球団「あ、あぁ〜ッ!」ケイヤクケツレツ
選手A「はい、FA宣言します。お世話になりました。」
選手S「はい、FA宣言します。お世話になりました。」
選手K「はい、ポスティングシステム利用します。お世話になりました。」
球団「うぅ……あ、ありがとうございました……」
2018年、埼玉西武ライオンズは
念願のパ・リーグ覇者になったのだが、
『他球団の方が年俸査定が高いのでは』
という選手側からの懸念の声があり、
結果定期的に球団事務所へ訪れるようになった。
しかし選手ちゃんは、なんだか年俸以上に
施設について不満ばっかりみたいで、
選手側は西武キライキライなのだった。
球団「トホホ……チームは優勝したのに、選手は西武キライキライばっかりなんだから……あーあ、どうにかして選手が出ていかないかなぁ~、ん?」
深夜なのに選手ちゃんの部屋から明かりが漏れている。
秋山翔吾「よいしょ……よいしょ……」
球団(あ、秋山翔吾ちゃんが、映像研究をしている!?)
秋山翔吾「ふぅ……こんなものですかね……。もっと球児苑を観て研究しないと……」
球団「秋山翔吾ちゃーん!」 バターンッ!
秋山翔吾「ひゃあッ!?」
球団「あ、秋山翔吾ちゃーん!ごめんよーッ!秋山翔吾ちゃんは毎日西武の日本一のために、一生懸命ビデオ研究をしていたのにワイはそんなことも知らずに……ッ!
ハフッ!ハフッ!秋山翔吾ちゃんの複数年契約の匂い!」
秋山翔吾「ど、ドサクサにまぎれて複数年契約を結ばないでください!」
球団「ご、ごめんね秋山翔吾ちゃん……!」
秋山翔吾「べ、別に、ビデオ研究なんて普通です……。それが私のプロ野球選手としての大切な練習なんですから……。それに、私は…」
球団「そ、そんなことないよ! 秋山翔吾ちゃんのその気持ちだけでワイは十分嬉しいんだよ! あっ、そ、そうだ!秋山翔吾ちゃんおてて出して!
秋山翔吾「こ、こうですか?」
球団「そう!それじゃあ来年からさらに複数年契約あげるからね!ちゃんと受け止めてね!」
秋山翔吾「えっ、えっ?」
球団「ウオーッ!秋山翔吾ちゃんのかちかちおててに渡すぞ!」フクスウネンケイヤク
秋山翔吾「ひゃあッ!」カントクテガタ
球団「くっ、ふぅ……! す、すっごい複数年契約が出たぁーッ!」
秋山翔吾「ほんとうです……で、でもなんで……?」
球団「それはね……秋山翔吾ちゃんの気持ちが、球団に伝わったからだよ!秋山翔吾ちゃんのライオンズを思いやる優しさがね!」
秋山翔吾「私のやさしさ……」
秋山翔吾「そう!だから、このチームで日本一を経験して欲しいんだよ!今年には新しい室内練習場が完成するから、新しい練習場で練習することが一番気持ちいいんだよ!」
秋山翔吾「き、気持ちいいって……はわわ……あ、あの……もうちょっとだけ、このチームでお世話になっていいですか?」
球団「もちろん!」
その後、ワイは一晩中秋山翔吾ちゃんのおててに契約書の束を渡し続けて、次の日の朝は起き上がれないほど疲弊していた。
でもまぁ、その日以来、秋山翔吾ちゃんが、メディアで「最近待遇よくなってきたんですよねぇ」とつぶやいてくれるようになったので結果オーライ!
終わり