1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 01:33:36.56 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「先輩、すみません。少し遅れちゃいました」
橘「大丈夫だよ。おかげで、校内残っている生徒は、みんな帰ったからね」
七咲「どういう事ですか?」
橘「つまり……こうしていても見つからないって事さっ!」ムギュー
七咲「なっ!?」
橘「どうだ、動けないだろう」
七咲「せ、先輩……」
2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 01:35:04.67 ID: ID:ruzQe5YP0
なんて破廉恥な
すごくいいです
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 01:35:45.81 ID: ID:4nZ+cL1/0
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 01:37:57.94 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「本当に誰か来たら、どうするんですか」
橘「水泳部はもうみんな帰った。つまり、ここに来る生徒はもういない」キリッ
七咲「だ、だからって、その……先生とかが」
橘「七咲、あまり僕を舐めないほうがいい。舐めてもいいけど、僕は舐める方が好きだ」
七咲「え……?」
橘「先生がここの施錠の確認に来るまでには、まだあと二時間ある。だからあと二時間は、ここには誰も来ないってわけさッ!」
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 01:44:39.70 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「先輩……いつ調べたんですか、そんなの」
橘「ふっふっふ、紳士の嗜みさ」
七咲「わけがわかりません」
橘「うーん、図書室で勉強をするひりをして、毎回ちょっとづつ帰る時間を遅くするんだ」
橘「そうすれば、いずれ確認の先生に会える」
橘「それを繰り返して、当番の先生、曜日、場合によってはその日の気温まで計算に入れ、綿密な調査から導き出された答え……それが二時間後なんだ」
七咲「……一体、どこからその気力が生まれるんですか」
橘「決まってるじゃないか」
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 01:47:17.05 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「七咲と、イチャイチャするために決まってるだろ」ギュー
七咲「先輩……相変わらずですね」
橘「でも、嫌ってわけじゃないんだろ?」
七咲「何を今更言うんですか、先輩の彼女を舐めないでください」ギュー
橘「それでこそだよ、七咲」
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 01:52:35.37 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「で、ここから進展は無いんですか?」
橘「進展?」
七咲「こう……先輩の背後から、タコの足のような触手が現れて……とか」
橘「ま、待ってよ七咲! 僕は触手に目覚めかけはしているけれど、七咲にそんな事をしたいとは、思ってないよ!!」
七咲「……冗談ですよ」
橘「はっ!?」
七咲「先輩、触手は……ちょっと私は遠慮しますね」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 01:53:51.28 ID: ID:ruzQe5YP0
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 01:55:34.69 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「も、もちろんだよ! 七咲にそんな事をするわけ無いじゃ無いか」
七咲「私じゃなければ、するんですか?」
橘「そ、そんな事ないよっ!」
七咲「でも、触手に目覚めかけているんですよね?」
橘「そ、それは……」
七咲「先輩は、破廉恥ですね」
橘「ごもっともです……」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 01:58:04.95 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「まぁ、なんとなく予想はしていましたけど」
橘「……予想されていたのか」
七咲「当然です。私は先輩の彼女ですよ」
橘「僕の彼女ってすごいね」
七咲「気づくのが遅いですよ、先輩」ギュー
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 01:59:51.23 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「それで……」
橘「?」
七咲いつまでこうしているんですか?」
橘「ずっと」
七咲「先生が来るまでって事ですか?」
橘「ずっと」
七咲「……本当に、ずっと、ですか?」
橘「ずっと」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:02:06.39 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「言いましたね、先輩」
橘「ふっふっふ、紳士に二言は無いよ」
七咲「なら、私だってずっと先輩を離しません」ギュー
橘「じゃあ、先に離した方が負け……だね」
七咲「負けるはずがありません」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:06:26.22 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「…………」ハムッ
七咲「ひやぁっ!?」
七咲「……驚いたら、離すと思ったら大間違いですよ」
橘「ひょんなほほ、ほくはっへほほっへはいは!(そんな事、僕だって思ってないさ!)」
七咲「人の耳を噛みながら言われても……」
橘「ひはふはいはろ? (痛く無いだろ?)」
七咲「ええ、まぁ……」
橘「はははひはははへ! (アマガミだからね!)」
七咲「うまくないですよ、先輩」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:08:53.17 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「うぅ……上出来だと思ったのに……」
七咲「……ふふ、まだまだですね」
橘「だけど、七咲もわかっただろう?」
七咲「何をですか?」
橘「この戦い、僕の勝利だということさ」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:10:56.18 ID: ID:umeXA2S2O
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:11:55.29 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「な……私は先輩を離しませんよ!」ギュー
