(´・ω・`)「たしかにこの一節だけでも含蓄がある良い言葉だと思うけど」
(´・ω・`)「この一節はあくまで例えであって主旨じゃないんだ」
彡(゚)(゚)「ほーん、じゃあ何が言いたかったんや?」
(´・ω・`)「それを知る為にこの一節が含まれている徒然草第八十五段全文を見てみよう」
人の心すなほならねば、偽りなきにしもあらず。
されども、おのづから、正直の人、などかなからん。
己れすなほならねど、人の賢を見て羨むは、尋常なり。
至りて愚かなる人は、たまたま賢なる人を見て、これを憎む。
『大きなる利を得んがために、少しきの利を受けず、偽り飾りて名を立てんとす』と謗る。
己れが心に違へるによりてこの嘲りをなすにて知りぬ
この人は、下愚の性移るべからず、偽りて小利をも辞すべからず、仮りにも賢を学ぶべからず。
狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり。
悪人の真似とて人を殺さば、悪人なり。
驥を学ぶは驥の類ひ、舜を学ぶは舜の徒なり。
偽りても賢を学ばんを賢といふべし。
彡(゚)(゚)「ほならね・・・」
(´・ω・`)「ちょっとお兄ちゃん!そこは主眼じゃないんだから脱線しないように」
(´・ω・`)「本文のままだとわかりづらいから順番に現代風に訳していこうか」
・人の心すなほならねば、偽りなきにしもあらず。
・されども、おのづから、正直の人、などかなからん。
人の心というのは素直なだけではないので、捻くれた態度をとってしまう事もある
しかし最初から正直な心を持つという人も稀にはいるだろう
・己れすなほならねど、人の賢を見て羨むは、尋常なり。
・至りて愚かなる人は、たまたま賢なる人を見て、これを憎む。
素直な心を持てず、賢い人を羨むのは普通の事である
しかし凄く愚かな人は、賢い人を憎んでしまう
(´・ω・`)「簡単に言うと羨望は普通の事だけど、憎むほどまで行く人は相当な愚か者って話だね」
彡(゚)(゚)「うーん、でも羨望から嫉妬になり憎むって流れは通ずる物やないか?」
(´・ω・`)「たしかにね、だけどそのラインを超えないようにするのが大事だというのをこれ以降から読み取れると思うよ」
・『大きなる利を得んがために、少しきの利を受けず、偽り飾りて名を立てんとす』と謗る。
・己れが心に違へるによりてこの嘲りをなすにて知りぬ
・この人は、下愚の性移るべからず、偽りて小利をも辞すべからず、仮りにも賢を学ぶべからず。
愚かな人は成功者や人望のある人に対して
『利益を捨てたり損をして褒められてる奴は、より大きな利益や名誉を得る為にやっている嘘付きのカッコつけだ』と罵る
自分と違う心根の人間を認められず的外れな批判をしてしまう
こういう人はずっと愚かなままで、小さな利益すら捨てる事が出来ず、賢い人から学ぶ事が出来ない
(´・ω・`)「このくだりは個人的には凄く面白いなって思うよ」
(´・ω・`)「700年前の人達も成功者に対して、嘘付きのカッコつけ、っていう嫉妬や批判をぶつけてたんだなぁって」
彡(゚)(゚)「人間の本質なんて数百年程度じゃ変わらんのやなぁ」
狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり。
悪人の真似とて人を殺さば、悪人なり。
驥を学ぶは驥の類ひ、舜を学ぶは舜の徒なり。
・狂人の真似だと言っても、実際に大通りを走り回ればそれは狂人である
・悪人の真似だと言っても、実際に人を殺したらそれは悪人である
・驥(凄く速い名馬)から学ぼうとすれば同じ類の名馬になれるし
・舜(古代の名君)から学ぼうとする王は同じような名君になれる
(´・ω・`)「さあ、有名な一節が来たね」
彡(゚)(゚)「なるほど、たしかに狂人の真似~ってのは例えの一つとしての一節なんやな」
(´・ω・`)「うん、例えを並べて実際の行いこそがその人を作るって話をしてるんだ」
・偽りても賢を学ばんを賢といふべし。
素直な心を持てず嫉妬心があったとしてもそれを偽り、賢い人から学ぼうとすればそれは賢い人であると言える
(´・ω・`)「さあ、最後の一節だよ、ボクはこの一節が一番すき」
彡(゚)(゚)「たしかになかなかええ言葉やな、賢い人から学ぼうとする人は賢い人である、か」
(´・ω・`)「兼好法師がこの八十五段で言いたかったのは、愚かな人とはどういう人か、賢い人はどういう人か
そして賢くなる為に心がける事はなんなのかって話だと思うんだ」
彡(゚)(゚)「さすがに歴史に残る随筆集を書く人は大したもんやなぁ」
(´^ω^`)「愚かなお兄ちゃんも賢いボクに倣って賢い人になってね」
彡(゚)(゚)「・・・」
(´。ω゚`)「・・・」
彡(^)(^)「殺人犯の真似しただけやがなw」