彡(゚)(゚)「絶対音感?
あの一部の天才しか持ってない特殊能力のことか?」
(´・ω・`)「うん、絶対音感なんだけど、誤解されやすい部分があるからくわしく解説するよ」
彡(゚)(゚)「ほーん。なんなら聞いたるか!」
(´・ω・`)「やきうのおにいちゃんは、吹奏楽やオーケストラのコンサートを見にいったことがある?」
彡(゚)(゚)「言われてみれば、妹が吹奏楽部でホルン吹いとったな!」
(´・ω・`)「そうなんだね。
演奏するまえに、みんなが一つの音を鳴らして音の高さを調節することがあるんだけど、
それを『チューニング』っていうよ。
ギター演奏するひとにもおなじみだね」
(´・ω・`)「オーケストラでは普通、『ラ』の音でチューニングするんだけど、
現代では『ラ』の音は、だいたい440hzから445hzのあいだの振動数で鳴る音のことを指しているんだ」
彡(゚)(゚)「現代では? むかしは違うんか?」
(´・ω・`)「そう。もっとむかしのルネサンスやバロックの時代には、もっと低い音を『ラ』として決めていたこともあるみたいだよ。
絶対音感っていうのは、他に比較できる音がなくても、440hzから445hzのあいだの音と『ラ』という名前をむすびつけられる能力のことを言うよ」
彡(゚)(゚)「他に比較できるってのはどういうことや?」
(´・ω・`)「たとえばおにいちゃんは、今なにも聞かずに『ラの音を歌ってみて』って言われて歌える?」
彡(゚)(゚)「ん? ラ~~~~♪
こうか?」
(´・ω・`)「じゃあ、ピアノでおにいちゃんが出した音を弾いてみるね。
(ド~~~~♪)」
彡(゚)(゚)「ファッ?! すいぶんずれてるな。
ワイは音痴か!?」
(´・ω・`)「音痴というわけではないよ。
単におにいちゃんは440hzから445hzの範囲の音と『ラ』という音名が結びついていないだけだよ。
絶対音感と音痴の問題は、実はほとんど関係ないんだ」
彡(゚)(゚)=3「なんや安心したわ」
(´・ω・`)「音痴というのは、耳に聞こえる音と自分の出す声を一致させることが難しいという状態のことだよ。
たとえば、ぼくと同じ音を出してみて!ラ~~~~~~♪」
彡(゚)(゚)「ラ~~~~~~♪ こうか?」
(´・ω・`)「うん。ぼくのラ~~~~~~♪は445hz、
おにいちゃんのラ~~~~~~♪は441hzだったから、限りなく近い音を出せてるよ!
これは絶対音感のあるなし関係なく、得意な人と苦手な人がいうというだけなんだ」
彡(゚)(゚)「練習次第で音痴も治るものなんか?」
(´・ω・`)「聞いた音と同じ音を出すのが難しい人も、改善することがあるよ。
自分の声の高さをよくよく注意して聞いて練習することをおすすめするよ」
(´・ω・`)「そういうわけで、
・手元に楽器もなにもない状態で『ラ』の音や『ソ#』の音を正しく歌えたり、
・ある音を聞いて『これはミ♭』と判断できる人のことを、いわゆる絶対音感持ちというよ。
これは、特別すごい能力というわけではないんだ」
彡(゚)(゚)「そうなんか?
絶対音感って言えば、超天才児の特殊能力と思ってたわ」
(´・ω・`)「絶対音感のあるなしは、小さい頃、だいたい10歳になるまでくらいに楽器を習って、
『ヴァイオリンのここを押さえるとシの音が出るよ』と教わったり、『ピアノのこの鍵盤のこの音がレなんだな』と自覚したりした子が身につけることが多いんだ。
中には、『ピアノのこの音を押した時に出る、この赤い感じの音がミなんだよ』というふうに、色とセットで覚える子もいるよ」
彡(゚)(゚)「視覚と聴覚の両方を使った共感覚ってやつやな」
(´・ω・`)「そうだね。
だから絶対音感っていうのは、音を『ラ』や『ド』という名前と結びつけて記憶したかどうかの違いであって、優劣の違いではないんだ。
特に、ヴァイオリンやチェロなどの弦楽器は、自分の力で音の高さを決めなければならないので、絶対音感が身につきやすいんだよ」
彡(゚)(゚)「ま、みんながみんな小さいうちにヴァイオリンを習えるわけじゃないけどな。。」
(´・ω・`)「絶対音感を持っていると便利になることももちろんあるよ」
彡(゚)(゚)「なんや? カラオケか?」
(´・ω・`)「例えば、音大受験をする時には『聴音』といって、
短いメロディーを聞いて、それを楽譜に書き起こす課題があるんだ。
少し複雑な課題になってくると、一つ一つの音の間が広くなって、聞き取りづらくなってくるんだ。
そういうときに絶対音感があると、単発で離れた音程がならされたときでも、『これはド♯だな』ってわかるよね」
彡(゚)(゚)「なんやずいぶん限られた便利さやな。。。もっと日常的に役立つことはないんか?」
(´・ω・`)「とても強い絶対音感を持つ人だと、
むしろ日常のいろいろな音が『ファ』や『シ♭』に聞こえてしまってストレスだという人もいるんだよ。」
