天心「あ、あぁ~ッ!」 カンカンカンカンカーン!
メイ「はい、今日の試合は終わり。お疲れさまでした」
天心「うぅ……あ、ありがとうございました……」
数ヶ月前、念願の那須川天心の大晦日興行が決定したのだが、『不人気な格闘技界で日本人選手と試合したらガキ使に視聴率レ〇プされるのでは』
という懸念の声があり、結果、メイウェザーちゃんが天心との試合のオファーをオッケーオッケーしてくれるようになった。しかしメイちゃんはなんだかキックのことがキライみたいで、いつもいつも不愛想にキックに違約金設定して、天心の予算イタイイタイなのだった。
天心「トホホ……メイちゃん強いのに性格はイタイイタイなんだから……あーあ、どうにかしてメイちゃんとの試合でカッコよく勝利して気持ちいものにしてもらえないかな~、ん?」
試合直前なのにメイちゃんの部屋から明かりが消えている。
メイ「よいしょ……よいしょ……」
天心(め、メイちゃんが、試合に遅刻した挙句にフライドチキンとアイスを食べてる!?)
メイ「ふぅ……こんなものですかね……。もあと富士山にも観光しないと……」
天心「メイちゃーん!」 ゴングカーンッ !
メイ「ひゃあッ!?」
天心「メ、メイちゃーん! ごめんよーッ! メイちゃんはワイの事は眼中になく体作りも練習もしてないのにワイはそんなことも知らずに……ッ!
ハフッ!ハフッ! 大晦日のリングの床いい匂い!」
メイ「ち、ちょっと小突いただけで吹っ飛ばないでください!」
天心「ご、ごめんねメイちゃん……!」
メイ「べ、別に、色白日本人相手にしこしこ練習しないくらい普通です……。これは私のお遊びなんですから……。それに、私は強すぎて、あんまり観客に気持ちよくなってもらえないから」
天心「そ、そんなことないよ! メイちゃんのその油断だけでワイは十分勝機はあると思ったんだよ! あっ、そ、そうだ! メイちゃんおてて出して!
メイ「こ、こうですか?」
天心「そう! それじゃあ今からするからね! メイちゃんの不敵な笑みに渾身のストレートかますからね! ちゃんと受け止めてね!」
メイ「えっ、えっ?」
天心「ウオーッ! メイ! ぷにぷにボディに打つよ!」バタバタバタッ!シュッ!
メイ「ひゃあッ!」カウンターバシッ
天心「くっ、ふぅ……! す、すっごい簡単にカウンター食らったぁーッ!」バタバタバタッ
メイ「ほんとうです……で、でもなんで……?」
天心「それはね……メイちゃんの気持ちが、ワイに伝わったからだよ!メイちゃんの900万ドルを楽に稼ごうといういやしさがね!」
チノ「私のいやしさ……」
天心「そう!だから、ボクシングテクニックなんて、二の次なんだよ!年末は、面白い試合を人に見てもらうより、大物に一方的にボコられる方が一番視聴率いいんだよ!」
メイ「し、視聴率って……はわわ……あ、あの……もうちょっとだけ、試合に付き合ってもらってもいいですか?」
天心「もちろん!」
その後、ワイはまたあっという間にダウンを食らって試合に負け、次の日の朝は起き上がれないほど疲弊していた。
でもまぁ、その試合後、泣きじゃくっていたらメイちゃんが耳元で「素晴らしい格闘家であることを忘れずに、誇りを持って、頭を高く保って今後も歩んでいって欲しい」とつぶやいてくれたので結果オーライ! 終わり
メイ「ち、ちょっと小突いただけで吹っ飛ばないでください!」
ここほんとに思ってそう