ワイ「あ、あぁ~ッ!」 ピロリロリンッ!
内定者「はい、メールでの辞退連絡終わり。貴社の今後のご活躍をお祈りいたします」
ワイ「うぅ……あ、ありがとうございました……」
数ヶ月前、念願の内定者を獲得したのだが、『この売り手市場なのに一社だけで就活をやめたら損をするのでは』という懸念の声があり、
結果、内定者ちゃんは弊社の内定を保留して就活を続けることになった。しかし内定者ちゃんはなんだか
弊社のことがキライみたいで、いつもいつも愛想良く他社の面接シ〇シ〇して、内定ジタイジタイなのだった。
ワイ「トホホ……内定者ちゃん優秀なのにウチの内定はジタイジタイなんだから……あーあ、どうにかして内定者ちゃんの就活をやめさせてウチに決めてもらえないかな~、ん?」
深夜なのに内定者ちゃんの部屋から明かりが漏れている。
内定者「よいしょ……よいしょ……」
ワイ(な、内定者ちゃんが、自分の部屋でハウツー本を片手に面接シ〇シ〇の練習をしている!?)
内定者「ふぅ……こんなものですかね……。もっと熱意が伝わるように頑張らないと……」
ワイ「内定者ちゃーん!」 バターンッ!
内定者「ひゃあッ!?」
ワイ「な、内定者ちゃーん! ごめんよーッ! 内定者ちゃんは毎日自分のために面接シ〇シ〇の練習してたのにワイはそんなことも知らずに……ッ!
ハフッ!ハフッ! 内定者ちゃんの内定承諾書いい匂い!」
内定者「ど、ドサクサにまぎれて承諾書を持ってかないでください!」
ワイ「ご、ごめんね内定者ちゃん……!」
内定者「べ、別に、面接シ〇シ〇練習するくらい普通です……。それが私のお仕事なんですから……。それに、私は下手で、あんまり熱意が伝わらないから」
ワイ「そ、そんなことないよ! 内定者ちゃんのその気持ちだけでワイは十分面接気持ちいいんだよ! あっ、そ、そうだ! 内定者ちゃんスマホ出して! 」
内定者「こ、こうですか?」
ワイ「そう! それじゃあ今から内定式の案内するからね! 内定者ちゃんのやわらかスマホにメールするからね! ちゃんと受け止めてね!」
内定者「えっ、えっ?」
ワイ「ウオーッ! 内定者! ぷにぷにスマホに出すぞ!」メルメルメルーッ!
内定者「ひゃあッ!」ビシャーッ
ワイ「くっ、ふぅ……! す、すっごい正式なのが出たぁーッ!」
内定者「ほんとうです……で、でもなんで……?」
ワイ「それはね……内定者ちゃんの気持ちが、ワイに伝わったからだよ! 内定者ちゃんのウチで働きたい気持ちがね!」
内定者「私の気持ち……」
ワイ「そう! だから、テクニックなんて、二の次なんだよ! 面接シ〇シ〇は、上手い人にやってもらうより、好きな人にやってもらうのが一番気持ちいいんだよ!」
内定者「す、好きって……はわわ……あ、あの……もうちょっとだけ、就活に付き合ってもらってもいいですか?」
ワイ「もちろん!」
その後、ワイは一晩中内定者ちゃんのスマホにメールを続けて次の日の朝は起き上がれないほど疲弊していた。
でもまぁ、その日以来、内定者ちゃんに連絡をするとき上司が耳元で「やめろ」とつぶやいてくれるようになったので結果オーライ! 終わり
お、御社ちゃん!お祈りメールしないで!