ワイ「あ、あぁ~ッ!」 汁ドピュドピュドピューッ!
チノ「はい、今日の昼食は終わり。お疲れさまでした」
ワイ「うぅ……あ、ありがとうございました……」
数週間前、念願のうどん屋に就職したのだが、『うどん野郎ばかりの香川で美味いうどん屋を野放しにすると皆食べ尽くされるのでは』
という懸念の声があり、結果、香川県民ちゃんが定期的にワイのお店からおうどんをツルツルしてくれるようになった。しかし香川県民ちゃんはなんだか
ワイのおうどんがキライみたいで、いつもいつも不愛想におうどんツルツルして、お汁ビチャビチャなのだった。
ワイ「トホホ……香川県民ちゃんお金落としまくるのにおうどんツルツルは行儀ワルイワルイなんだから……あーあ、どうにかして香川県民ちゃんのおうどんツルツルをやさしくて綺麗なものにしてもらえないかな~、ん?」
深夜なのに香川県民ちゃんの部屋から明かりが漏れている。
香川県民「よいしょ……よいしょ……」
ワイ(か、香川県民ちゃんが、自分の部屋でインスタントおうどんを相手におうどんツルツルの練習をしている!?)
香川県民「ふぅ……こんなものですかね……。もっとおいしくなってもらえるように頑張らないと……」
ワイ「香川県民ちゃーん!」 バターンッ!
香川県民「ひゃあッ!?」
ワイ「か、香川県民ちゃーん! ごめんよーッ! 香川県民ちゃんは毎日ワイのためにおうどんツルツルの練習してたのにワイはそんなことも知らずに……ッ!
ハフッ!ハフッ! 香川県民ちゃんのインスタントおうどん美味しい!」
香川県民「ど、ドサクサにまぎれておうどん食べないでください!」
ワイ「ご、ごめんね香川県民ちゃん……!」
香川県民「べ、別に、おうどんツルツルするくらい普通です……。それが私の生き甲斐なんですから……。それに、私は啜るの下手で、あんまりお汁飛び散ってもらえないから」
ワイ「そ、そんなことないよ! 香川県民ちゃんのその気持ちだけでワイは十分嬉しいんだよ! あっ、そ、そうだ! 香川県民ちゃんおてて出して!
香川県民「こ、こうですか?」
ワイ「そう! それじゃあ今からインスタントおうどん啜るからね! 香川県民ちゃんのやわらかおててにドッピュするからね! ちゃんと受け止めてね!」
香川県民「えっ、えっ?」
ワイ「そう! それじゃあ今からインスタントおうどん啜るからね! 香川県民ちゃんのやわらかおててにドッピュするからね! ちゃんと受け止めてね!」
香川県民「えっ、えっ?」
ワイ「ウオーッ! 香川! ぷにぷにおててに出すぞ!」ドピュドピュドピューッ!
香川県民「ひゃあッ!」ビシャーッ
ワイ「くっ、ふぅ……! す、すっごい味濃いのが出たぁーッ!」
香川県民「ほんとうです……で、でもなんで……?」
ワイ「それはね……香川県民ちゃんの気持ちが、ワイに伝わったからだよ! チノちゃんのおうどんを思いやる優しさがね!」
香川県民「私のやさしさ……」
ワイ「そう! だから、テクニックなんて、二の次なんだよ! おうどんツルツルは、おうどん嫌いな人にやってもらうより、好きな人にやってもらうのが一番気持ちいいんだよ!」
香川県民「す、好きって……はわわ……あ、あの……もうちょっとだけ、練習に付き合ってもらってもいいですか?」
ワイ「もちろん!」
その後、ワイは一晩中香川県民ちゃんのおててに製麺を続けて次の日の朝は起き上がれないほど疲弊していた。
でもまぁ、その日以来、おうどん摂取をするとき香川県民ちゃんが耳元で「ツルツル」と啜ってくれるようになったので結果オーライ! 終わり
早明浦ダム「か、香川県のみなさん!これ以上水を使わないで!」香川県民「うるさいですね……」ユデユデ うどんと香川の関係