パワプロ「どうしようかなぁ、これ…」
雅「おはよう、パワプロ君。どうかしたの?」
パワプロ「おはよう、雅ちゃん。いや実はね…」ペラッ
雅「パワプロランド…ペアチケット?ここって新しくできた遊園地だよね?どうしたのこれ?」
パワプロ「商店街の福引きで当たったんだけど…」
雅「へぇ、すごいね!でもなんで悩んでるの?」
パワプロ「…ここ読んだかい?」
雅「ん?…カップル限定チケット?」
パワプロ「そう、カップルしか使えないチケットなんだ」
雅「そ、そうなんだ…(いいなぁ、私が普通の高校生だったらこういうのでパワプロ君と…なんてね///)」
パワプロ「普通のペアチケットだったら、誰か友達と行けたのに、カップルチケットじゃなぁ…」
雅「え~と…パ、パワプロ君には一緒に行く、か、彼女とかいないの?(大丈夫大丈夫…自然な流れで聞けた!)」
パワプロ「いたらこんなに悩んでないよー!」
雅「そうだよね、ふふふ(そっか、彼女いないんだ!良かった~)」
パワプロ「彼女いるやつに売ろうかなぁ…」
雅(実は私が女の子って知ってたら、誘ってくれたりしたのかな…)
パワプロ「それとも誰かダメ元で誘ってみようかな…」
雅「!!」
雅「だ、だめー!!!」
パワプロ「えっ!?ど、どうして…」
雅「あ、い、いや…え~と(し、しまった~!つい反射的に反対しちゃた)」
雅「す、好きな人がいるのならまだしも、ダメ元で誘うなんて女の子に失礼だよ!」
パワプロ「そ、そっか…そういうものか…」
雅「そうそう、まったくパワプロ君は女の子の気持ちがわからないんだから…」
雅(そうだよ、私が女って気づかないし…パワプロ君にならバレても…)
パワプロ「雅ちゃんが女の子だったらな~」ボソッ
雅「えぇ!それってどういう…」
パワプロ「な、なんてね!冗談冗談!」
雅(ど、どういうこと?私が女の子ならパワプロ君は、遊園地に誘ってくれたってこと?ってことはつまり…)
パワプロ「しょうがない…誰かに売るか。じゃあね、雅ちゃん」
雅(ど、どうしよう、パワプロ君がいっちゃう…え~い!勢いまかせだぁ!)
雅「パ、パワプロ君!」
パワプロ「ん?」
雅「僕が一日、女の子の振りをするよ!」
パワプロ「……えぇ!?」
雅「だから僕と一緒にパワプロランド行こうよ!」
~当日 パワプロランド前~
パワプロ(雅ちゃんの勢いに押されてOKしてしまったけど…)
パワプロ(普通に考えて、男を女装させてカップルに化けるってのは、まずい…)
パワプロ(いくら雅ちゃんが可愛いといっても、さすがに違和感があるんじゃないか)
パワプロ(断ろうとも思ったが、ガイドブック片手に嬉しそうに話しかけてくる雅ちゃんを見たら、そんなことはできなかった…)
パワプロ(バレてお金を払うのは、正直大したことはない)
パワプロ(それよりも男と女装デート…これがまずい。誰かに見られたら、俺の中の何かが終わる気が…)
雅「お待たせー!パワプロ君」
パワプロ「!!(当日で申し訳ないけど、女装はやっぱ断ろう…普通の格好で普通にお金払って入ろう)」
パワプロ「み、雅ちゃんあのさ…」
雅「おはよ!」
パワプロ「!!」
雅「…ス、スカート、変じゃないかな?」キラキラー
パワプロ(お、女の子そのものじゃないか!…というか、めちゃめちゃ可愛い!)