橘「でもね七咲、意思の問題じゃないんだ」
七咲「そんな……」
橘「このむぎゅー戦争、両手は使えず、足はまともに動けない戦い。唯一武器となるのは何か、わかるかい?」
七咲「それは、頭……っ!? まさか、でも、そんなっ!」
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:14:36.20 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「そう、まともに動けるのは頭だけだ。だからこそ僕は勝てる」
七咲「くぅ……」
橘「身長差……男女のどうしようも無い隔たりが、この戦争を動かすのさ」
七咲「そんな……事って……っ!」
橘「悲しいけど、これ、戦争なのよね」
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:17:19.26 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「僕は今みたいに、耳を噛んだり、ほっぺにキスをしたり、何だって出来る。だけど、七咲は」
七咲「顎に……頭突きをするくらいしか……」
橘「痛いからやめてね?」
七咲「わかってますよ」
七咲「でも、まさかこんな劣勢に立たされるなんて……」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:19:58.23 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「七咲……僕は手加減はしないよ」ペロッ
七咲「え……ひゃっ!」
橘「言っただろう。僕は舐める方が好きなんだ!」
七咲「だからって、なんで眉間なんですか!」
橘「眉間に皺を作った七咲を、見たくなかったんだよ」
七咲「先輩……」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:21:02.47 ID: ID:56Fyviut0
たたみかけろ大将
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:23:40.12 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「ほら、七咲、離したって僕は怒らないよ」スリスリ
七咲「ん……せ、先輩……」
橘「今日くらい、負けてもいいんだよ」ペロリ
七咲「だ、だめ……」
橘「意地をはったって……良いことなんて、無いんだよ」ハムハム
七咲「せ、先輩……」
橘「なんだい?」
七咲「……ちょっと痛いの、我慢してくださいね」
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:27:15.68 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「え? 何を……うわぁっ!?」ドサッ
七咲「身長差なんて、崩してしまえばいいんです」
橘「いてて……なるほどね」
七咲「押し倒して、私が上に乗る……身長差なんて関係無い。いいえ、上にいる分、私の方が有利です」
橘「だが、僕は紳士だよ」
七咲「紳士の彼女の力……覚悟してください」
橘「良いだろう、来いっ! 七咲! その力、僕に見せて見ろ!!」
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:32:59.49 ID: ID:RlCOSDHg0
--一時間後--
七咲「はぁっ……はぁっ……さすがですね、先輩」
橘「はぁっ……はぁっ……七咲こそ、力をつけたね」
七咲「まだ、紳士には及びませんか……」
橘「まだ負けないよ。でも七咲が、水泳を応用した時は、負けるかと思ったね」
七咲「で、でも結局、欠点が見つかって……」
橘「また、挑むんだね」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:34:27.56 ID: ID:zyb1b9Ye0
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:34:44.13 ID: ID:56Fyviut0
その一時間を一時間かけて説明しろよ
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:35:53.04 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「でも、まだ離してはいませんよ」ギュー
橘「……紳士淑女の比べ合いは決着しても、まだ勝負は続いているからね」
七咲「こっちでは、負けませんよ……くしゅん!」
橘「あぁ、さすがに抱き合ってても寒いね」
七咲「帰ります?」
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:41:03.74 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「そうだね、じゃあまず起きあがろう」
七咲「どうやって、起き上がります?」
橘「うーん、そうだな。七咲、ちょっと足を動かすね」
七咲「え、あ、はい」
七咲「正座みたいに、折りたたんでいる、んですよね? 見えないですけど」
橘「そう、ちょっと床が痛いけど、これで準備はオーケーだ」
七咲「でも、これじゃあ何も」
橘「見せてあげるよ、紳士の本当の力を」
橘「ID腹筋で鍛えられた腹筋は、二人の体を……持ち上げるッ!」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:44:25.32 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「そ、そんな……こんな形で、私の有利な体制が、崩されるなんて」
橘「七咲は軽いからね」
七咲「ありがとうございます……でも先輩」
橘「?」
七咲「この体制、すごくエッチですね」
橘「……ッ!? (正座をした僕の膝に、七咲が座っている……こ、これはっ!!!)」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:46:30.15 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「はっ……危うく離してしまう所だった……やるね、七咲」
七咲「いけると思ったのに……」
橘「でもね、七咲。七咲が僕の上に座っているのに、僕から離れる事は出来ないだろう(物理的に)」
七咲「そうでしたっ!」
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:48:29.30 ID: ID:DbED+V3Q0
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:49:22.38 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「さて、日が落ちちゃった。七咲、僕の後ろにある、二人分の鞄を持ってくれる?」
七咲「は、はい、持ちました」
橘「よし、じゃあ、帰るよ」
七咲「え……きゃぁっ!?」
橘「七咲、出来る事なら、足でもしがみついてくれないかな。ちょっと歩きにくいよ」
七咲「なんの前置きも無く、持ち上げるからですよ!」
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:52:10.01 ID: ID:xzWp5y3n0
