ワイの肘「あ、あぁ~ッ!」
ワイ「はい、今日の練習は終わり。お疲れさまでした」
ワイの肘「うぅ……あ、ありがとうございました……」
数か月前、念願の背番号1を手に入れたのだが、『このままだとまた二番手以下になるのでは』
という懸念の声があり、結果、全体練習後にも遠投やネットスローをするようになった。しかしワイの肘の靭帯ちゃんはなんだか投球がキライみたいで、肘が一定以上に伸びなくなってイタイイタイなのだった
もっとやれ
ワイ「よいしょ……よいしょ……」
ワイの肘(わ、ワイちゃんが、自分の部屋でシャドウピッチングをしている!?)
ワイ「ふぅ……こんなものですかね……。もっと速い球を投げられるように頑張らないと……」
ワイの肘「ワイちゃーん!」 バターンッ!
ワイ「ひゃあッ!?」
ワイの肘「わ、ワイちゃーん! ごめんよーッ! ワイちゃんは毎日チームと自分の虚栄心のためにピッチングの練習してたのにワイはそんなことも知らずに……ッ!
ハフッ!ハフッ! 靭帯の焼ける(炎症)いい匂い!」
ワイ「ど、ドサクサにまぎれて靭帯の炎症悪化しないで下さい!」
ワイの肘「ご、ごめんねワイちゃん……!」
ワイ「べ、別に、自分の体を労るくらい普通です……。それが私のお仕事なんですから……。それに、私は恵体じゃないので、あんまり敬ってもらえないから」
ワイの肘「そ、そんなことないよ! 毛ちゃんのその気持ちだけで肘は十分頑張れるんだよ! あっ、そ、そうだ! ワイちゃんおてて出して!」
ワイ「こ、こうですか?」
ワイの肘「そう! それじゃあ今からアドレナリンいっぱい出すからね!ワイちゃんのやわらかおててにドッピュするからね! ちゃんと受け止めてね!」
ワイ「えっ、えっ?」
アドレナリン「ウオーッ! ワイ!痛みを感じなくしてやるぞ!」ドピュドピュドピューッ!
ワイ「ひゃあッ!」ビシャーッ
ワイの肘「くっ、ふぅ……! す、すっごい炎症きたぁーッ!」
ワイ「ほんとうです……で、でもなんで……?」
ワイの肘「それはね……物凄い負担なのに痛みを隠したからだよ!アドレナリンがでしゃばったからね!」
ワイ「アドレナリンが……」
ワイの肘「そう! だから、練習なんて、二の次なんだよ! 体のケアは、馬鹿な選手自身にやってもらうより、専門家にやってもらうのが一番気持ちいいんだよ!」
ワイ「ば、馬鹿って……はわわ……あ、あの……ちょっとだけ、スポーツ整体に行かせてもらってもいいですか?」
ワイ「もちろん!」
その後、ワイの肘はこれまでの練習のダメージをもろに受けてそこから何ヵ月も起き上がれないほど疲弊していた。
でもまぁ、それから数ヶ月後、三年生となったワイちゃんは肘の炎症が治らないまま最後の大会を終えたから結果オーライ! 終わり
自分だけだと思ってるなら笑止
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