雅「ん?今、何か言いかけた?」
パワプロ「……今日一日は雅ちゃんのこと、女の子だと思うことにするね!今日は楽しもう(女の子だ、この子は女の子だ…今日はそう思いこもう)」
雅「うん!」ニコニコ
パワプロ「それにしても、そのスカートどうしたの?」
雅「え!?あ、あぁ、お姉ちゃんに借りたんだ(自前とは言えないよね)」
パワプロ「そ、そうなんだ…」
雅「へ、変かな?」
パワプロ「い、いや!めちゃめちゃ似合うよ!…本当に女の子みたいだ」
雅「ホント!?嬉しいよー!///(いつかパワプロ君の前で、普通にこんな格好できるようになりたいな)」
パワプロ「よ、喜ぶんだね」
雅「そ、それはそうだよ!女の子に見えなかったらチケット使えないもんね」
パワプロ「そ、そうか、そうだよね」
係員「チケット用意お願いしやーす!」
パワプロ「あ、そうだそうだ。いざとなると緊張するね、だ、大丈夫かな」
雅「大丈夫だよ(だってホントに女だしね)」
係員「はい、チケット確認しまーす!」
パワプロ「…」ドキドキ
係員「あ、カップルチケットですねー。え~と…」チラッ
雅「?」
係員「はい、OKです!…彼氏さん、めっちゃ可愛い彼女さんですね!」
パワプロ「え!?あ…はい…」
雅「~~///(彼女さんだって!今日一日、パワプロ君と彼氏彼女だ!)」
係員「じゃあ今日一日楽しんでくださーい!では次の方どうぞ~」
パワプロ「全然平気だったね」
雅「まぁ、ああいうのは以外と適当っぽいしね」
パワプロ「いや、しっかり確認してたし…可愛いって言われてたし」
雅「い、いや!あれはみんなに言ってるんだよ、きっと…///」
パワプロ「いやぁ俺から見ても、女の子にしか見えないもん。しかもとびきり可愛い女の子」
雅「えっ!?今、僕のこと可愛いって言った!?」
パワプロ「う、うん…」
雅「そ、そうか~、えへへ///」
パワプロ「!!!(雅ちゃん、照れてる!?あ~もう女の子としか思えないよ!これじゃあ男とは言え、変な気になっても仕方ないだろ!)」
雅「さ、パワプロ君、せっかくだから楽しもっ!何から乗ろうかな~」
~ジェットコースター~
ガタンガタン
パワプロ「あぁ…登っていく」
雅「うわぁ~さすがに高いね…」
パワプロ「うぅ~頂点だ~」
雅「お、落ちるよ…」
ガクンッ
パワプロ「う、うわぁぁぁ!!」
雅「きゃあぁぁぁぁっ!!」
雅「は、速いーー!!」
パワプロ「み、雅ちゃん、大丈夫!?」チラッ
雅「な、なんとかー!」
ヒラッ
パワプロ「!!!」
パワプロ(み、雅ちゃんのスカートが風でめくれて…)
パワプロ(太ももが露わに!)
パワプロ(野球やっているとは思えない…というか男とは思えないほど、白くてきれいな太ももだ…!)
