おんJ童話 「貧乏紳士 とうさぎ」

紳士は少し前まではとてもお金持ちでした
ところが、悪い人にだまされてすっかり貧乏になってしまったのです

持ち物といえば小さなティーバッグにインクの切れかかったペン、紙の切れ端です
紳士は途方にくれていました
「ああ、私は一体どうしたらいいんだろう」

すると紳士のそばに小さな茶色いうさぎがいました
まるまるとしたかわいらしいうさぎです

「そういえば、うさぎのソテーを食べたのはいつぶりだろう」
紳士はうさぎをつかまえようと手を伸ばしました

でもよくみると、うさぎはケガをしています
震えているうさぎを紳士は食べるのをやめてしまいました
「まだ小さいのにかわいそうだ せめて大きくしてから食べてもおそくはあるまい」

紳士はペンとティーバッグで上手いこと脚を固定してやりました
それから中身のお茶をやるとうさぎはおいしそうに食べました

「さて、明日からどうしよう お前を助ける余裕なんてないのに私はバカだなあ」
そういうと紳士はうさぎを抱いて横になりました

しばらくすると寝息をたててしまいました

紳士が起きるとうさぎはいなくなっていました

「ちくしょう、うさぎめ さっさと食べてしまえばよかった 恩知らずめ」
紳士は怒りましたがどうしようもありません
水を飲もうと立ち上がるとなにかが落ちています
それは金貨でした

「ちくしょう、うさぎめ さっさと食べてしまえばよかった 恩知らずめ」

外国の昔話みたいな台詞回しで草

「あいつがくれたんだろうか」紳士は金貨を拾うと
パンとお茶を買いました
お昼に公園に戻るとうさぎがいました
口には金貨をくわえています

紳士はうさぎを気に入りました

ある雨上がりの公園に 帽子を被った男がベンチに座っていました
男は大金持ちで、ひげとお金が自慢でした
あまりにも自慢ばかりして、自分が紳士だと威張っていたので 友達は一人もいませんでした