カイ「あ、あぁ~ッ!」ティティトゥワトゥティトゥワッ!
谷山浩子「はい、今日のオールナイトニッポンは終わり。お疲れさまでした」
カイ「うぅ……あ、ありがとうございました……」
数週間前、素晴らしき紅マグロの世界に就職したのだが、『ここでいい人見つけるとねこの森には帰れないのでは』という懸念の声があり、結果、カントリーガールが定期的にとてつもなく背の高い不思議な樹の大森林から胞子の雨を降らせてくれるようになった。
しかしDINOちゃんはなんだかまもるくんのことがキライみたいで、いつもいつも不愛想にトサカカサカサして、まっくらクライクライなのだった。
カイ「トホホ……鳥籠姫ちゃん可愛いのにまっくら森はクライクライなんだから……あーあ、どうにかして浩子ちゃんの不眠の力で約束通りぼくと森で遊んでもらえないかな〜、ん?」
小さな家の窓の外なのに温かな明かりが灯っている。
谷山浩子「よいしょ……よいしょ……」
カイ(ち、浩子ちゃんが、自分の部屋でさよならDINOを相手にラ・ラ・ルゥの練習をしていルゥ!?)
谷山浩子「テルー……こんなものですかね……。もっと冷たい水の中をきみと歩いていけるように頑張らないと……」
カイ「浩子ちゃーん!」 テルーッ!
谷山浩子「ひゃあッ!?」
カイ「ひ、浩子ちゃーん! ごめんよーッ! 時の少女は毎日カイのためにヤマハ発動機社歌の練習してたのにカイはそんなことも知らずに……ッ!
ふわっ!ふわっ! きみの微笑み草原の匂い!」
谷山浩子「て、テングサにまぎれてMAY そんなにふくれないでください!」
カイ「お、おやすみぼくの大好きな人……!」
谷山浩子「べ、別に、夜のブランコで待ってるくらい普通です……。それがあたしの恋人なんですから……。それに、私はあなたのために、ほほえみひとつあげられないから」
カイ「そ、そんなことないよ! 浩子ちゃんのしっぽのきもちだけでワイは十分COTTON COLOR気持ちいいんだよ! あっ、そ、そうだ! 浩子ちゃん雨を降らせて!
谷山浩子「こ、こうかしら?」
カイ「そう! それじゃあ包まれて眠るからね! 浩子ちゃんの催眠レインコートに銀河通信するからね! ちゃんと受け止めてね!」
谷山浩子「えっ、えっ?」
ワイ「GREEN! 浩子! 風になれ!」ドピュドピュドピューッ!
谷山浩子「ひゃあッ!」ビシャーッ
カイ「ぽと、ふー……! 会いたくて夜の中歩いて君の窓が見えたーッ!」
谷山浩子「ほんとうです……で、でもなんで……?」
カイ「それはね……ガラスの巨人の悲しみが攻めてくるからだよ! 浩子ちゃんの他人を思いやる見えない小鳥がね!」
谷山浩子「見えない小鳥……」
カイ「そう! だから、鬼魔と鬼こごめなんて、そっくりだけどちがうよ! キノコと寝てみるのは、公爵夫人にやってもらっても、あたしの恋人にやってもらっても全然意味がないんだよアリス!」
谷山浩子「わたしを殺さないでって……はわわ……あ、あの……もうちょっとだけ、王国に住んでもらってもいいですか?」
カイ「なおちゃん!」
その後、ふたりは一晩中河のほとりに座り続けて次の日の朝はひとりでお帰りできないほど疲弊していた。
でもまぁ、その日以来、はみがき・しゅしゅしゅをするとき浩子ちゃんがかおのえきで「ボクハ・キミガ・スキ」とつぶやいてくれるようになったのでてんぷら☆さんらいず! 終わり