづらいうえに大事故を起こすというそびえ立つクソを放置するワケがなく、国交省は即座に運用停止を指示
会社側もこれに応じ運用から外したうえドイツのメーカーに強制送還、遂に帰らぬバスとなった
なお、メガドリーム号そのものは従来の二階建てバスで運行が続けられ、現在は「青春エコドリーム号」となっている
(*^○^*)「広島に遠征に行くんだ!何かいい交通手段無いかな~?(カタカタ)」
(*^○^*)「なんだこのバス!?(驚愕)新幹線の半額以下なんだ!」
(*^○^*)「お!激安ゥー!これにするんだ!横浜を7時30分発だな?」
(ヽ*´○`*)「日が暮れたのにまだ着かないんだ・・・」
彡(゚)(゚)「お前絶対午前と午後間違えたやろ」
弥次喜多ライナー
運行会社:中国バス
運転区間:横浜~広島
運転期間:2005年~2006年
考案者の頭を割って中を見てみたいバス
横浜-広島という現在の夜行バスでも12時間以上かかる超長距離を昼間同じくらいの時間かけて走る
ばっかじゃねぇの(嘲笑)
あまりに長時間運転だったため高速バスでは異例の昼食休憩の時間まで設定されていた
わざわざ専用のラッピングがされた車両を導入するほどの気合の入れようだったが、当然のように利用者はおらず運転開始からわずか7ヶ月で廃止となった
横浜-広島間912kmは昼行バスが走った距離としては歴代最長である
(現在の1位はスカイ号の上野-青森間715km)
中国ハイウェイバス
運行会社:西日本JRバス・神姫バス
運転区間:大阪~兵庫山間部・津山
運転期間:1975年~
中国自動車道が大阪から津山まで開通したのを機に運行を始めた路線
並行する姫新線の急行列車を補完するという目的で国鉄バスが主導して運行し好評を得た
ところが鉄道利用に比べ、安く快適で所要時間も大差ないバスに急行列車の客が流れ込んでいく
結果このバスは列車を補完するどころか、むしろ列車の客を奪ってしまい姫新線の急行は急速に衰退
ついに1989年には全廃されてしまった
この「国鉄の客を国鉄バスが奪う」という同士討ちは大問題となり、これ以降国鉄バスの高速バス参入は従来路線の付替えを除いて凍結されてしまった
中央高速バス伊那・飯田線
運行会社:京王バス・伊那バス・信南交通・フジエクスプレス・山梨交通
運転区間:新宿~駒ヶ根・飯田
運転期間:1984年~
中国ハイウェイバス以降国鉄はローカル線の急行が並行する高速バスに喰われることに危機感を抱いていた
その脅威は飯田線にも襲いかかり、1983年に名古屋方面の急行列車がバスにやられ衰退していく
さらに1984年に今度は東京方面からの高速バス新設の計画が明らかになるとついに国鉄はブチギレ
なんと民間企業のバス路線新設の再検討を運輸省や沿線自治体に要求するという異常事態に発展した
しかし今まで高速化や新型車両の導入などのテコ入れを行わなかったくせに自分がピンチに陥ったら助けを求めてくる国鉄に沿線も運輸省も呆れ顔
結局「飯田線への影響が、高速バス運行を妨げる理由にはならない」という結論を出され予定通り路線新設の認可が下りる
残当
これら一連の流れはもはや国鉄にかつての地位は無いことを表すには充分であった
その後中央高速バスは各ローカルバス会社のドル箱路線となり大発展
一方飯田線の急行列車は皆の予想通り1988年静かに息を引き取った
広島つやまエクスプレス
運行会社:両備バス
運転区間:広島~津山
運転期間:2005年~2010年
あのさぁ…(呆れ)
一応大都市と観光地を結ぶ路線で需要はありそうではあるが、これまた閑古鳥
特に平日の利用は壊滅的に少なくついに2008年に車両の小型化が発表される
また>>26みたいなマイクロバスを入れるのかと思われたが、お茶目なサプライズで導入されたのはトヨタハイエース
自動車学校の送迎とか田舎のジャンボタクシーならともかく、これは流石に酷い
さすがに水曜・木曜限定の措置であったが、コイツが広島バスセンターに乗り入れる姿はシュール以外の何物でもない
結局1年足らずで小型バスに車両変更されたがその後も利用は振るわず無事廃止された
オーシャンライナー
運行会社:中国バス
運転区間:福山~高知
運転期間:2000年~2015年
