ヤマト配達員「あ、あぁ~ッ!」 ピンポンピンポンピンポーンッ!
Amazon「はい、今回注文分の発送は終わり。お疲れさまでした」
ワイ「うぅ……あ、ありがとうございました……」
数日前、できる限り商品をまとめて発送を選んで注文したのだが、『全国各地の倉庫の荷物をまとめて発送すると逆にコスト高になるのでは』
という懸念の声があり、結果、Amazonちゃんが準備ができた商品から順に各倉庫からバラバラ発送してくれるようになった。しかしAmazonちゃんはなんだか
受取や配達の手間はどうでもいいみたいで、いつもいつも不愛想にバラバラ発送して、ワイも配達員さんもダルイダルイなのだった。
ワイ「トホホ……Amazonちゃん便利なのにバラバラ発送はピンポンダルイダルイなんだから……あーあ、どうにかしてAmazonちゃんの発送バラバラをやさしくて気持ちいものにしてもらえないかな~、ん?」
深夜なのにAmazonちゃんの倉庫から明かりが漏れている。
ロボット「よいしょ……よいしょ……」
ワイ(ろ、ロボットちゃんが、Amazonちゃんの倉庫で膨大な商品棚を自動で縦横無尽に操作をしている!?)
Amazon「ふぅ……こんなものですかね……。もっとロボット導入して効率化できるように頑張らないと……」
ワイ「Amazonちゃーん!」 バターンッ!
倉庫員「ひゃあッ!?」
ワイ「そ、倉庫員ちゃーん! ごめんよーッ! 倉庫員ちゃんは毎日Amazonちゃんから奴隷のように扱き使われてたのにワイはそんなことも知らずに……ッ!
ハフッ!ハフッ! 倉庫員ちゃんの蒸れた足いい匂い!」
倉庫員「ど、ドサクサにまぎれて匂いを嗅がないでください!」
ワイ「ご、ごめんね倉庫員ちゃん……!」
倉庫員「べ、別に、奴隷のように扱き使われるのくらい普通です……。それが私のお仕事なんですから……。それに、私は秒刻みで管理されてて、あんまり休憩もらえないから」
Amazon「そ、そんなことないよ! 倉庫員ちゃんのその気持ちだけでAmazonは利益追求できるんだよ! あっ、そ、そうだ! ヤマト運輸ちゃん契約書出して!
ヤマト「こ、こうですか?」
Amazon「そう! それじゃあ今からバラバラ発送するからね! ヤマト運輸ちゃんの各営業所にバラバラするからね! ちゃんと受け止めてね!」
ヤマト「えっ、えっ?」
Amazon「ウオーッ! クロネコ! ツツウラウラ営業所に出すぞ!」バラバラバラーッ!
ヤマト配達員「ひゃあッ!」ビシャーッ
Amazon「くっ、ふぅ……! す、すっごいスカスカの箱も出たぁーッ!」
ワイ「ほんとうです……で、でもなんで……?」
Amazon「それはね……コストカットで取り扱う箱の規格もあまりないからだよ! 自社配送始めるとも言ったものの、それもデリバリープロバイダ(DP)という名の実質下請け丸投げでコストカットできるからね!」
下請け「鬼のコストカット……」
Amazon「そう! だから、受取や配達の手間なんて、二の次なんだよ! 発送バラバラは利用者や配送業者に嫌われても、他にはない品揃えで囲い込めばいいんだよ!」
ワイ「ほ、他にはない品揃えって……はわわ……あ、あの……もうちょっとだけ、注文に付き合ってもらってもいいですか?」
Amazon「もちろん!」
その後、ワイは注文のたびにAmazonちゃんのバラバラ発送をされ続けてヤマト配達員は起き上がれないほど疲弊していた。
でもまぁ、その日以来、Amazonポチポチをした後にクロネコメンバーズで「営業所受取り」と全て変更して1回取りに行くだけで済むようになったので結果オーライ! 終わり