彡(゚)(゚)「オナラするたびにファ~~~~♪とか確かに不快やな」
(´・ω・`)「おにいちゃんのようなカラオケに行く人にとっては、絶対音感ではなく相対音感があったほうが便利なことが多いかもね」
彡(゚)(゚)「相対音感? 絶対音感以外にも音感があるんか?」
(´・ω・`)「絶対音感は『何も基準とせずに、ある音の高さを音名と結びつける人』のことだったよね。
すると相対音感は、『ある音を基準として、別の音の高さを判断する人』のことを言うよ。
たとえば、やきうのお兄ちゃんはドレミの歌を歌える?」
彡(゚)(゚)「ドレミ・・・? ド、はドーナツのド~~~♪ レ、はレモンのレ~~~♪か?」
(´・ω・`)「そう!ドのとなりはレ、レのとなりはミ。
それが相対音感の音の捉え方だよ。」
(´・ω・`)「ところがおにいちゃんのいまの歌を絶対音感の人からみると、ちょっとおかしなことになってるんだ。
おにいちゃんが今歌った歌をピアノで弾いてみるね(ミ♭~ファソ~ミ♭ソ~ミ♭~ソ~♪)」
彡(゚)(゚);;;;「うせやろ?!?!?!? ワイはファなんて言ってないで?!?!?!」
(´・ω・`)「そう。それが相対音感。そしてそこが相対音感のいいところなんだ」
彡(゚)(゚)「???」
(´・ω・`)「相対音感というのは、特定の音の絶対的な高さと音名が結びついていないからこそ、歌によって音程を変えて歌うことができる能力のことなんだ。」
彡(゚)(゚)「カラオケで+と-で調節できるアレのことか?」
(´・ω・`)「その通り!
絶対音感の人が442hzの音を『ラ』としか認識できないのに対して、相対音感の人は442hzの音を『ド』とも『レ』とも『ミ』とも認識できる柔軟性があるよ。
だから、『この歌がちょっと僕には高すぎるんだよな。。』というときに-をぽちっと押して、ちょうどいい高さに変えることができるんだ!
これを、調を転じると書いて『転調』と言うよ」
>>42
>>44
移調でした!ご指摘サンクス
>>43
ドレミファソラシド(イタリア語読み音名)
ハニホヘトイロハ(日本語読み音名)
ツェーデーエーエフゲーアーハーツェー(ドイツ語読み音名)
すべてイコールで言語による違いでしかないんだよね
なお音大生はドイツ語読みが多い模様
(´・ω・`)「まちがえました。調を移すと書いて『移調』と言うよ」
彡(゚)(゚)「ほーん。絶対音感持ちの人には『移調』ができないんか?」
(´・ω・`)「もちろん、訓練次第ではできるようになるけれど、多くの絶対音感持ちの人が『移調』された音楽をきもちわるいと感じるみたいなんだ。
だから優れた音楽家は、音感に限らず自由自在に移調ができるように、『ソルフェージュ』という科目で厳しい訓練をするんだよ」
彡(゚)(゚)「絶対音感でも相対音感でも、プロの音楽の世界はきびしいんやな」
(´・ω・`)「ところで、さっき『ラ』の音の振動数が時代によって違うと言ったとおり、音楽というのは時代や地域によって大きく異なるものだよね」
彡(^)(^)「ワイは意外とボリウッド音楽が好きやで」
(´・ω・`)「実は『ドレミファソラシド』自体が、ヨーロッパのクラシック音楽の長い歴史のなかで固定されてきた特殊な音階なんだ。
ぼくたちの知ってるJPOPの多くはドレミファソラシドの規則にしたがっているけど、
ボリウッドのあるインドなんかには無数の音の高さの組み合わせから成るいろいろな音階があるんだ」
彡(゚)(゚)「それであのエキゾチックな調べになるんやな!」
(´・ω・`)「だから、ある振動数の音を指して『ド』や『レ』と呼ぶということは、
ヨーロッパ音楽のルールの中でゲームしてるということなんだよ。
インドにはインドの、音高と音名の結びつきがあるから、
それぞれの音楽にそれぞれの『絶対音楽』があるってことだね」
彡(゚)(゚)「絶対音感にも『絶対』はないんやな。。。」
(´・ω・`)「絶対音感のほかにも
・『絶対リズム感(何の基準がなくても一分間に何回打つ速さかわかる)』や
・『初見(初めて見た楽譜でも歌ったり演奏したりできる)』、
・『耳コピー(耳で聞いた曲を演奏できる)』、
・『即興(その場で作曲する)』など、いろいろな技能があると言われているよ。
特殊技能のレベルまで到達している人もいるけど、多くは訓練のたまものなんだ。」
彡(^)(^)「何でも一朝一夕にはいかないっちゅうことやな!
よっしゃ!ワイもいまからヴァイオリン習ってくるで!」
>>53
辛辣ゥ!
面白かったで
>>69
Wikiみるとどっちが音名でどっちが階名という決まりはないぽいけど
「音名」は絶対的な音の高さ
「階名」は移動する音の高さ(移動ド)なので、相対的な音の位置って感じかな
>>71
楽譜読めないミュージシャン多いみたい
ポール・マッカートニーとか
楽譜必要としない音楽ジャンルいろいろあるもんね
絶対音感あるで!
そかそか、バンっ!(机叩く)これなんの音?
これやめろ