橘「……え?僕もですか!?」
森島「何言ってるのよ橘君、あなたは副隊長兼作戦立案係兼実行部隊長兼隊員勧誘なんだから」
橘「仕事の割り振りおかしいですよ、森島先輩!!」
森島「ウッソ君っぽく言ってもだめよ橘君!それとも何!?君はひびきちゃんのサンタコスが見たいくないの!?」
橘「いや……見たいですけどそれとこれとは……」
森島「……ここに去年ひびきちゃんが自作したサンタ衣装があります」ピラーン
橘「!!……こ、これは!?なんてけしからん衣装!これを塚原先輩が……」
森島「ちなみに去年からサイズ直ししてないから結構ピッチピチな感じになるはずよ♪」
橘「な、なんてことだ……」
森島「ふふふ、さぁ改めて聞かせてもらうわ……君はこのサンタコスをしたひびきちゃんが見たいくないの!?」
橘「見たいです!!!」
森島「じゃあ副隊長兼作戦立案係兼実行部隊長兼隊員勧誘員兼雑用……頼めるわね?」
橘「ハイ!喜んで!!」
森島「わお!いいお返事ね♪」
橘「でも一体何からやっていけばいいのか……」
森島「そうねぇ……去年も衣装作らせたまではいいんだけど
実行委員長で忙しいっていうのを口実に上手く逃げられちゃったし……」
橘「だったら今年はやりやすいんじゃ?」
森島「甘い!甘いわ橘君!!ひびきは後付の理由なんかいくらでも作り出せる口先の魔女なのよ!!
どうせ今年は『私はほら、一足お先に推薦で進路が決まっちゃったし浮かれてるみたいで良くないでしょ?』
とか言うに決まってるわ!」
橘「なるほど、流石塚原先輩ですね!周囲への気遣いも完璧って感じで……」
森島「ダッシャ!!」パーン!
橘「ぶへぇっ!!い、いきなりなんで僕がビンタされるんですか!?」
森島「ビンタじゃないわ!闘魂注入よ!ほら、お礼は!?」
橘「あ、ありがとうございます?」
森島「そもそもひびきちゃんに正攻法が通用するなら私もここまでやり込められていないわ……」
橘(……森島先輩の場合は自業自得がほとんどなんじゃ?)
森島「何か失礼なこと考えてるわね?」ジトッ
橘「滅相もありません、マム!!」
森島「むむむ……まぁいっか」
塚原「何廊下で騒いでいるのよはるか……あ、橘君もいたのね」
橘「つ、塚原先輩……」
森島「げ、ひびき!?」
塚原「……はるか?」
森島「な、なにかしら?」
塚原「また変なこと考えていないでしょうね?」
森島「そ、そそ、そんなことあるわけないじゃない!や~ね~ひびきちゃん」
塚原「ふぅん……本当かしら?」
森島「あ、あ~!私そういえば先生に呼ばれていたんだったわ、また後でねひびき!あとお願いね橘君!」
塚原「あ、こらはるか!」
橘「え、ちょ、森島先輩!?……いっちゃった」
塚原「ふぅ、まったくはるかは落ち着きがないね」
橘「あ、あはは……」
塚原「ところで……はるかと何の話をしていたのかな?」
橘「え!?え~っとですね、創設祭の話を少し」
橘「え!?え~っとですね、創設祭の話を少し」
塚原「へぇ……あ、もしかしてはるかと?……ひょっとして邪魔しちゃったかな?」
橘「い、いえ、今のは特にそういった話では……」
塚原「そうなの?」
橘「(塚原先輩から振られた話題……これはひょっとしてチャンスか!?)
そういう塚原先輩は?」
塚原「ん?私は水泳部の出し物の手伝いかな」
橘「へ~そうなんですか」
塚原「まぁ今年で最後だし去年は実行委員をやっていたせいであまり手伝えなかったからね」
橘「それさっき森島先輩から聞きましたよ、実行委員長だったんですよね?」
塚原「もう、はるかったら余計なことを……まぁ名前だけだけどね」
橘(ん?待てよ……水泳部の手伝いか……)
塚原「どうかしたの?」
橘「い、いえそろそろ時間なので教室に戻ろうかと……」
塚原「そっか、引き止めちゃってごめんね」
橘「いえ、それでは」
塚原「うん、じゃあね」
橘(やっぱりあの日の公園以来どこか余所余所しいな……でも水泳部の手伝い、か……)
・
・
・
・
・
橘「というわけで水泳部の人に協力を仰ごうと思うんですが」
>>29
ちょっとおまけ劇場の響ストーリーで
橘さんが響ちゃんとフラグを建てたけど
橘さんに甘えている自分はダメだと思った響ちゃんは
橘さんに告白されるが両思いにもかかわらずフってしまう
こんな感じ?