ええ…(困惑)
どうやら運転開始当初は普通の大型バスが使われていたようだが、出だしから閑古鳥
経費削減の一環として長距離路線でありながらトイレも付いてないマイクロバスを導入
幼稚園の送迎とか田舎の路線バスならともかく、これはれっきとした高速バスである
結局このマイクロバスでの運行は2015年の廃止まで続くこととなった
なお同様の車両はフライングフィッシュ号(福山~米子)、クロスウェイエクスプレス(尾道~松江)でも導入されている(どれも廃止)
別府ゆけむり号
運行会社:広交観光・大分交通
運転区間:広島~大分
運転期間:2005年~
長らく航路で結ばれていた広島-別府間を代替する形で新設されたバス
しかし運行開始当初は東九州道も開通しておらず、それでなくとも瀬戸内海が行く手を阻み遠回りとなる
そこで目をつけたのが、徳山と国東半島を結ぶスオーナダフェリー
この船に乗り込み瀬戸内海を渡るという大胆な策で、普通に陸路を行くよりも大幅な時間短縮が得られた(船が休航のときは陸路へ迂回か運休)
フェリーに乗り入れるバスはかつて瀬戸内海や有明海で多く見られたが、現在はこの別府ゆけむり号と鹿児島県鹿屋市のコミュニティバスのみである
バスがフェリーに乗り込む様子
https://www.youtube.com/watch?v=zSb1yEXRRow
ニュース「地震の影響で運休していた高速バスが運転を再開しました」
彡(^)(^)「ほーん、よかったやん」
ニュース「ただ、1日14往復と大幅に本数を減らして運転しています」
彡(゚)(゚)「は?14本とか十分多いやろ。普段はどんくらい走っとるんや」
http://www.nnr.co.jp…hwaybus_kumamoto.pdf
/бヽ/бヽ
./ / /二ミヘ
人_ _入_ _ノ ヾミミミミ
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ひのくに号
運行会社:西鉄高速バス・九州産交バス
運転区間:福岡~熊本
運転期間:1962年~
福岡~熊本という二大都市を半世紀以上前から結んでいる老舗幹線バス
大都市間を走るゆえに高速バスになった当初は1日6往復だった本数はあれよあれよと言う間に増加
2011年に新幹線が開業し利用の大幅減が不安視されたが、むしろ特急料金値上がりを嫌う客が鉄道から転移したことで最近また増発
熊本地震直前までに全系統合わせて113往復という高速バスでは屈指の大所帯となった
なんで休日早朝の始発から10分間隔で走ってるんですかね・・・(困惑)
なお、これだけ走らせても全国的に見れば1日の本数トップではない模様(1位は札幌-小樽の120往復)
あおしま号
運行会社:近鉄バス・宮崎交通
運転区間:大阪-宮崎
運転期間:1989年~1999年
おひさま号
運行会社:近鉄バス
運転区間:京都-宮崎
運転期間:2008年~2016年
1983年の「ムーンライト号」誕生以来、関西~九州間の夜間移動需要は高速バスが大勢を占めるようになった
そんななか全く違う情勢を見せたのが陸の孤島こと宮崎
空港が宮崎市街地に近いこと、横になって移動できるフェリーが運航していること、さらに東九州の高速道路が未発達でわざわざ九州道・宮崎道経由で遠回りしなければならず時間面・運賃面で優位に立つことができなかった
結果、夜行バス隆盛の時代であったにもかかわらず運転開始から7年で季節運行化、わずか10年で廃止という惨敗を喫する
ついでに2005年に寝台列車が廃止されたことで、関西~宮崎間は直接結ぶ交通手段が飛行機と船だけという珍しい区間となった
その後2008年に近鉄バス単独で復活
京都まで区間が延伸されたこと、神戸にも寄るようになったこと以外はルートもサービスもあおしま号と大差なし
まるで成長していない…
とはいえ復活するまでの間に飛行機・船ともに大幅に値上がりしており、当初は安さの面で勝負することができた
が、2015年に関空までのLCCが就航するとそれも揺らぐ
加えてこの頃には乗務員不足も深刻なものとなっており、ついに再撤退という結末を迎えた
なお、近鉄は懲りずにまた運転を再開する気でいる模様