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:52:19.21 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「よーし、じゃあ、帰るぞー!」
七咲「本気で言ってます?」
橘「七咲は、負けるのと、抱き上げられて帰るのと、抱き合いながら四つ足で帰るの、どれがいい?」
七咲「……こ、このままでお願いします」
橘「よし、じゃあ、このまま帰るよ!」
七咲「だ、誰にも見つからないでくださいね!」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:52:31.63 ID: ID:IT/PeoiN0
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:53:09.92 ID: ID:m59xKFOR0
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:55:23.75 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「運動部……無し。七咲、このまま校門まで、行くよ!」
七咲「はい!」
橘「くっ!? 緊急事態だ」
七咲「ど、どうしたんですか?」
橘「生徒会長……絢辻さんが、校門に立っている」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:58:32.19 ID: ID:drGWxDjXO
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 02:59:33.96 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「……どうします?」
橘「もう、他の門はとじられている。僕達の道は、あそこにしか無い」
七咲「で、でも……それじゃあ」
橘「……七咲、僕の鞄から防寒着を出してくれ」
七咲「これですか?」
橘「……大きめの物を買って、本当に良かった」
七咲「ま、まさか」
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:00:56.96 ID: ID:m59xKFOR0
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:01:49.50 ID: ID:RlCOSDHg0
絢辻「……やけに遅いのね、橘君」
橘「い、いやぁ、うん、いろいろあってね」
絢辻「食堂で、いっぱいご飯でも、食べたの?」
橘「え?」
絢辻「随分と……大きなお腹ね」
橘「!?」デスヨネー
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:05:31.37 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「えああうん! 残り物をね、貰って食べてたんだ! それもいっぱい!」
絢辻「へぇ……最近の食堂はすごいのね」
橘「あ、ぼ、僕が無理を言って食堂で残り物を貰っただけだから、秘密にしてね!」
絢辻「そこじゃないわ」
絢辻「食堂でご飯を食べると、首から毛が生えるなんて、初めて知ったわ」
橘「な、七咲、もっと頭を下げて!」コソコソ
七咲「無茶言わないでください!」コソコソ
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:08:15.70 ID: ID:RlCOSDHg0
絢辻「それに、なんだかゴツゴツしているように見えるわ」
橘「い、いやぁ、色々食べたからなぁ……」
絢辻「コンクリートブロックでも食べたの? 背中、二つくらい四角い物が入ってるみたいよ」
橘「な、七咲、鞄をどうにか出来ない?」コソコソ
七咲「どうしろってんですか!」コソコソ
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:09:14.71 ID: ID:m59xKFOR0
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:11:19.27 ID: ID:RlCOSDHg0
絢辻「……極めつけは、橘君。両腕はどこにやったの?」
橘「え、えっと……」
絢辻「転ぶと危ないわよ。せめて手くらいは出しなさい」
絢辻「出ないと、転んだ時に『お腹に入った何か』が怪我するわよ」
橘「……絢辻さん、それは無いよ」
53:以下、名無しにかわりましてお願いします : 2012/02/27(月) 03:13:10.85 ID: ID:D/BA4VMn0
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:13:50.88 ID: ID:DIwo/J6x0
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:15:01.98 ID: ID:X6CV0U7K0
ここから挽回できる
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:15:28.40 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「僕は、お腹を地面にぶつけるくらいなら、自分の背中から倒れる」
橘「死んでもお腹は守ってみせるよ」
七咲「先輩……」
絢辻「……はぁ、ならさっさと帰りなさい。暗くなると、本当に転ぶわよ」
橘「……! あ、ありがとう! 絢辻さん!」
絢辻「……まったく、末永くお幸せに。呆れるしかないわ」スタスタ
橘「……行っちゃった」
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:17:42.15 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「ぷはっ……何とか、なりましたね……」
橘「なったんだよね?」
七咲「私には、声しか聞こえていませんでしたので、何とも……」
橘「息苦しく無かった?」
七咲「多少はありましたけど、もう先輩達の会話でハラハラして……それどころじゃ無かったですね」
橘「あはは……」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:17:52.40 ID: ID:ZajikbSn0
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:19:55.57 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「さあ、今度こそ帰ろう!」
七咲「上着はいいんですか?」
橘「二人で着ると、思ってたより熱いからね。七咲は欲しい?」
七咲「見られたくないのはありますけれど……まぁ、いいです。いっそ見せびらかしましょう!」
橘「それでこそ、淑女だよ! ……たぶん」
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:22:17.97 ID: ID:Tq9IyLBo0
こんなこと言ってくれるの七咲だけですよ
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:22:41.16 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「先輩、せこいです」