森島「なるほど!城を落とすにはまず外堀からって訳ね、グーよ橘君!ナデナデしてあげる!」ナデナデ
橘「ありがたき幸せ!(やった!森島先輩に頭を撫でてもらえたぞ!!)」
美也「あ、森島先輩だ~」
森島「あら♪美也ちゃん!」
橘「あれ?(森島先輩の手の感触が……)」
森島「ん~今日も可愛いわね美也ちゃん!!」ダキッ
美也「わぷっ!」
橘(美也の奴……至福の時を邪魔してくれたな!!
しかも!美也の顔が森島先輩のまんま肉まんに……うらやまけしからん!!)
美也「も、森島先輩苦しい……」
森島「ありゃ、ごめんね美也ちゃんが可愛くってつい」
美也「ぷは~あれ?お兄ちゃんも居たんだ…………むっ!」
橘「な、なんだよ」
美也「ま~た顔がデレデレしてる!どうせ森島先輩をエ〇チな目で見てたんでしょ!」
橘「な!?何てこと言うんだ美也!」
森島「む~、そうなの橘君?」
橘「ご、誤解ですよ!」
美也「べー、だ!にぃにのウソツキっ!絶対いやらしい目で見てたもん!」
森島「むむむ、そんなエ〇チな橘君はただの雑用に格下げね!」
橘「そ、そんな……!?」
森島「かわりに美也ちゃんを副隊長に任命します!!」
美也「わーい!……って何の副隊長ですか?」
森島「あら、説明してなかったかしら?」
橘「ええ、全くしてません」
森島「ありゃりゃ……もう、駄目じゃない橘君!」
橘「僕ですか!?」
美也「?」
森島「つまり、かくかくしかじか……という訳なのよ」
美也「ええ~!?つ、塚原先輩をミスサンタコンテストに出場させ隊、ですか?」
森島「その通りよっ!」
橘「まずは塚原先輩の当日の予定を聞いたところ水泳部の出し物に参加するっていうことだったんだ」
森島「そうそう、それでまずその予定を潰す作戦を練っていたところだったの」
美也「にししし!なるほど~だったら美也にまかっせなさい!」
森島「策があるのね美也ちゃん!?」
美也「ふっふっふ……強力な助っ人に一人心当たりがあるんですよ……」
橘「助っ人……ま、まさか『ヤツ』か!?」
美也「そのとーり!来い……逢ちゃーーーーーん!!」パチン
七咲「美也ちゃん、私モビルファイターじゃないからそんな呼び方しなくても……」
森島「わお!」
橘「うを!?い、いたのか七咲……」
七咲「居ちゃ悪いんですか、先輩?」ジトッ
橘「そ、そんなことはないよ」
森島「そうよ!大歓迎よっ!」ダキッ
七咲「ちょ、も、森島先輩!?」
美也「あれ?森島先輩は逢ちゃんのことご存知だったんですか?」
森島「ええ、水泳部に出入りしてるうちにひびきちゃんに紹介されたの……期待の新人だってね!」
七咲「そ、そんな……私なんてまだまだですよ///」
美也「にしししし!逢ちゃん照れてる~」
七咲「も、もう!美也ちゃん!」
森島「う~ん可愛いわね!美也ちゃんとはまた違った可愛さでいいわ~」スリスリ
七咲「も、森島先輩!?そんなところ触っちゃダメですっ!」
橘「(あれ?何だろうこの疎外感……ゴクリ)も、森島先輩スキンシップはその位にしておいて作戦の説明を……」
森島「チッ……それもそうね、ちょっといいかしら七咲さん?」
七咲「は、はい///」
橘(あれ?今舌打ちされた?……ははは、まさかあの森島先輩が舌打ちなんてするはずないよな)
~説明中~
七咲「水泳部の出し物に塚原先輩を手伝わせない方法……ですか?」
橘「うん、ちょっと塚原先輩には他に出て欲しいイベントがあってね」
七咲「他のイベントって……まさか!?」
森島「そのまさかよ七咲さん、ひびきちゃんには……ミスサンタコンテストに出てもらいたいのよ!!」クワッ
七咲「ということは塚原先輩がサンタ衣装を!?」クワッ
橘(あれ?なんだろうこの予想外の食いつきの良さ)
七咲「なるほど……その為にまず水泳部の手伝いから遠ざける訳ですね」
橘「う、うん、そうなんだけど」