雅「ちょ、ちょっとパワプロ君!急に静かになったけど、大丈夫!?」
パワプロ「え?」
雅「え?どこ見て……ちょ、ちょっとパワプロ君!!あ、て、手が離せないよ!い、いや!見ないでっー///」
パワプロの弾道が上がった
雅「もうパワプロ君、見損なったよ!」プンプンッ
パワプロ「ご、ごめんよ…つい」
雅「ついでも何でも、女の子の太ももをジッと見るなんて、エッチにもほどがあるよ…」
パワプロ「ご、ごめん…え、女の子って?」
雅「あ、あぁ…きょ、今日の僕は女の子なんだからって意味!ってか反省してるの?(あ、危ない危ない…)」
パワプロ「反省してます」
雅「もう~気をつけてよ!(で、でもこれって、私に女の子の魅力を感じてるってことだよね…それはそれで嬉しいかも///)」
雅「じゃあこの話は終わり!さ、気を取り直して…次はあそこに行こうよ!」
パワプロ「どこだい?」
『お化け屋敷』
パワプロ「う…」
雅「さ、早く行こっ!」
パワプロ「俺、ホラーとか苦手なんだよね…」
雅「男の子が情けないこと言わないの!ほらほら(確かこのお化け屋敷は、今カップル限定イベントが…)」
~お化け屋敷~
係員「ようこそ~。おや、カップルチャレンジですか?」
パワプロ「カップルチャレンジ?」
雅「はい、カップルです!///」
係員「ではちょっと失礼します~」
パワプロ「な、なに?」
係員「え~と、手をつないでもらってもいいですか?」
パワプロ「え!何で!?」
雅「え~なんでですか~?」ボウヨミー
係員「このカップルチャレンジでは、手をつないでもらって、その手首に紐を巻かせてもらいます。その紐が最後まで切れなかったら記念品をゲット、というわけです」
雅「なるほどね~知らなかったな~」ボウヨミー
パワプロ「て、手をつなぐの?」
雅「そうみたいだね~いやぁ僕も知らなかったよ~」
パワプロ「そ、それはさすがに…(男同士でそれは…)」
雅「ぼ、僕とじゃ、いや?」ウルウル
パワプロ「!!」
パワプロ「い、いいよっ!きょ、今日はカップルだもんね(もうどうにでもなれ!…というか、この可愛さにお願いされたら勝てる気がしない)」
雅「やったぁ」パァァ
係員「ではお願いします~」
パワプロ「……」ドキドキ
雅「……」ドキドキ
ギュッ
雅「~~っ/////」
パワプロ(手が…手が柔らかい!これはもう女の子の手じゃないかっ!)
雅「や、やっぱ恥ずかしいね…///」チラッ
パワプロ「!!!」
パワプロ(もう俺はダメだ…何かに目覚めてしまう…)
係員「ではいってらっしゃいませ~」
パワプロ「うぅ~さすがに雰囲気あるね…」
雅「そ、そうだね(パ、パワプロ君の体温を感じる)」ドキドキ
パワプロ「み、雅ちゃん、落ち着いてるね」
雅「い、いやこう見えても結構怖がってるよ(正直、それよりもパワプロ君と手をつないでることの方がドキドキだよ)」
パワプロ「お、俺、こういうの本当に苦手なんだよね…」
雅「だ、大丈夫?」
パワプロ「だ、大丈夫じゃないかも…」
雅(はっ…私、自分のことばかりで、パワプロ君のこと考えてなかった…)
雅「ご、ごめんね…」
パワプロ「え?」
雅「ここ入るの嫌だったよね?無理に誘ってごめんね…」
パワプロ「い、いや大丈夫…じゃないけど大丈夫だよ。雅ちゃんここ入りたかったんだよね?それなら入って良かった」
雅「…ありがとう(パワプロ君、優しいな)」
パワプロ「よ、よ~し、いくぞ~!」
雅「でも…怖かったら、手…離していいからね?」
パワプロ「離さないよ!何があっても離さない!」
雅「!!///」
パワプロ「あ…い、いや…き、記念品欲しいしさ!」
雅「…ふふふ、そうだよね!さぁ、いくぞ~」
お化け「バアーー!」
雅「わぁっ!!」
パワプロ「ぎゃー!!!」ギュッ
お化け「ドロドロ~」
雅「ひぃっ!」
パワプロ「ぎゃー!!!」ギュッ
お化け「ベロベロバァー!」
雅「ひゃあ!」
パワプロ「ぎゃー!!!」ギュッ
雅(すごいなパワプロ君…こんなに怖がってるのに絶対手を離さない)
雅(……ん、どうしよ、なんか変な気持ち…)
雅(そうだ!怖がった振りして抱きついちゃおう!)
