168: 名無し 2019/03/20(水) 23:46:00.03 ID:fs1kRwuT0
>>168
本拠地、横浜スタジアムで迎えた開幕戦
先発三浦が大量失点、打線も勢いを見せず今年も借金からシーズンが始まっていた
スタジアムに響くファンのため息、どこからか聞こえる「1人だけ打って調子に乗るなよ内川」の声
無言で帰り始める選手達の中、昨年の首位打者内川は独りベンチで泣いていた
WBCで手にしたチームが勝ったうえで悩める幸せ、緊張感のあるところでプレーするやり甲斐、ドーンときてガシャーンとやられる感覚、そして何より信用して良いと分かるチームメイト・・・
それを今の横浜で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「打たないことには勝てないでしょ・・・」内川はここにいたら自分がダメになると思った
どれくらい経ったろうか、内川ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰って遠トゥー!をしなくちゃな」内川は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、内川はふと気付いた
「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
ベンチから飛び出した内川が目にしたのは、外野席まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにいざゆけ若鷹軍団が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする内川の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「セイイチさん、打撃練習です、早く行きますよ」
振り返った内川は目を疑った
「よ・・・吉村?」
「なんだアゴ、居眠りでもしてたのか?」
「く・・・工藤投手?」
「なんですか内川さん、かってに工藤監督を現役復帰させて」
「寺原・・・」
内川は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
1番:柳田 2番:今宮 3番:デスパイネ 4番:内川 5番:中村晃 6番:松田 7番:川島 8番:長谷川勇 9番:甲斐
暫時、唖然としていた内川だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
サファテからチック棒を受け取り、グラウンドへ全力疾走する内川、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、優勝パレードで横浜を出た喜びを満喫する内川が発見され、吉村と村田は病院内で静かに引退を表明した
ベイスターズナインは怪しい者を見る目つきで俺を睨んでいる。
佐伯が怪訝そうな顔をして尋ねた。
「前進守備…?なんだそれは。確かにあのとき、いつもより守備位置を前にするようには言われていたが。」
俺は唖然とした。
「なんと…前進守備を知らないのか。
いいか、9回同点で1死満塁。ここは何としても抑えきらなければならないという場面だな。
ここでゴロ性の打球が一塁へ向かった。こうだったな。」
「そうだ。そして当然俺は一番近いアウトを取るために一塁ベースを踏んだ。」
なんと、これでも野球ができるのか。だが無理もない。
何せここは勝利という一般的には何よりも優先される目標を完全に度外視し、
究極のエンターテインメント性のみを追求してきた、『ベイス・ボール』の世界なのだ。
「ちょっと待ってほしい。一塁へ向かいたい気持ちもわかる、しかしだ。
ここで捕ったボールを一塁ではなく、ホームへ投げたとしたらどうなる?」
俺がこう問うと、一瞬、周りの空気が止まった。
その数秒後、辺りは感嘆の声に包まれた。
「なんてことだ!本塁に投げれば相手に点をやることなくアウトを取れるじゃないか!」
「おい、それにフォースアウトを取った後、バッターランナーをアウトにすることもできるぞ!凄いなこれは!」
「そうか!守備位置をいつもより前に置いたのも、本塁のアウトを取りやすくするためだったんだな!」
堀内のシュートもなぁ
ヤクルトの、相手の嫌な事を徹底して付く戦略の中でも、シュートは重要でね
一回終わった投手でも、シュートを自分の源にすることで蘇る。
打者からすると嫌らしい球ですけど、死んだ投手を生き返らせる、戦略ともそれはあっている
野村監督の再生の要の中の一つでもあり、興味深いですね。
ただ、その分、負担が大きく寿命を減らす
中には野村の投手再生は潰しているだけだ、と言うのもいますけど、投手の生き死にを知らん輩だから言えるのでね
もう死んだ自分がマウンドで、自分の球、プライドの、自分自身を再び相手にぶつけられる、投手として生まれ、生きて、死んでも死に切れない、
あの場でまた自分に成れるのならば、どんな代償だって、命も惜しくないんですよ、投手は。
それをね、投手の使い捨てだの何だのと、野村批判がしたいだけなんだろうけどね、投手を侮辱するにも程がある。全く。
>>350
内海のは本人が肯定してるやん
このエピソードはね
本当ですよ。
内海に関しては
sff1710さんからも
質問をもらっているので
またの機会にゆっくりとね。