美也「何かいい案あるかなぁ?」
七咲「う~ん、水泳部の手伝いをお断りするのはたぶんそんなに難しいことじゃないはずです、ただ……」
森島「ただ?」
七咲「それだけだと塚原先輩を追い出すみたいになるので申し訳なくって……
他にも理由が欲しいところですね」
美也「なるほど~」
橘「確かに理由を全部明かす訳にはいかないしなぁ」
森島「そうねぇ、となるとひびきには別の予定を作ってらって……」
七咲「それを理由に水泳部のお手伝いから遠ざける、というで形なら」
橘「それでいて会場には居てもらわないといけない、となると難しいな」
美也「ほえ?そんなの簡単だよお兄ちゃん」
橘「え?」
森島「まだ策があるのね美也ちゃん!」
美也「にししし!お兄ちゃんが塚原先輩をクリスマスデートに誘えばいいのだ!!」
橘「僕が塚原先輩を!?」
森島・七咲「「却下」」
橘「えっ」
森島「エ〇チな橘君と可愛いひびきちゃんのデートなんて認められません!」
七咲「まったくもって同感ですね」
橘「ちょ」
美也「それもそっか~」
橘「おい、簡単に引き下がるな美也!」
美也「だって~お兄ちゃんと塚原先輩とじゃ……ねぇ逢ちゃん?」
七咲「うん……どうでしょう森島先輩?」
森島「まったくもって釣り合いが取れていないわ!」
橘「そ、そんな……」
森島「さて、冗談はここまでにして別の方法を考えましょう♪」
七咲「それもそうですね!」
美也「はーい!」
橘「ぼ…って……」プルプル
森島「ん?どうしたの橘君?」
橘「僕だってやれば出来るんだっ!」ダッ
七咲「ちょ、橘先輩!?」
美也「どこ行くのお兄ちゃん!?」
森島「行っちゃったわね……」
七咲「ええ……」
美也「お兄ちゃん……」
森島「やっと行ったか~、いや~公園での出来事がひと段落したかなと思ったらあの二人急に余所余所しくなってるんだもの
ひびきちゃんの親友としては見過ごせなかったけどこれは上手くいくかな?」
美也「お兄ちゃんも急に色々頑張り始めてましたけどどこか寂しそうでしたし……」
七咲「ええ、塚原先輩も水泳部に顔を出してくれるんですがどこか上の空でした」
森島「でもここまでは順調ね♪作戦はフェイズ2へ移行よ!」
美也・七咲「「イエス、マム!!」」
・
・
・
・
・
橘「ハァハァ……無我夢中で走ってきちゃったけどここは……プールの前、か?」
塚原「あら、橘君」
橘「つ、塚原先輩!?」
塚原「今日はよく顔を合わせるね……」
橘「そう、ですね」
塚原「こんな時間まで学校に居るなんてどうしたの?もう結構遅いし帰ったほうがいいわよ?」
橘(やっぱり……距離をとられているな……)
塚原「……私はもう帰るけどあまり遅くならないうちに帰るのよ?それじゃあね……」
橘「(あの時は塚原先輩を追いかけることが出来なかった……でも!)ま、待ってください!」
塚原「え……?」
橘「少し、時間をもらって良いですか?」
塚原「……ごめん、はるかと約束があるから」
橘「ま、待ってくださいっ!!」ガシッ
「少しだけで……良いんです」
塚原「……腕、痛いよ橘君」
橘「あ!す、すいません!」パッ
塚原「ふぅ……仕方ないね君は、いいよ少しだけなら」
橘「ありがとうございます」
塚原「で、何かな?」
橘「ぼ、僕と……僕と一緒に創設祭に行ってもらえませんか?」
塚原「っ……さっきも話をしたと思うけど創設祭は水泳部の屋台を」
七咲「それでしたら大丈夫ですよ、先輩」
橘「な、七咲!?」
七咲「こんにちは塚原先輩に橘先輩」
塚原「え、ええ、こんにちは……それより七咲、大丈夫って?」
七咲「最後まで塚原先輩に甘えている訳にはいきませんから
塚原先輩は橘先輩と創立祭を楽しんできてください」
塚原「で、でも」
七咲「ふぅ、そもそも塚原先輩はお料理苦手じゃないですか」
塚原「う……」
橘(あの塚原先輩が押されている!?)
