クレメンス8世「もっとコーヒーをクレメンスwwwwwww」キリスト教徒「うるさいですね……」

クレメンス8世「どれ、少し味見を」☕ｺﾞｸｺﾞｸｺﾞｸｰｯ

キリスト教徒「あ、あぁ～ッ！」

クレメンス8世「うむ、こんなに美味しい飲み物を異教徒だけのものにするのはもったいない。改宗させてキリスト教公認の飲み物にしよう」

キリスト教徒「うぅ……あ、ありがとうございました……」

17世紀初頭、イスラム圏で普及していたコーヒーがローマにも伝わったのだが、『異教徒の飲み物は悪魔の飲み物なのでは？』という懸念の声があり、結果、時の教皇クレメンス8世はコーヒーを洗礼して改宗させてキリスト教公認の飲み物にすることにした。
しかし当時はミルクも砂糖も入れずにコーヒーを飲んでいたので、ブラックコーヒーはとてもニガイニガイなのだった。

～17世紀前半、エジプトのカイロにて～

彡(ﾟ)(ﾟ)「トホホ……コーヒーは美味しいけどニガイニガイなんだから……あーあ、どうにかしてコーヒーに甘味をつけることはできないかな～、せや！」

☕に大量の砂糖を入れてみる

彡(^)(^)「よいしょ……よいしょ……」

彡(ﾟ)(ﾟ)「ちょ、ちょっと入れすぎた気もするけど、これだけ砂糖をドバドバすればコーヒーも甘くなるのでは！？」

彡(ﾟ)(ﾟ)「ふぅ……こんなもんでいいかな……。もっと少なくてもよかった気もするけど……」☕ｺﾞｸｺﾞｸ

彡(^)(^)「あまーい！？」

彡(ﾟ)(ﾟ)「こ、これは甘い！　美味しい！　コーヒーはニガイニガイものだと思っていたけどこれなら……ッ！
ゴクッ！ゴクッ！　でも砂糖は高級品だから貴族の飲み物！」

※当時の砂糖は高級品だった

～17世紀後半のイギリス～

黒人奴隷「こ、コーヒーとサトウキビを栽培するために奴隷にしないでください！」

イギリス「ご、ごめんね黒人ちゃん！」

イギリス「で、でも、ヨーロッパじゃコーヒーもサトウキビも栽培するのは難しいし……。貴族の間ではコーヒーハウスが大人気で……。黒人奴隷を新大陸で働かせてコーヒーとサトウキビを栽培したら三角貿易でめちゃくちゃ儲かるから……」

黒人奴隷「そんな……」

～18世紀後半のイギリス～

イギリス「今のトレンドはコーヒーより紅茶だよ！　紅茶はコーヒーより安いし手軽だし！　あっ、そ、そうだ！　アメリカでも紅茶が飲まれるようになったからお茶にも課税しないと！」

アメリカ「な、なんやて？」

アメリカ「代表がいないのに課税するなんて！　それじゃあイギリス本国から到着したお茶はぜんぶ投げ捨てることにするからね！　ちゃんと受け止めてね！」

イギリス「えっ、えっ？」

アメリカ「ウオーッ！　ボストン茶会事件！　アメリカ独立戦争！」ドクドク独立ーッ！

イギリス「ひゃあッ！」紅茶ビシャーッ

アメリカ「くっ、ふぅ……！　な、なんとか独立できたぁーッ！」

イギリス「ほんとうです……で、でも紅茶は……？」

アメリカ「イギリス本国の紅茶はね……飲まないことに決めたんだよ！　だからうちでは紅茶の代わりにコーヒーを飲むことにしたんだ！」

イギリス「はえ～そうなのか……」

アメリカ「そう！　でも『アメリカンコーヒー』は和製英語だからね！　英語では『weak coffee』もしくは『mild coffee』って呼ぶから気をつけようね！」

～19世紀前半のブラジル～

ブラジル「金とダイヤの鉱物資源が枯渇して……はわわ……あ、あの……代わりにコーヒー豆を生産することにしますね？」

☕「もちろん！」

その後、アメリカは世界一のコーヒー消費国となり、ブラジルは世界一のコーヒー生産国となった。
こうして、コーヒーはイスラムからヨーロッパ、ヨーロッパからアメリカ大陸へと広まり、今でも世界中で親しまれている！　終わり