雅(こんな日だし、これくらいいいよね///)
お化け「犠牲者デース!」
パワプロ「ぎゃー!!!」
雅「きゃあー」ダキッ
プチンッ
パ 雅「あ…」
雅「うぅ……」グスグス
パワプロ「大丈夫だよ。気にしないで、雅ちゃん」
雅「パワプロ君頑張ってくれてたのに僕のせいで…」グスン
パワプロ「いいよいいよ!」
雅「でも…」
パワプロ「いつかまた来ればいいよ!」
雅「え?それって…」
パワプロ「あ、あぁ~でもカップルチケットは期間限定なのかな?ってか次来る時は、カップルになりすます必要ないか…ふ、普通にくればいいもんね!そうだそうだ、何言ってんだ俺は…」
雅「…ふふふ」
パワプロ「お、おかしかった?」
雅「うん、何でそんなに慌ててるの?」
パワプロ「あはは…俺もよくわかんない」
雅「なにそれ~、変なパワプロ君!」
パワプロ「さ、雅ちゃんも笑ってくれたし、そろそろご飯食べようか!」
雅「…ありがとう、パワプロ君」
パワプロ「雅ちゃん、何か食べたいものある?」
雅「あ、僕ね、行きたいお店があるんだ!」
パワプロ「じゃあそこにしよう!」
雅「わ~い!」
パワプロ「ごちそうさま。いやぁ美味しかったね」
雅「うん、ご飯も美味しかったけど、何よりデザートのケーキが美味しかったよ~」ホクホク
パワプロ「雅ちゃん、甘いもの好きだねぇ」
雅「うん、だって女の…あぁ!なんでもない!甘いもの美味しいもんね!」
パワプロ「? うん、そうだね」
雅「あ、パワプロ君、ほっぺにクリームついてるよ」
パワプロ「え?」
雅「もう、しょうがないんだから~」チョイ ペロッ
パワプロ「え!?」
雅「あ、あぁぁ~!!!つ、つい!クリーム美味しかったからさ」
パワプロ「そ、そっかそうだよね!」
雅「そ、そう!それに友達同士、友達同士だから!///」
パワプロ「だ、だね///(や、やばい…雅ちゃんを意識してしまう…彼は男…彼は男…)」
??「こちらのお皿、お下げしてもよろしいですか~?」
雅「あ、お願いしま…あぁ!」
??「?…あ!」
パワプロ「あ、君は恋々高校の…」
雅「早川さんじゃないですか!」
あおい「やぁ、こんなところで会うなんて奇遇だね!」
パワプロ「早川さん、バイト?」
あおい「そう、部費だけじゃなかなか備品が揃わなくてね~」
雅「部のためにバイトですか!早川さん、やっぱすごいなぁ」
あおい「え~と君たちは…」ジーッ
パ 雅「あ、いやこれはっ!」
あおい「あはは!パワプロ君、雅ちゃんちょっと借りてもいい?」
パワプロ「あ、うん、俺は別に構わないよ」
あおい「雅ちゃん、向こうで少しお話しようよ!」
雅「は、はい」
どーも!