七咲「それとも塚原先輩は橘先輩が嫌いなんですか?だったら私も無理強いは出来ませんが」
塚原「!?そ、そんなことないっ!」
橘「!」
七咲「クスッ、じゃあ決まり、ですね」
塚原「ぅ……ぁ……で、でも……///」
森島「も~往生際が悪いわよひびきちゃん」
塚原「はるか!?」
橘「森島先輩まで!?」
森島「いいじゃない、何があったか詳しいことは知らないけど最近ひびきはちょっと塞ぎこんでるみたいだし……いい気分転換になるわよ?」
塚原「はるか……」
七咲「ええ、水泳部に顔を出していただいていても集中していないみたいでしたしみんな心配していますよ?」
塚原「七咲……」
森島「そ・れ・と♪今日は何も約束はなかったと思うんだけどな~」
塚原「」
森島「も~ひびきったら嘘は良くないわよ?」
橘(森島先輩が活き活きしている……)
七咲「まぁ、その話は置いておきましょう森島先輩」
森島「それもそうね、それでどうするのひびき?」
塚原「ふぅ、本当におせっかいなんだから皆……」
橘「改めてお願いします、僕と一緒に創設祭を回ってもらえますか?」
塚原「……ええ、喜んで」ニコッ
美也「にししし!良かったね、にぃに!」
橘「美也……」
美也「頑張ってねにぃに!」
橘「うん、頑張るよ」
・
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・
・
・
森島「さて、本作戦は最終フェイズに突入よ♪」
美也「え!?塚原先輩とお兄ちゃんをデートさせるのが目的だったんじゃ?」
森島「甘いわね美也ちゃん、それも作戦の内よ♪まぁひびきちゃんを何とかしてあげたいっていうのは確かにあるわね……
けど、それとこれとは話はまったく別よ!」
七咲「……流石です、森島先輩」
森島「そしてこの最終作戦会議にはある強力な助っ人を呼んであるわ!」
絢辻「お呼びですか、森島先輩?」
森島「わお!グッドタイミングね」
美也「あ、前にお菓子をくれた綺麗なお姉さん!」
七咲「絢辻実行委員長!?」
絢辻「ふふっこんにちは橘さん、七咲さん」
森島「よく来てくれたわね絢辻さん」
絢辻「いえ、創設祭を盛り上げる提案があるとのことでしたのでこちらがお礼を言いたいくらいです
それでその案をぜひ拝聴したいのですが」
森島「ええ、実は…」
(説明中)
絢辻「……なるほど、それは確かに盛り上がりますね、けど本当にいいんですか?」
森島「オッケーオッケー♪アレでひびきちゃんはノリってモノをよく理解している娘だから」
七咲「まさかそこまで壮大な計画だったなんて……」
美也「森島先輩すごーい!」
絢辻「わかりました、では当日はよろしくお願いしますね」
森島「ええ、まっかせといて!」
七咲「これであとは作戦決行だけですか?」
森島「……いえ、まだよまだ足りないわ!」
美也「まだ……?一体何が足りないって言うんですか?」
森島「ふっふっふそれはね美也ちゃん……衣装よ!」
七咲「え……それは去年のがあるって」
森島「ダメよ!まだエ〇さが足り……げふんげふん
あれはあくまで去年のだからサイズが少しあってないから少し作り直さないとね」
七咲「でももう日にちも余りありませんよ?」
森島「うぅ、そこが問題なのよねぇ……
でもひびきちゃんの魅力を余すことなく表現するにはあの衣装ではダメよ!まだ足りないわ!!主に露出が!!!」
美也「ふっふっふ……」
七咲「美也ちゃん!?」
森島「まだ策があるというの!?」
美也「美也の人脈を持ってすれば造作もないことですよ先輩……」
七咲「ま、まさかMF先生に……!?」