橘「ばれた?」
七咲「この歩き方、私が帰り道を主張出来ません」
橘「そりゃ、僕が持ち上げているからね」
七咲「先輩、せこいです」
橘「じゃあ、七咲から離す?」
七咲「絶対に、嫌です」
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:25:44.39 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「さて、家の前まで来たわけだが……」
七咲「どうしたんですか?」
橘「いや、美也が……」
七咲「見つかるのが嫌なら、離したっていいんですよ?」
橘「絶対に、嫌だ」
橘「七咲こそ、見つかってもいいの?」
七咲「この状況なら、誘拐犯は先輩ですから」
橘「七咲、せこい」
七咲「先輩に言われたくありません」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:28:41.30 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「開けるぞ、開けるぞ、いいんだな!」
七咲「いつでもどうぞ。私からは見えませんから」
橘「うおおおおおおおおおおおっ!!!」ガチャ
美也「にぃに、遅い! 紗江ちゃんの家にお泊まりだから、晩御飯はいらないよ! それに逢ちゃんに連絡できないんだけど、何か……」
橘「た、ただいま……」
美也「…………はぁ」
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:31:48.89 ID: ID:RlCOSDHg0
美也「もうね、慣れたよ、にぃにに逢ちゃん」
橘「な、慣れたって……」
七咲「美也ちゃん、これには深い事情が……」
美也「抱きしめあって、先に離した方の負け……とかじゃないの?」
橘、七咲「なっ!?」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:33:10.58 ID: ID:Tq9IyLBo0
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:36:52.35 ID: ID:qgXl8IgK0
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:37:21.10 ID: ID:RlCOSDHg0
美也「にぃに、今日はにぃに以外、家に帰って来ないから」
橘「え、あ、そうなのか」
美也「逢ちゃん、紗江ちゃんの家に泊まっている事にしておくね」
七咲「美也ちゃん……」
美也「もう、ご近所で有名なバカップルだから、今更何にも言わないよ。ううん、むしろ応援してらんだよ」
橘「美也……」
美也「にぃに、お父さんから伝言」
橘「は、はい!」
美也「孫は、三人がいい」
橘「おいおい……」
美也「じゃ、もう行くね。二人とも寝坊しないようにね!」ダダダダ
七咲「美也ちゃん!」
橘「行っちゃったな」
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:40:48.67 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「……先輩」
橘「……どうした?」
七咲「晩御飯、どうします?」
橘「ご飯と玉子はあったはずだ」
七咲「じゃあ、卵かけご飯ですね」
橘「だな」
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:42:51.79 ID: ID:P3drrVYCO
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:43:26.67 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「先輩、この座りかた好きですね」
橘「しかたないだろ、離れられないんだから」
七咲「えっち」
橘「七咲だって、そうじゃないか」
七咲「先輩がそうしたんですよ」
橘「……否定はしないで置くよ」
74:眠い : 2012/02/27(月) 03:48:35.46 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「さあ、食べよう」
橘、七咲「いただきます」
七咲「相手の肩ごしって、食べにくいですね」
橘「たしかにそうだな」
七咲「……先輩、ほっぺにご飯ついてますよ」ペロリ
橘「僕が気付くより前に、舐めとらないでくれよ」
七咲「どうしてですか?」
橘「不意打ちだと、舐められる事が楽しめないじゃないか!」
七咲「!? ……すみません、私がもっと深く考えるべきでした」
七咲「でも先輩。舐められるより舐める方が、良いんじゃありませんでしたっけ」
橘「場合による」
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:54:27.13 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「どうにか……なるもんですね」
橘「僕と七咲に出来ない事は無いからね」
七咲「それもそうですね」
橘「お風呂は明日の朝に入ろうか」
七咲「なら、もう寝ます?」
橘「そうだね」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 03:56:54.20 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「先輩、私たちってバカですね」
橘「結局、制服のまま、寝るんだからね。でもさ、僕はこれでいいと思うよ」
七咲「え?」
橘「これくらい、バカで丁度良いって事」
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 04:01:29.62 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「幸せバカってさ、悲しんでいる人からすれば、妬ましいんだと思う」
橘「でも、妬ましいから、いつかそうなろうと思える」
橘「梅原なんかよく言うよ。俺も早くバカップルになってやる、ってさ」
橘「だからね、僕達はこのまんま、呆れるくらいバカップルでいよう」
橘「世界中が……まで行かなくても、知ってる人がみーんなバカップルになれるまで、こうして僕達はバカップルらしく抱き合っていよう」
七咲「先輩……」
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 04:02:56.31 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「何より、僕達が幸せだしね!」
七咲「そうですね!」
橘「それじゃあ、寝ようか」
七咲「はい、おやすみなさい、先輩」
結局、寝ている間に離れたので、引き分けとなりました
おわり
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 04:04:01.78 ID: ID:drGWxDjXO
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 04:15:33.43 ID: ID:RlCOSDHg0
最近アマガミSS完走してなさすぎだよ
もっと書き手の人達、頑張ろうぜ!