読んでくれている人、ありがとうございます。
遅くなって&タイトル紛らわしくて誠に申し訳ない…。
余程のこと(突然死など)がない限り、今日中の完結はお約束しますので、もう少々お待ち下さい。
あおい「そんな格好してるってことは、彼に女の子って教えたの?」
雅「い、いや、実は…」カクカクシカジカ
あおい「なるほどね~、そういうことか」
雅「は、恥ずかしい…」
あおい「でもそこまでしてデートしたかったってことは、彼のこと好きなの?」
雅「!!!」
雅「え、え~と、なんというか…」
雅「…はい」
あおい「そっかぁ~」
雅「でも、こんなのダメですよね。野球がやりたいから男の子になったのに、同時に女の子としての恋も追いかけようなんて…」
あおい「まぁ、簡単なことではないかな」
雅「そう、ですよね…」
あおい「でもね、ダメなことなんかじゃないよ!いいじゃない」
雅「え!?」
あおい「両方求めちゃダメって誰が決めたのさ。ボクはそういうの好きだな」
雅「そうでしょうか…」
あおい「そうだよ!キミは女の子なんだから、男の子にそういう気持ち抱くのは当たり前だよ」
あおい「それに、女の子であるのを全員に隠す必要はないんじゃないかな?」
雅「え?」
あおい「彼はそういうの理解してくれない人?」
雅「理解…してくれると思います」
あおい「そっか。なら迷うことないんじゃない?」
雅「!!」
あおい「何でも隠せばいいってもんじゃないと思うよ」
雅「……早川さんはすごいです」
あおい「ボクは頑張っている女の子の味方だからね!」
雅「パワプロ君に打ち明けるかどうか、前向きに考えてみます!」
あおい「うん、頑張ってね!」
雅「ありがとうございます!早川さん」
パワプロ「早川さんと何話してたの?」
雅「えへへ、秘密~」
パワプロ「なんだよ~、気になるなぁ」
雅「いつか話せる時がくるかも!」
パワプロ「ますます気になるじゃんか!」
雅「あはは、気にしない気にしない!あ、なんだろ、人だかりがあるよ?」タタター
パワプロ「あ、待ってよ!(まぁ雅ちゃんが嬉しそうだからいいか)」
雅「なんか、イベントやってるみたい」
パワプロ「なんだろ?」
司会「さぁ、みんなで正義のヒーローを呼んでください!せーの!」
ガンダーロボー!!
パワプロ「あぁ、確か矢部くんが好きなロボットだ」
雅「へぇ~。パワプロ君はこういうのあんまり興味ないの?」
パワプロ「小さい頃は好きだったなぁ」
雅「そうなんだ」
??「やや、聞き覚えのある声でやんす!」
矢部「あーー!二人してこんなところで何してるでやんすか!?」
パ 雅「や、矢部君!?」
矢部「っ!!なんてことでやんす!雅ちゃんが女の子の格好してるでやんす!」
パワプロ「い、いや、これにはわけが…」
矢部「どういうことでやんすか!?まさかパワプロ君、雅ちゃんのあまりの可愛さに女装をお願いしたでやんすね!?」
雅「ち、違うよ、矢部君」
矢部「着る雅ちゃんも雅ちゃんでやんす!オイラなら女装なんかしない雅ちゃんでも全然いけるでやんすよ!それなのに、ほいほいほいほいパワプロ君の欲望のままにそんな格好をするなんて、けしからんでやんす!」
パワプロ「お、おい、矢部君ちょっと待って…」
矢部「見損なったでやんすよ、二人とも!それともなんでやんすか、実は雅ちゃんの本性は女の子で、ただのデートをしてるとでも?」
雅「!!!!そ、それは…」
矢部「それならそれで不愉快でやんす!なんでオイラじゃなくてパワプロ君でやんすか!?二遊間の守備でコンビを組んでるだけでも羨ましいのに……オイラ怒ったでやんす!これは問題にするでやんすよ!みんなに報告するでやんす!」
雅「や、矢部君、やめてよぉ!」
パワプロ「矢部君!雅ちゃん、困ってるだろ!?」
矢部「見えないでやんす聞こえないでやんす!オイラには何も見えぬ、聞こえぬでやんすよ!」
雅(ど、どうしよう…こんな格好でパワプロ君とデートしてるの見られちゃった…私もう野球できなくなっちゃう…それに何より、パワプロ君に迷惑かけちゃうよ…)
??「必殺マリンボール!」ビュッ
矢部「ぎゃーーーでやんす」ボコー
パワプロ「だ、誰?」
野球マン1号「野球好きな女の子、恋に悩む女の子…そんな女の子たちの味方、ボクの名前は野球マン1号!さぁ、ここはボクに任せて、早く逃げるんだ!」
雅(は、早川さん?)