美也「そのまさかだよ逢ちゃん……ミルクフォーチュン先生の手かかかればこのぐらい造作もないはずだよ」
森島「美也ちゃん、恐ろしい娘……!」
・
・
・
・
・
そして時は流れ創設祭当日
橘「すいません塚原先輩、お待たせしちゃって……」
塚原「まだ時間前だよ、それにやっぱり水泳部のほうも顔を出しておきたかったから早く来ちゃっただけだし」
橘「それでも待たせちゃったことに変わりはないですから」
塚原「ふふっ、やっぱり君はいい子だね橘君」
橘「そ、そんなことは……」
塚原「ふふっ、さぁいこうか?」
橘「はい!」
・
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・
橘「あ、塚原先輩開会の挨拶が始まるみたいですよ」
塚原「そうみたいだね」
『では引き続きまして、当イベントの実行委員長をご紹介いたします』
橘「あ、絢辻さんだ」
塚原「あら?知り合いなの?」
橘「はい、クラスメイトなんです」
塚原「そうなんだ、綺麗な子ね」
橘「そ、そうかもしれないですね」
絢辻『皆様、本日は輝日東高校創設祭ご来場賜り、誠にありがとうございます
この創設祭は、当校の創設者の掲げる報恩感謝の精神に基づいて開催され……』
橘(絢辻さんは流石だなあ……)
塚原「へぇ、立派な挨拶だね」
橘「あ、でも去年は塚原先輩が挨拶をされたんですよね?」
塚原「う、うん……あそこまで立派なものじゃなかったけどね」
橘「いえ、塚原先輩だったらきっと格好良かったと思います」
塚原「そ、そんなことないよ」
橘「そんなことありますよきっと!僕も見てみたかったなあ」
塚原「も、もう……」
橘「さて、それじゃ色々回って今日は楽しみましょう!」
塚原「うん、そうだね」
・
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『ミスサンタコンテストに出場する方はステージにお集まりください』
塚原「あ、もうそんな時間か」
橘「どうします?見に行ってみますか?」
塚原「うん、いいよ」
橘「そういえば塚原先輩は出ないんですか?」
塚原「私はこういうのはちょっと……まぁ去年ははるかに押し切られそうになたけど実行委員が忙しくてね」
絢辻『業務連絡、業務連絡。前実行委員長の塚原先輩、至急実行委員本部までお越しください。繰り返します……』
塚原「え?なんで私が……?」
橘「なんでしょうね?」
塚原「う~ん、どうしようか?」
橘「コンテスト会場のすぐ近くですし行くだけ行ってみましょうよ」
塚原「ん、そうだね」
・
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・
・
・
塚原「すいません、塚原ですがお呼びでしょう……か……?」
森島「待ってたぜ、ひびき」ドーン
塚原「」
橘「も、森島先輩!?」
七咲「こんばんは先輩」
美也「やっほー、お兄ちゃん!」
橘「七咲に美也まで……ってことはまさか!?」
絢辻「ええ、お察しのとおりよ橘君」
橘「絢辻さんまで!?」
塚原「は、はるか……?これは一体何事なの?」
森島「ふっふっふ、ひびきちゃん……去年果たせなかった約束
ミスサンタコンテストに出てもらうわ!」
塚原「で、でも今年はエントリーしてないし……」
絢辻「そこは私がクリアにしてあるので全く問題はありません」
塚原「で、でも衣装が……」
美也「じゃ~ん!!」ピラーン
塚原「何でこれがここに……はるかっ!!」
森島「聞こえないも~ん」プイッ
美也「この衣装なら大丈夫ですよね?」
塚原「で、でもでもサイズが……」
七咲「MF先生が一晩でやってくれました」
橘(MF先生?)