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 04:16:23.23 ID: ID:xnGyF1m40
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 04:19:10.42 ID: ID:RlCOSDHg0
猛烈に眠いから寝るよ昼まで残っていたら、蛇足な続きを書く
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 04:20:25.77 ID: ID:drGWxDjXO
起きたら新しく立てた方がいいぞ
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 04:16:48.09 ID: ID:DbED+V3Q0
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 04:18:09.80 ID: ID:zyb1b9Ye0
七咲可愛い
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 11:35:06.54 ID: ID:RlCOSDHg0
正直保守してもらえると思っていませんでした
あと30分ほどお待ちください
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 11:38:17.18 ID: ID:nZKVrIei0
105: ◆ZLUGH5bpAU7a : 2012/02/27(月) 12:15:10.40 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「結局、引き分けですか……」
橘「仕方ないだろ、審判出来ない状況だったんだから」
七咲「まだ、続きします?」
橘「いや、いいよ。もう十分だ」
七咲「え…………」
105: ◆ZLUGH5bpAU7a : 2012/02/27(月) 12:15:10.40 ID: ID:RlCOSDHg0
107: ◆ZLUGH5bpAU7a : 2012/02/27(月) 12:22:14.45 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「だって、近すぎて七咲の体を眺められないじゃないか!」
七咲「・・・・・・先輩が先輩で良かったです」
橘「褒めてる?」
七咲「恋人としては、絶賛ですね」
橘「そりゃ良かった」
107: ◆ZLUGH5bpAU7a : 2012/02/27(月) 12:22:14.45 ID: ID:RlCOSDHg0
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 12:30:00.05 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「で、お風呂・・・・・・先に入る?」
七咲「先輩が先で良いですよ。一番風呂は亭主が入るものですから」
橘「良妻だね」
七咲「誰の彼女だと思っているんですか」
橘「じゃあ、お湯溜めてくるよ」
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 12:38:36.84 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「……今の内に」ニヤリ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
橘「七咲ー、じゃあ先に入るねー」
七咲「はい! ゆっくり浸かって来てください」
橘(これ、お決まりのパターンだよね?)
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 12:48:02.69 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「タオルは持って入った……水着を着ようかと思ったけど、七咲はずっと僕の部屋にいたから、持ってこれなかった……」ジャー
橘「お決まりのパターンだ、七咲なら僕の彼女なら……必ず来る!」
七咲「せんぱーい、湯加減どうですかー?」
橘「ほら来た!」
七咲「嫌そうですね」
橘「そんな事ないよ!!」
114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 12:57:18.44 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「では・・・・・・こほん。先輩、お背中流しましょうか?」
橘「じゃあ……こほん。お願いしようかな」
七咲「失礼します」
橘「バスタオル・・・・・・なんだかこの前のクリスマスイヴみたいだ」
七咲「水着・・・・・・着てると思います?」
橘「……着てる。断言する」
七咲
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 13:03:33.01 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「よく…・・・わかりましたね」
橘「七咲が、僕の彼女であるように、僕は七咲の彼氏だからね。当然さ」
七咲「それもそうですね。……っと、その前にこれを着てください」
橘「これって、僕の水着じゃないか」
七咲「先輩・・・・・・昨日の続き、このお風呂で短期決戦と行きませんか?」
橘「・・・・・・成る程、いいよ。紳士はいかなる挑戦も受けて立つからね」
118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 13:06:51.10 ID: ID:2qLmP3/M0
紳士でなければこうはいかない
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 13:10:14.53 ID: ID:nZKVrIei0
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 13:10:47.16 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「ん……待てよ。僕はこの水着で、何かを隠していたような……」
七咲「『月刊競泳水着、四月号』ですか? 先輩最近、あの雑誌がお気に入りですよね」
橘「んなっ!? 七咲、何故それを……」
七咲「特に最近、あの雑誌は方向性が固まってきていますし、先輩の趣味と合ったんですか?」
橘「そうだね、あの雑誌、編集長が変わってから、スレンダーな体によるゆるやかな曲線美にこだわってくれて、僕としては嬉しいかぎr……ごめん、今の忘れて」
七咲「良妻ですから、先輩の趣味趣向以外は忘れますね」
橘「全部忘れてっ!」
121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 13:18:41.05 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「さて、双方水着を来た状況で、一体どうするつもりだい?」
七咲「昨日のむぎゅー戦争及びその中で行われた紳士淑女力競い合い。私は一敗一引き分けと、決して良いとは言えない結果でした」
橘「……リベンジか」
七咲「はい。私は是が非でも勝つために、自分に有利な戦いを申し込みます」
橘「…………」
七咲「紳士淑女力競い合いR《リターンズ》~貴方は一線を踏みとどまれるか~!!!」
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 13:26:31.71 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「つまり・・・・・・そういう事だね」
七咲「言葉は必要、無いですよね」
橘「紳士に二言は無い。そして、紳士が紳士である限り、一線を越える事も無い」
七咲「…・・・では、お背中を流しますね」
橘「ばっちこい。七咲」
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 13:32:12.12 ID: ID:DbED+V3Q0
125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 13:32:43.05 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「こういうエッチなお店って、あるんだよね」
七咲「行った事あるんですか?」ゴシゴシ
橘「あるわけないよ!」
七咲「そりゃ良かったです」ゴシゴシ
橘(普通に背中を流しているだけ……? 七咲、一体何を企んでいる?)
