カトー「ーーーーともあれ、カルタゴは滅ぼさるべきである!」
カルタゴ「あ、あぁ~ッ!」パオパオーン
カトー「はい、今日のアジ演説は終わり、お疲れ様でした。」
カルタゴ「うぅ……あ、ありがとうございました……」
半世紀前(前201)対ローマ大戦争でボロ負けし、交戦権の剥奪に加え向こう50年に渡って天文学的な賠償金の支払いを課されたカルタゴだったが、ハンニバル主導の改革によって加速度的に復興を遂げ、敗戦30年目にして残債の一括返済を申し出るまでになった。
これを受けてローマの一部では「制裁がぬるすぎたのでは?」という懸念の声があがり、結果、隣国の蛮族(ヌミディア)を唆していたぶることにした。
しかし、カトーちゃんにとってはそれでも生ぬるかったようで、毎日毎日イチジクを食べてはアジって、塩撒いて、カルタゴはいつもいつも辛い辛いなのだった。
カルタゴ「トホホ…カトーちゃんてばハンニバルにビビって漏らしてたヘタレのくせに口だけは一丁前なんだから……あーあ、どうにかしてカトーちゃん黙らせてローマとの仲を気持ち良いものにできないかな~、ん?」
深夜なのにカトーちゃんのお家から明かりが漏れている。
カトー「よいしょ……よいしょ……」
カルタゴ「か、カトーちゃんがカルタゴ産のイチジクに染料をヌリヌリしてる!?」
カトー「ふぅ……こんなものですかね……。ローマでは絶対採れないようなレベルに粉飾して、もっとカルタゴの脅威を煽らないと……。」
カルタゴ「カトーちゃーん!!」バターンッ!
カトー「ひゃあッ!?」
カルタゴ「カ、カトーちゃーん!!このクソ野郎ーッ!!カトーちゃんは毎日捏造してまで戦争煽ってたのにワイはそんなことも知らずに……ッ!
ハフッ!ハフッ!カトーちゃんのトーガすっごくすえた匂い!」
カトー「ど、ドサクサに紛れて匂いを嗅がないでください!」
カルタゴ「ご、ごめんねカトーちゃん……!」ゴホッゴホッ
カトー「べ、別に捏造して煽るくらい普通です……。これは決して農業オタクの私がアフリカ土人ごときに農業で遅れを取ってるのが悔しい訳じゃなくて、ただ純粋に国士として隣国の脅威を説くのが私のお仕事ですから……。
それに、実際カルタゴの経済力は脅威ですから……。」
カルタゴ「カ、カトーちゃーん!!このクソ野郎ーッ!!カトーちゃんは毎日捏造してまで戦争煽ってたのにワイはそんなことも知らずに……ッ!
ハフッ!ハフッ!カトーちゃんのトーガすっごくすえた匂い!」
カトー「ど、ドサクサに紛れて匂いを嗅がないでください!」
カルタゴ「ご、ごめんねカトーちゃん……!」ゴホッゴホッ
カトー「べ、別に捏造して煽るくらい普通です……。これは決して農業オタクの私がアフリカ土人ごときに農業で遅れを取ってるのが悔しい訳じゃなくて、ただ純粋に国士として隣国の脅威を説くのが私のお仕事ですから……。
それに、実際カルタゴの経済力は脅威ですから……。」
カルタゴ「そ、そんなこと許されないよ!
賠償金だけでもキツいのに、戦争の自由まで奪われてワイは十分ムカつ……弱ってるんだよ!
あっ、そ、そうだ、カトーちゃん準備して!」
カトー「こ、こうですか?」
カルタゴ「そう!それじゃあ今から君の手下の蛮人共に反撃するからね!ちゃんと受け止めてね!」
カトー「えっ、えっ?」
カルタゴ「ウオーッ!ローマの犬共!ぶち殺すぞ!!」
ローマ、ヌミディア「ひゃあッ!」
カルタゴ「くっ、ふぅ……!圧倒的!気持ち良い!……くらいに負けたッ……」
カトー「ほんとうです……で、でも、なんで?」
カルタゴ「……」
カトー「あ、あれ……カルタゴちゃん?
あっ……そ、そうだ!不戦条約破った代償として完全武装解除してね!」
カルタゴ「こ、こうですか?」ブキポイー
カトー「あ、次に首都放棄して16km以上離れたところに住んでね!
あっ!立ち退く気無いならスキピオのつよつよ軍団送るからね!カルタゴちゃんのやわらか無謀備市民軍でしっかり受け止めてね!」」
カルタゴ「えっ、えっ?」グズグズ…
ローマ軍「ウオーッ!カルタゴ!略奪するぞ!虐殺するぞ!破滅させるぞ!」
こっちやったらワンチャン伸びてたかもなあ…
カルタゴ「ひゃあッ!」
ローマ軍「くっ、ふぅ……!す、すっごい戦果が出たぁーッ!」
カルタゴ「ほんとうです……で、でもなんで?」
ローマ軍「それはね……ヌミディアに理不尽にいたぶられ続けて薄々わかってたと思うけど、ワイの国に目をつけられたから、ただそれだけなんだよ!」
カルタゴ「はじめから詰んでいた……」
ローマ軍「そう!だから、いくら頑張って復興なんかしても無駄……つまり経済力なんて二の次なんだよ!
お金なんて、植民地から吸い上げるのが一番手っ取り早いんだよ!」
カルタゴ「はわわ……あ、あの、もう少しだけ抵抗してもいいですか?」
ローマ軍「もちろん!」
その後、ローマ軍はろくな武器も防具も持たずに死にものぐるいで抗う市民を相手に、ほしいままの虐殺と略奪の限りを尽くした。
戦火が消えると同時に、かろうじて生き延びた市民は残らず奴隷として売られ、地中海世界一の美しさを誇ったカルタゴの都市は灰燼と化した。
死体蹴りよろしく、その跡地には塩まで撒く畜生ぶりを示したが、なんやかんやで2000年以上経った今でもホルホルされ続けてるので結果オーライ!終わり。
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