森島「ひびきちゃんの3サイズならバッチリ把握しているわ!」グッ
塚原「そ、そういう問題じゃないでしょはるか!私は出な」
絢辻「大変失礼な真似をしてしまったと思っています、本当にすみません
けれどもうそれ用にイベントの組みなおしもしてしまったで何とか何とか協力していただけないでしょうか?」
塚原「う……ぐ……」
橘「(塚原先輩が追い詰められている……助けないと!!)あの!」
森島「おっと、橘君?」
橘「は、はい」
森島「キミはひびきちゃんのサンタコスが見たくないのかな~?」
橘「う……そ、それは」
絢辻「そうね、嫌がる人に無理やりって言うのはやっぱり良くないわよね……もし橘君がだめって言うなら仕方ないわね……
凄くもったいないと思うけど」
橘「あ……(た、確かに……)」
七咲「さ、塚原先輩♪着替えましょうね」
塚原「な、七咲!?ちょ、押さないで……橘君助けて!」
橘(すいません、塚原先輩……やっぱり僕も見たいんです!!)
美也「にぃにのチ」
橘「……うぐっ」
・
・
・
・
・
司会「さて、それではコンテストスタートです」
わぁぁぁぁぁぁ……
七咲「あ、始まりましたね」
美也「誰が優勝するのかな?」
森島「そんなの決まってるじゃない♪」
橘「はいっ、そうですね!」
司会「現在2連覇中の森島先輩が辞退した今回!栄冠を手にするのはどのサンタさんかな?」
橘「おお、森島先輩のことが言われてますね」
森島「ふふ、まぁ過去2回はひびきちゃんが出ていなかったからね」
司会「それではエントリーナンバー1番。3年B組中村さんですっ」
橘(これは!?なかなかどうして……)
森島「あら、この子去年も出てたわね」
美也「そうなんですか?」
森島「ええ、しかも去年より衣装がセクシーになってる……」
七咲「なるほど……」
森島「今年はなかなかレベルが高そうね」
・
・
・
・
・
司会「さて、これでエントリーされたサンタさんは全て……え?な、なんですって!?」
ざわ…ざわ…ざわ…
司会「皆さん!ここで飛び入りの情報が入りました!!」
「おい、マジかよ!?」
「ここに来て飛び入りって……」
司会「な、なんと!3年A組の……塚原先輩が緊急参戦ですっっっ!!!」
・・・・・・
うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ……
司会「去年の出場が噂されていましたが結局実行委員長としての仕事が忙しかったため辞退!
そして今年はエントリー自体もされておらず皆が諦めていた夢がついに実現いたしました!!」
つーかっはら!つーかっはら!つーかっはら!
橘「つ、塚原コール……なんて熱さだ!!」
美也「は~、やっぱり塚原先輩って人気あるんだね逢ちゃん!」
七咲「そ、そうだね美也ちゃん」
森島「わお!つーかっはら!つーかっはら!つーかっはら!」
絢辻「諸悪の根源が一緒になって塚原コールしてないでください……」
・
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・
・
・
司会「会場のボルテージが最高潮になったところで準備が整ったようです!」
どわぁぁぁぁぁ……!!
司会「それでは、特別エントリー。3年A組塚原さんですっ」
塚原「は、はい……///」
「ひびきーーーーーーーーーーーーーーー!」
「窘めてくれーーーーーーーーーーーーー!」
司会「こ、これは……この衣装はぁぁぁぁぁあああああああ!?」
橘「ちょ、森島先輩!?前見たときより過激になりすぎじゃないですか!?」
七咲「塚原先輩……素敵です……!!」ダラダラダラ
美也「うわっ逢ちゃん鼻血!鼻血出てるよ!?」
森島「いいわっ、ひびきちゃんグーよ!サイコーよっっっ!!」
うわああああああああああああああああああああああああああああ……
司会「凄おおおおおおおおい!説明不要っっっ!!!
・
・
・
・
絢辻「あ、ちなみに参考画像はありません。この変態」
・
・
・
・
・
塚原「……ふぅ、やっと終わった……」
橘「お疲れ様です塚原先輩!優勝おめでとうございます!!」
塚原「あ、ありがとう///」ニコッ
橘(うわっ……綺麗な笑顔だ……)
塚原「ってそうは行かないわよ、この裏切り者!」ジトッ
橘「う……で、でも先輩は凄く綺麗でした!」
塚原「///!?も、もう!そういうことを言ってるんじゃないのよ!」
橘「す、すいません……」
塚原「ホントに君って子は……あれ?ところではるか達は?」
橘「塚原先輩の優勝を見届けたらさっさとどこかへ行っちゃいました」
塚原「……逃げたわね」
橘「あ、あははは」