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 13:38:39.04 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「先輩……警戒していますね」
橘「と、当然だよ・・・・・・ひゃっ!?」
七咲「好きなだけ、警戒してください」ツー
橘(くっ……話している隙に、おへそに手を回された……)
七咲「めいっぱい意識してください。もっと気にしてください」ツンツン
七咲「そして……私の事を、しっかりと感じてください」ピタリ
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 13:39:01.63 ID: ID:RlCOSDHg0
129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 13:45:47.13 ID: ID:TtEPMUwv0
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 13:45:48.32 ID: ID:2qLmP3/M0
132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:01:27.09 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「今度は打って変わってぐいぐい来るね」
七咲「先輩が、そうさせてるんですよ。ほらほら、一線超えちゃいましょうよ」スリスリ
橘「くっ……七咲、少し成長した?」
七咲「0.5センチほど」
橘「破壊力を上げおって……苦しむのは、下々の民ばかりなのだぞ」
七咲「先輩が……決断してくれれば、全て終わります」
133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:03:41.26 ID: ID:nZKVrIei0
134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:05:49.91 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「……なかなかどうして、耐えますね」
橘「紳士、だからね」
七咲「わかりました、私も本気で行きましょう」スルリ
橘「何を……これはっ!?」
七咲「感じますか、布じゃない、人の肌の感触を。聞こえますか、私の心臓の高鳴りが」
橘「肩の……紐を……」
135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:07:49.53 ID: ID:CZvEjA3+0
136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:08:25.18 ID: ID:nh0mcGO60
137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:09:52.80 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「先輩の心臓だって……こんなに激しく……」スッ
橘「七咲……」
七咲「一緒に、行きましょう。先輩」
橘「七咲……ッ!」
七咲「二人でなら、どんな困難だってっ!」
橘「僕は、七咲の魂胆を見破ったよ」
七咲「なっ!?」
138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:11:31.29 ID: ID:2qLmP3/M0
139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:15:27.67 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「この戦い。七咲の勝利条件は見ての通り、僕に一線を越えさせる事だ」
橘「だけれど、僕の勝利条件が、結局わからないままだ」
七咲「それは……最初に」
橘「そう、『言わなくてもわかる』これが七咲の作った罠……違うかい?」
七咲「…………」
橘「普通に考えれば、『僕が七咲に対して一線を越えない』事が勝利条件だろう」
橘「だが、これは嘘だ。これは『紳士淑女力競い合いR《リターンズ》~貴方は一線を踏みとどまれるか~』……つまり、紳士淑女。僕の勝利条件も七咲と同じだ」
橘「『僕が七咲に一線を越えさせる』……受け身になっていた僕には、絶対に辿り着けない勝利条件さ」
140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:16:55.28 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「そ、それがどうしたって言うんですか! 私の優位は変わりません」
橘「僕は……これより攻勢に出る!」
七咲「きゃっ……」
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:18:09.57 ID: ID:CZvEjA3+0
143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:19:44.43 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「と、ここまで読ませて僕に七咲を襲わせて、七咲の勝利。これが七咲の思い描いた勝利への道筋、だね?」
七咲「なっ……」
橘「良くできた罠だよ。僕も序盤で完全にはまっていた」
七咲「どうして……わかったんですか」
橘「簡単さ、『一線を越える』の定義があいまいなんだ」
144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:25:32.80 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「そもそも、僕のように紳士かつ男子高校生な人は、『一線を越える』という言葉に一つの想像しか出来ない……つまり、暴走だ」
橘「だから僕は、その定義での『一線を越える』にかからない領域で、七咲に手を出そうとする」
橘「言うまでも無く、この恰好で抱きしめたり、くすぐったり……だ」
橘「だがこの戦いに審判はいない。落ち着いて、客観的に二人で自分たちを眺めた時に、その様はどう見えるだろうか」
橘「七咲に限界まで押しやられた僕が、変な理屈を作って七咲にエッチなイタズラをしようとした。そう見えるだろう?」
橘「それは……ある種の『一線を越えた』だ」
145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:31:36.73 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「そこまで……わかったんですか」
橘「誘い受けもここまで来れば凄まじいね。我が彼女ながら、感心するよ」
七咲「完敗です……私の策略を、全部見透かされました。私は、また勝てなかった……」
橘「そうだね、七咲は勝てなかった。でも、負けてもいない」
七咲「え……でも、私は『先輩に一線を越えさせる』事が出来ませんでした」
橘「僕の勝利条件は、曖昧なままだ。だからここで定義しよう」
橘「僕の勝利条件は『七咲に一線を越えさせる』事だ。そして七咲は『競泳水着の肩の紐を、ずらした』だけにすぎない。これは一線を超えたことにはならないね」
七咲「じゃあ……勝負は……」
橘「引き分け、かな」
146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:31:58.34 ID: ID:JXH/krcYO
147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:34:54.38 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「先輩……そんなのじゃ、私の気が収まりません。私は淑女として、こうして全力で挑んだ。それを完膚無きまでに叩きのめされました。なのに、引き分けだなんて……ッ!」
橘「じゃあ、交渉だ」
七咲「え……」
橘「僕は、七咲に背中を流してもらいたい。エッチなのも勝負も関係無しに、ね」
七咲「先輩……」
橘「やってくれる、かな?」
七咲「当然です! しっかり洗いますね!」
148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:37:37.38 ID: ID:RlCOSDHg0
デート編行きます
149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:38:28.42 ID: ID:CZvEjA3+0
151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:45:41.81 ID: ID:RlCOSDHg0
2時半には帰ってこれると思います
キリもいいし、ここで落とした方が良いかな?