矢部「に、逃がさないでやんすよ…」
野球マン1号「マリンボール!」ビュッ
矢部「ぐふっ…でやんす」
パワプロ「な、なんかよくわからないけど逃げよう!雅ちゃん」
雅「う、うん」
野球マン1号「雅ちゃん、ここだよ!多分ここがキミのターニングポイントだ!」
雅「!!!ありがとうございます!」タタタッ
矢部「ちょっとからかっただけでやんすのに…」
野球マン1号「悩める女の子をいじめた罪は重いよ~」
ヤンスー!
>>80
そうです!
読んでくれてありがとうございます。
パワプロ「ここまでくれば大丈夫かな…」
雅「はぁはぁ…」
パワプロ「なんか矢部君がごめんよ、雅ちゃん。あとできつく言っておくから」
雅「ん、大丈夫」
パワプロ「ちょっとそこのベンチで休もうか?」
雅「うん」
パワプロ「それにしても矢部君、雅ちゃんが女の子だなんて……ははは、まぁこの格好を見たら仕方がないか」
雅「っ!!」
雅(うん…応援してくれた早川さんのためにも頑張らなきゃ!)
雅「あのね、パワプロ君…話があるんだけど、聞いてくれる?」
パワプロ「なんだい?」
雅「……手を出してくれる?」
パワプロ「こ、こう?」
雅「……」ギュッ
パワプロ「ど、どうしたの?」
雅「……」スッ
パワプロ「み、雅ちゃん!?男だからって、その格好でその場所に手は…」
フニッ
パワプロ「……え?」
雅「実は僕、いや、私ね…」
雅「女の子なんだ」
パワプロ「えぇっ!?(い、いや…確かにこの容姿、立ち振る舞い、何よりこの感触…)」
パワプロ「ホントに女の子なの?」
雅「……」コクリ
パワプロ「そう、なのか…」
雅「嘘ついてごめんね」
パワプロ「いや、そんな…」
雅「高校でも野球がしたかったんだ…甲子園目指したかったんだ…でも女の子じゃそれは無理」
雅「だから私、男になった」
パワプロ「……」
雅「だけど……」
雅「男になりきれなかった。好きになっちゃったから…」
パワプロ「?」
雅「女の子として、パワプロ君を好きになっちゃったから!」
パワプロ「!!!」
雅「ごめんね。こんな状況になってから言うのは、なんか卑怯かもしれないけど…今しかなかったんだ」
パワプロ「……」
雅「ごめんね……」
パワプロ「…良かった、ありがとう」
雅「っ!?」
パワプロ「まずは正直に話してくれてありがとう。それと俺のこと…す、好きって言ってくれてありがとう」
雅「……」
パワプロ「あと良かった…雅ちゃんが女の子で」
雅「??」
パワプロ「いや、ホント俺どうしようかと思ったよ!だって雅ちゃんのこと好きになってたんだもん!」
雅「え!?」
パワプロ「俺も雅ちゃんのことが好きだよ!」
雅「うそ…~~///」
パワプロ「本当だよ!」
雅「うぅ…」グスン
パワプロ「えぇ!?なんで泣くの!?」
雅「だって、嬉しいんだもん……」
パワプロ「そ、そうなの?」
雅「…ありがと、パワプロ君!」
雅「女の子で…か、彼女の私をこれからもよろしくね///」
雅「でも…これで野球はできなくなっちゃったかな…」
パワプロ「な、なんで!?」
雅「だってパワプロ君と付き合うことになったし……何より女の子ってバレちゃったし…」
パワプロ「そんなの関係ない!」
雅「え…?」
パワプロ「そんなことで、雅ちゃんが大好きな野球を我慢することはないよ!」
雅「で、でも…」
パワプロ「雅ちゃんが女の子だからって我慢しなくちゃならない理由なんて、俺がなんとかするよ!」
雅「!!!」
パワプロ「だから野球をやめるなんて言わないでくれ!一緒に甲子園を目指そう!」
雅「…いいのかな、目指しても…」
