俺「あ、あぁ~ッ!」モグモグモグーッ!!
カーチャン「はい、今日のご飯は終わり。おそまつさまでした」
俺「うぅ……ご、ごちそうさまでした……」
生まれてからずっと、念願のカーチャンの手料理を食べるようになったのだが、
『調味料は手癖で入れた方がおふくろの味的にイイ感じになって美味しいのでは』
という期待の声があり、結果、カーチャンが定期的に手料理をコトコト作ってくれるようになった。
しかしカーチャンはなんだか調味料を測って入れるのがキライみたいで、いつもいつも手癖で調味料ポイポイして、お料理マズイマズイなのだった。
俺「トホホ……カーチャン料理そこまで上手くない癖に調味料ポイポイでお料理マズイマズイなんだから……あーあ、どうにかしてカーチャンのお料理を美味しくて楽しみなものにしてもらえないかな~、ん?」
深夜なのにキッチンから明かりが漏れている。
カーチャン「よいしょ……よいしょ……」
俺(か、カーチャンがでまた手癖で水や調味料を入れてカレーを作っている!?)
カーチャン「ふぅ……こんなものですかね……。もっと美味しくなってもらえるように頑張らないと……」
俺「カーチャーン!」 バターンッ!
カーチャン「ひゃあッ!?」
俺「か、カーチャーン!ごめんよーッ! カーチャンは毎日俺のためにお料理コトコトの練習してたのに俺はそんなことも知らずに……ッ! ハフッ!ハフッ! うわこのカレーくそまずい!計らず入れたから水多っ!!」
カーチャン「ど、ドサクサにまぎれてカレーをつまみ食いしないでください!」
俺「ご、ごめんねカーチャン……!」
カーチャン「べ、別に、お料理コトコト練習するくらい普通です……。それが母親のお仕事なんですから……。それに、私は料理上手で、手癖で調味料入れても美味しくなるみたいだから」
俺「そ、そんなことないよ! カーチャンの手料理は調味料手癖で入れてるせいでマズイマズイなんだよ! あっ、そ、そうだ! カーチャンこのカレーちょっと貸して!」
カーチャン「こ、こうですか?」
俺「そう! それじゃあ今からルーと水の割合ちゃんと測りなおすからね! この煮物の調味料もちゃんと測ってドッピュするからね! ちゃんと見ててね!」
カーチャン「えっ、えっ?」
俺「ウオーッ! 調味料! ちゃんと測ってに入れるぞ!」ドピュドピュドピューッ!
カーチャン「ひゃあッ!」ビシャーッ
俺「くっ、ふぅ……! や、やっとまともな料理が出来たぁーッ!」
カーチャン「ほんとうです……で、でもこれじゃレシピ通りで事務的な味になるんじゃ……?」
俺「それはね……調味料を、ちゃんと測ったからだよ! たいして料理上手くないのに手癖で入れると地獄絵図になるからね!」
カーチャン「調味料を……」
俺「そう! だから、おふくろの味なんて、美味しさの二の次なんだよ! カーチャンのお料理コトコトはハッキリ言ってマズイマズイなんだよ!安いレトルトでも美味いと思う俺がマズイって思うなんて相当なんだよ!」
カーチャン「ま、マズイって……はわわ……あ、あの……でも測るとやっぱりめんどくさいしこれからも手癖で調味料入れていいですか?」
俺「は?」
その後、俺は一晩中調味料を測っていれる大切さを教え続けて次の日の朝は起き上がれないほど疲弊していた。
でも、その日以来、結局カーチャンの料理は何も変わらなかったので結果ナキタイ! 終わり
美味しくて栄養バランスもとれてる料理を毎日作ってる母親って実際そんなにいないよな
大抵冷蔵庫の余ってる食材消費するのを目的に作られるから栄養バランスもクソもない