154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:52:06.14 ID: ID:P3drrVYCO
155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:52:18.05 ID: ID:uHcP940A0
夜中の2時半なのか・・・
156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:53:02.81 ID: ID:RlCOSDHg0
もしよかったら、保守お願いします
157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:58:12.82 ID: ID:drGWxDjXO
158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 14:58:53.72 ID: ID:P3drrVYCO
159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 15:10:19.17 ID: ID:LV3Vv4js0
160:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 15:17:14.95 ID: ID:VXLVKSVo0
162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 15:31:14.77 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「というわけで、デートだ!」
七咲「ただ単に、先輩の家にいられなくなっただけですよね」
橘「仕方ないじゃないか。両親に会うには、まだ僕たちのレベルは……」
七咲「この前の、『紳士淑女カップルバトル!』は……私達の圧倒的敗北でしたからね」
橘「知らなかったよ、僕。自分が、あんなに無力だったなんて」
七咲「先輩のせいじゃありません。あの時、先輩の足を引っ張ったのは私で……」
橘「でも、こうして僕たちは特訓をしている。いつかは、あの二人に勝てる日が来るさ」
七咲「はい、頑張りましょう!」
163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 15:32:36.12 ID: ID:LV3Vv4js0
164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 15:35:11.36 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「駅前までは来たけれど、どこに行きたい?」
七咲「今日は、『普通』にお買いものをしたいと思います」
橘「『普通』に?」
七咲「はい。『普通』に」
橘「てっきり、いきなり勝負かと思ったんだけどなぁ」
七咲「ふふ……勝負は、時を見なければ勝てませんから」
165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 15:37:39.25 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「いやぁ、いっぱい買ったねぇ」
七咲「荷物持ちみたいにさせてしまって、すみません」
橘「いやいや、これも紳士の仕事だからね」
七咲「なら、私も……淑女としてお返しをしなきゃいけませんね」
橘「え?」
七咲「ちょっと待っていてください、買ってきます」タタタタ
橘「なんだか、嫌な予感がするなぁ……」
166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 15:39:44.71 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「買ってきましたよ、先輩」
橘「それは……たこやき?」
七咲「はい、焼き立てたこやき五個です」
橘「それで、どうするんだい?」
七咲「先輩、勝負してください」
七咲「『たこやきはふはふポッキーゲーム』です!」
169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 15:45:02.30 ID: ID:RlCOSDHg0
橘(たこやき……は、まぁそのままだろう。だが、『はふはふ』? 『ぱふぱふ』じゃないのか……)
橘(はふはふの意味は……おそらくあつあつのたこやきを食べる時の音……そしてポッキーゲーム……)
橘(なんだか、危険な香りだ)
七咲「先輩、ルール説明をしましょうか?」
橘「あぁ、頼むよ七咲。まったく見当がつかないんだ」
七咲「嘘ですね」
橘「!?」
七咲「先輩は嘘をついています。もう気づいているんでしょう? このゲームが、一体どういうゲームなのか」
170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 15:49:14.38 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「ちょっとだけ、だけど細かいルールはわからないから、やっぱり説明をお願いするよ」
七咲「わかりました。説明します」
七咲「まず、たこやきをポッキーゲームのようにして、二人でくわえます。そして、双方食べて行きます。先に『たこ』を食べた方が勝ち。以上です」
橘「勝負は『たこ』か……」
七咲「なお、たこやきは五個あるので、五回勝負で勝利数を競います。良いですか?」
橘「……わかった、やってみよう」
171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 15:52:52.17 ID: ID:RlCOSDHg0
橘(熱っ! それもそうか、これは焼き立てだ……っ!?)
橘(そうか、わかったぞ。なら、勝負はこの一個目だ!)
七咲「へあ、ほほはいあーがはっははふあーふぉえふ(では、このタイマーがなったらスタートです)」
橘「いーあおう、あけほひあいひょーいえ(いいだろう、火傷しないようにね)」
七咲「ふおんへふ(愚問です)」
ピピピピピピピピピピピピピ
172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 15:54:46.64 ID: ID:JvEj8TYC0
パンツが何枚あっても足りない
173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 15:56:12.49 ID: ID:RlCOSDHg0
橘(くっ……予想よりも、中が熱い……これでは、先に進めないっ!?)