パワプロ「いい!だから雅ちゃんは笑顔で野球をしてればいいんだ!」
雅「…うんっ!ありがとう、パワプロ君」ニコッ
実況「さぁ!地方大会決勝、いよいよ、最終回です!」
実況「今大会から高校野球界に大きな変化がありました」
実況「なんと、女性の選手登録が可能となりました。これは高校野球史に残る大きな出来事です」
実況「現役の野球部員をはじめ、多くの人々の地道な活動が実を結びました!」
実況「そしてくしくも、この地方大会決勝は、その変化を象徴するかのようなカードとなりました」
実況「恋々高校、サブマリンエース、早川あおいさん」
実況「ときめき青春高校、鉄壁の遊撃手、小山雅さん」
実況「それぞれのチームに、女性選手が主力として出場しております」
実況「そんな試合もいよいよ最後となるのでしょうか?」
実況「緊迫の投手戦となりましたこの試合、現在9回裏1ー0でときめき青春高校のリードです」
実況「しかし9回裏の攻撃、恋々高校は最後の粘りを見せております」
実況「先頭打者は三振にしとめるものの、次の打者をセンター矢部君のエラーにより2塁へ出してしまいます」
実況「その後、シングルヒットを浴び、現在1アウト1塁3塁。恋々高校、一打同点のチャンスです」
実況「マウンド上の青葉君は、すでに肩で息をしております」
実況「しかし、目は死んでおりません。力強い目を打者に向けています」
実況「ピッチャー青葉君、セットポジションへ…」
実況「第一球、投げました!」
カキーンッ
実況「っ!打球はセンターへ…」
バシッ
実況「抜けません!セカンドパワプロ君、横っ飛びっ!しかし、投げられ…グラブトス!ショート小山さん反応している!」
実況「ショート、2塁を踏んで1塁へ!アウト!ダブルプレー!ダブルプレーです!見事な連携でダブルプレーにしとめました!」
実況「そしてこの瞬間、ときめき青春高校…甲子園出場です!!」
ワァー!
パワプロ「……」
雅「……」
パワプロ「や…」
雅「……」
パワプロ「やったー!!」
雅「ほ、ほんとに?」
パワプロ「ホントだよ!俺たち、甲子園出場だ!」
雅「良かった…野球続けて良かったよ…」グスグス
パワプロ「良かったね、雅ちゃん!」
雅「…ありがとう、パワプロ君のおかげだよ」
パワプロ「雅ちゃんがあきらめなかったからだよ!…そうだ!」グイッ
雅「キャッ!」
実況「おーっと!ここでパワプロ君が小山さんを肩車!」
実況「そして恋々高校のベンチにいる、これは早川さんでしょうか?彼女を指さし…」
実況「次は頭上の小山さんを指さしております!これは、女性選手もやれるんだというパフォーマンスでしょうか?」
実況「話によりますとこのパワプロ君、忙しい練習の合間をぬって、女性選手が試合に出場できるようになるための活動を精力的に行っていたそうです」
実況「これは喜びもひとしおでしょう!」
あおい「ありがとう、パワプロ君…負けたのは悔しいけど、負けたのがキミたちで良かった。おめでとう、雅ちゃん…」
雅「パ、パワプロ君、おろして!恥ずかしいよ!」
パワプロ「あはは!いいじゃん!」
雅「もう!パワプロ君ってば~!」
パワプロ「雅ちゃん!」
雅「な、何!?」
パワプロ「甲子園もその先も…これからずっとよろしくね!」
雅「……こ、こちらこそ!」
雅「大好きだよ、パワプロ君!」
終わり
どーも!
読んでくれた人ありがとうございました。
またパワプロSS書くことあるかもしれませんがその時はよろしくです!
ではまた~
おつやで~
まだ2011が現役のワイ、歓喜
2017年からこんにちは
最高だったで
その後の話も書いてほしかったなぁ…。