ぼく「チノおねえちゃんなんで人を殺したのにのうのうと暮らしてるの？」チノ「うるさいですね・・・」

チノ「あの件はもう終わったことじゃないですか！」

チノおねえちゃんは大学卒業後アナウンサーとして活躍し、その後大物政治家の甥で超大手企業で働く現在の夫と結婚。

子宝にも恵まれ、順風満帆な人生を送っていた。

そんな中、不幸にもチノおねえちゃんは車を運転中に、駐車場でスピードを出しすぎて38歳の看護師の男性を轢き殺してしまう。

自動車運転過失致死により警察署に書類送検され、出演していたテレビ番組も全て降板した。

でもその後、チノおねえちゃんはこうして何事もなかったかのようにいつも通り、暮らしているのだった。

チノ「社会的な制裁を受けて、メディアに出ることはもう叶わなくなりましたよ」

チノ「100万円の罰金も払いましたし遺族に謝罪もしました、これ以上何をしろと言うんですか」

ぼく「遺族の人は一生恨み続けるって・・・」

チノ「恨まれて当然だと思っていますし、一生かけて償っていくつもりです」

ぼく「そのわりには軽井沢に豪邸を建てたり、子供を有名私立小学校に入れたり・・・」

チノ「お金を出したのは旦那ですし、私が罪を犯したからと言って子供を蔑ろにするわけにはいけませんよ。教育の一環です」

ぼく「でも、チノおねえちゃんこの間ハワイに旅行に行ってたよね？」

チノ「・・・なんで行ったらいけないんですか？」

ぼく「だって一生かけて償うとか言ってるわりに生活レベル全然落ちてないし、前と何も変わらないじゃん」

チノ「罪を犯した人間にも人権はありますよ」

ぼく「そもそもチノおねえちゃんはどうして逮捕されなかったの？旦那さんがお金持ちだから？」

チノ「そんなの警察に聞いてくださいよ。逃亡のおそれがなければ逮捕しないケースもあるようですから」

ぼく「同じように逃亡しなかった事例で現行犯逮捕されてる人がいるんだけど・・・」

チノ「ああああああもううるさい！うるさいんですよ！！！」ｸﾞｲｯ

ぼく「痛い！痛いよチノおねえちゃん！！！！！」

チノ「だいたい、あなた達と私達では住む世界が違うんですよ！！！いつまでもしつこいんですよ！！！！」

ぼく「く、苦しい・・・」

ぼく「チノ・・・おねえちゃん・・・また・・・また殺すの・・・？」

チノ「・・・っ」ｽﾙｯ

ぼく「うう・・・」ﾊｧﾊｧ

チノ「もう・・・放っておいてください」

こうして、チノおねえちゃんとぼくはもう二度と会うことはなかった。

風のうわさでは、相変わらず高級ブランド品を身につけ、タカイタカイお金を出してウマイウマイ料理を食べているらしいのであった。