総統「ポルシェ博士の図面だけで抜けるわぁ…」
技術部(うわぁ来たよ…)
総統「我が鉄の装甲師団の進行はどうだい?」シコシコ
技術部「現在ここまで進んでいます」
総統「支援戦車である4号戦車を主力戦車に改造して腐った納屋を吹き飛ばす物語…ふんふん…」
総統「この4号戦車の設計誰?」
技術部「クルップさんですね」
総統(そっかぁ…)
総統「この戦車なんか違うんだよね…王道すぎるというか…ひねりがないよねぇ…」
技術部「うわぁ…」(そうですか…)
総統「そうだ!この戦車を途中で減産させて別の真戦車をカッコよく登場させようよ!」
総統「設計はポルシェ博士ね!これは面白くなるぞ!」
技術部「で、でももう機甲師団とその編制は決定してますし!製産ラインも殆ど出来上がってますよ!」
総統「いやいや…まだ先行量産型とか部隊配備しただけでしょ?」
技術部「色んな会社に3号戦車とコンビで宣伝してますし!」
総統「主力戦車とは書いてないだろ」
総統「支援戦車は部隊直掩で働く仕事出来たとかなんか理由つけて途中退場にして3号戦車の続きをポルシェ博士にやらせりゃいいよ」
技術部「4号戦車での装備品ももう沢山用意してます!」
総統「それはそのままでもいいんじゃないもうさ」
総統「ポルシェちゃん出そうよ~」ドピュピュ
技術部(こんなのおかしいって…編制計画とかも書き直しだぞ…こんな馬鹿伍長の好きにさせてたまるか…)
技術部「駆逐戦車も4号と3号の製作が決定してます!主力戦車だか何だか知らないですけど突然入れられても困りますよ!」
総統「駆逐戦車は別に出せばいいだろ、設計下敷きの駆逐戦車が2輌出るってだけで戦車がどうとか関係無いし」
総統「まあ見た目とか格好いから人気も出るだろうし、プロパガンダに最大限利用してあげてよ4号戦車ちゃんをさ」
総統「勝てりゃ文句ないっしょ?それより主力戦車合流してからの編制を考えようよ!」
総統「重装甲の重戦車がフランスで人気出たから我が軍もそれで行こうよ!かっこいいし絶対人気出るって!」
技術部「あの…電撃戦は快速戦車と機械化歩兵の仲が魅力の一つでもあるはずですよね、それをドクトリンから変えちゃうって詐欺みたいな事になりませんか?」
総統「じゃあなんで最初からポルシェ博士を設計にしなかったの!?君のチョイスミスでしょ!?」
総統「電撃戦は元の概念を基礎にして重戦車と真空軍の登場入れてそこから重戦車の魅力を前面に出しつつ重砲を整備すれば完璧だぁ…」(勃起)
技術部「でもそんな雑なすり替えしたら用兵に矛盾が出たり運用がおかしくなっちゃいますよ!!」
総統「対ソ戦のストーリーなんて気にしてる奴いないだろ」
総統「運用は徐々に作り変えながら師団の中身を完成に近づければ戦争も間に合うでしょ」
総統「クルップには重鎮としてヘンシェルと共に宣伝頑張ってもらってみんなのハートを鷲掴みにしたところでポルシェ博士の重戦車登場で大盛り上がりだ!」
総統「さっそくポルシェ博士と交渉しよう!」シコシコ
ヘンシェル「あー!まさか私が設計やらせてもらえるだなんて!嬉しいなぁ…頑張るぞ!!」
技術部「ヘンシェルさん?ちょっといいかな…」
………
ヘンシェル「えっ…総統のゴリ押しで退場してそのままコンペには一切出ない?…あの…私設計はコンペって…」
技術部「本当に申し訳ないです…あのまだ内緒なんですけど…ポルシェ案がポシャったらまた設計依頼する予定ですので…」
ヘンシェル「…はぁ…」
ヘンシェル(私の設計が戦時広報誌に掲載されてる…ははっ)
ヘンシェル「雑誌の目玉にもなってるよ…」
ヘンシェル「プロパガンダと兵器のセット出演ここまで多くやってる広報誌もないよなぁ…」
ヘンシェル「あっ…私はコンペでれなかったんだっけ…」
ヘンシェル「なんで採用前なのに量産型の製産ラインでポルシェ博士とヴォルクスワーゲンの特集やってるのよ…」
ヘンシェル「はぁ…」
総統「いいぞ~!tigerとその産みの親たちとの真の絆!最高だ!」
総統「ポルシェ博士の先進的な電気モーターが特にいい!」ドピュピュ
技術部(この戦車もうダメかもしれない…中身はボロボロ…外装だけなんとか取り繕って良く見せてるけど…複雑な仕組みで整備終わったせいで試験運用も満足に調整出来てない…)
技術部(こんなのが主力戦車になるだなんて…はぁ…)
技術部「とりあえずヘンシェル案も取り掛かっておくか…国防軍の為にも…」
総統「ん?!ヘンシェル案もやる気満々なのかい!!どんな戦車にするつもりなの?」
スタッフ「えっ…えー…不安の残るポルシェ案の穴埋めを…」(これはマズい…)
総統「……」
総統「いいじゃない!!」
技術部「え…?」
総統「コンペ破れたヘンシェルの事を救済しないと他の軍事コンツェルンから不満も出るだろうしね…大切な事だよ」
技術部「はい!そうですよね!頑張りますよ!」
総統「膠着した東部戦線にポルシェタイガーがやって来て可哀想な4号戦車に手を差し伸べて共に戦う事を誓うんだな!!」
技術部「は?」
総統「そうだろ?」
総統「4号戦車の最後の舞台だな…!頑張ってくれよ!」
技術部「いやいや…国防軍の為の戦車であってポルシェさんの案は関係ないというか…必要ないですよ!」
総統「は?お前ポルシェ案は必要だろ馬鹿か?」
総統「お前なんかむかつくな…ヘンシェルの発注はコンペ敗れ仕事なくなった哀れな会社の為にポルシェ博士の車輛を製産させてやる風にしろ」
技術部「えぇ…」
総統「俺はマインヒューラーだぞ」
技術部「はいル…」
そして6号戦車タイガーのポルシェ案は試験で高い性能を出し、採用の決まる前から100輌の製産を受注したが
その後電気モーターがボロクソに叩かれ大炎上(物理)し
ついにヘンシェル案が採用された
END