隣のおっさん「あ、あぁ~ッ!」 グチャグチャグチャーッ!
サバ「はい、今日のファイトは終わり。お疲れさまでした」
ワイ「うぅ……あ、ありがとうございました……」
数週間前、念願の釣りに出かけたのだが、『初めての釣りでボウズだと続かないのでは』
という懸念の声があり、結果、サバちゃんが定期的にワイのサビキ仕掛けからロッドをグイグイしてくれるようになった。しかしサバちゃんはなんだか
ワイのことがキライみたいで、いつもいつも不愛想に横走りバシャバシャして、オマツリウザイウザイなのだった。
ワイ「トホホ……サバちゃん美味しいのに横走りバシャバシャはウザイウザイなんだから……あーあ、どうにかしてサバちゃんのロッドグイグイをやさしくて気持ちいものにしてもらえないかな~、ん?」
深夜なのにワイのクーラーボックスから明かりが漏れている。
サバ「よいしょ……よいしょ……」
ワイ(さ、サバちゃんが、クーラーボックスで持ち帰ったゴミの仕掛けを相手にロッドグイグイの練習をしている!?)
サバ「ふぅ……こんなものですかね……。もっと気持ち良くなってもらえるように頑張らないと……」
ワイ「サバちゃーん!」 バターンッ!
サバ「ひゃあッ!?」
ワイ「サ、サバちゃーん! ごめんよーッ! サバちゃんは毎日ワイのために横走りバシャバシャの練習してたのにワイはそんなことも知らずに……ッ!
ハフッ!ハフッ! サバちゃんの生き腐れいい匂い!」
サバ「ど、ドサクサにまぎれて匂いを嗅がないでください!」
ワイ「ご、ごめんねサバちゃん……!」
サバ「べ、別に、横走りバシャバシャ練習するくらい普通です……。それが私のお仕事なんですから……。それに、私は小サバで、あんまり引きが強くないから」
ワイ「そ、そんなことないよ! サバちゃんのその気持ちだけでワイは十分ロッド気持ちいいんだよ! あっ、そ、そうだ! サバちゃんあたま出して!
サバ「こ、こうですか?」
ワイ「そう! それじゃあ今からサバ折りするからね! サバちゃんのなまぐさあたまをドッピュするからね! ちゃんと受け入れてね!」
サバ「えっ、えっ?」
ワイ「ウオーッ! サバ! なまぐさあたまを折るぞ!」ボキボキボキーッ!
サバ「ひゃあッ!」ビシャーッ
ワイ「くっ、ふぅ……! す、すっごい濃いのが出たぁーッ!」
サバ「ほんとうです……で、でもなんで……?」
ワイ「それはね……サバちゃんのヒスチジンが、ヒスタミンに変わっちゃうからだよ! サバちゃんは生き腐れだからね!」
サバ「私の生き腐れ……」
ワイ「そう! というか、テクニックなんて、二の次なんだよ! 横走りバシャバシャは、人の多い防波堤でやってもらうより、人気のないところでやってもらうのが一番気持ちいいんだよ!」
サバ「ひ、人気のないところって……はわわ……あ、あの……もうちょっとだけ、練習に付き合ってもらってもいいですか?」
ワイ「もちろん!」
その後、ワイは一晩中サバちゃんのあたまにサバ折りを続けて次の日の朝はヒスタミン中毒で起き上がれないほど疲弊していた。
でもまぁ、その日以来、ロッドグイグイをするときサバちゃんが耳元で「人気のないところに行きましょう」と言わんばかりにテトラへ潜りまくったあげくタチウオにラインごと食いちぎられるようになったので結果オーライ! 終わり
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