橘(そんなっ!? 七咲が止まらない? これでは……くぅ……)
七咲「先輩……思っていたよりも弱いですね」
橘「どうして……七咲はそのペースで食べられるんだい?」
七咲「私がもう一勝したら、教えてあげます」
橘「残念だな、じゃあ教えてもらえないや」
174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 15:57:12.86 ID: ID:oYIU0Ape0
176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 16:04:31.05 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「くっ……」
七咲「ちょろいもんですね。では教えてあげましょう」
七咲「水泳部は、毎年創設祭でおでんを作っています。もちろん、創設祭の前には予行練習も有ります」
橘「ま、まさか……」
七咲「そう、そのまさかですよ、先輩。友達と一緒に行った『大根早食い競争』……過酷な女の争いが、結果として私に『熱を苦しながら食べる』術を教えてくれた」
橘「そう、か……それであんなに速かったんだね」
七咲「はい……」
177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 16:07:16.86 ID: ID:RlCOSDHg0
橘(だが、七咲も気づいているはずだ。自分の利点が、もう生かせなくなる事を)
橘(そう、たこやきは冷めるんだ! もう、次からはちょっと熱くても、危険じゃない!)
橘「次は……勝つ!」
七咲「王手ですよ、頑張ってください、先輩」
橘「紳士の本領は、ここからさ!」
178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 16:11:13.28 ID: ID:kdgLHeYRO
179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 16:11:16.85 ID: ID:RlCOSDHg0
ピピピピピピピピピピピピピ
橘(一口で、七咲を傷つけないように!)
七咲「んむっ!?」
橘「七咲も、まだまだ乙女だね。いくらちょっと大きなたこやきだからって、一口で食べられないなんて」モグモグモグモグ
七咲「ふふふ、それでこそ先輩ですよ」
橘「さぁ、反撃開始だ!」
180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 16:17:15.36 ID: ID:RlCOSDHg0
「ねぇねぇ、あれって……」「あぁ、あれね」「やっぱり……」「すっげぇ……」
ガヤガヤ ザワザワ
「あれ、もしかして……」「どうしたの……うわぁ、あいつらまたあんな事……」「凄いよね、憧れちゃうよね!」「やめておきなさい、恵子。あなたには無理よ」「えーそんなー」
ワイワイ ザワザワ
橘(ギャラリーが増えたな……なら、ここで僕が華麗に一勝して、ラストの一戦で魅せるッ!)
七咲「ひひあふよ、へんあい(行きますよ、先輩)」
ピピピピピピピピピピピピ
183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 16:24:10.83 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「……ここまで来るとは、思っていませんでした」
橘「こんなにギャラリーがいる中で、恥ずかしい負け方はしたくないからね」
七咲「本当は、これを使いたくは無かったのですが……」スッ
橘「それは……ソースの小袋ッ!?」
七咲「そうです……そして私は、本来この五個全てに使うべき袋を、残りの一個に全てかけます!」
橘(それは……一口で食べようとする僕にはあまり関係が無いはずだ。むしろ普通に食べる七咲にとって、食べにくくなるんじゃ……)
橘(いや、違う! これは七咲の決意だ! 七咲も、一口で食べる気なんだ! 己を劣勢に置くことで、己の覚悟を決める……やるじゃないか)
184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 16:34:12.50 ID: ID:RlCOSDHg0
橘(くっ……二人ともくわえる所にソースはついていない、だけどバランスを崩したら……顔にソースがべったりついてしまいそうだ)
橘(早く、早く始まってくれッ!)
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピ
橘(くっ……口の位置は互角……『たこ』はどこだっ!)
橘(僕の口の中にはいない、幸い七咲の口には繋がったままだ……今ならっ!)
七咲「ん、んむ……ッ!」
橘(七咲の舌が侵入して来たっ!? でも、こっちに『たこ』は……)
「ねぇ、あれさ」「熱烈だぁ」「妬ましや……」「……ディープ」「逮捕されればいいのに」
橘(無いぞ、どこにも……どこにも『たこ』が無いぞっ!?)
185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 16:42:55.13 ID: ID:RlCOSDHg0
橘「ぷはっ……」
七咲「はぁっ……はぁっ……」
橘「……七咲、『たこ』は?」
七咲「先輩が食べたんじゃ無いんですか?」
橘「僕の方にも……無かったね」
七咲「じゃあ……」
橘「たこなし……だったって訳か」
七咲「お店に抗議して、もう一個もらいます?」
橘「いや、いいよ。たこなしだったおかげで、どさくさに紛れて良い思いをした気がするから」
七咲「え?」
橘「あんなにいたギャラリーが、どん引きして帰るくらい……傍から見てもディープだったみたいだから」
七咲「あぁ……たしかに……」
186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 16:46:51.30 ID: ID:RlCOSDHg0
七咲「結局……今日は二引き分けでしたか……」
橘「まぁ、そういう日もあるよね」
七咲「次回こそ勝ちますからね」
橘「紳士はいついかなる挑戦でも受けよう」
七咲「約束ですよ」
橘「……わかった」
七咲「いつまでも、こうして一緒にいましょうね」
橘「うん、ずっとずっと一緒にね」
おわり
187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 16:52:06.39 ID: ID:RjOIXUZV0
188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2012/02/27(月) 17:00:01.78 ID: ID:xBGDYlo00
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