ワイ「ち、チノちゃん!遊戯王カード安く買い取らないでないで!」 チノ「うるさいですね……」チャリンチャリン
ワイ「あ、あぁ~ッ!」 チャリンチャリンチャリーン!
チノ「はい、今日の買取査定は終わり。お疲れさまでした」
ワイ「うぅ……あ、ありがとうございました……」
数週間前、念願の遊戯王を引退したのだが、『デュエリストばかりの街で引退勢を野放しにすると皆カードにされるのでは』
という懸念の声があり、結果、チノちゃんが定期的にワイの持ってたカードから良いものを買い取りしてくれるようになった。しかしチノちゃんはなんだか
ワイのことがキライみたいで、いつもいつも不愛想にカード買い取りして、査定価格ヤスイヤスイなのだった。
ワイ「トホホ……チノちゃん可愛いのに買い取り価格ヤスイヤスイなんだから……あーあ、どうにかしてチノちゃんのカード買い取りをやさしくて高いいものにしてもらえないかな~、ん?」
深夜なのにチノちゃんの部屋から明かりが漏れている。
チノ「よいしょ……よいしょ……」
ワイ(ち、チノちゃんが、自分の部屋でカード相場の検索をしている!?)
チノ「ふぅ……こんなものですかね……。もっと高く引き取れるように頑張らないと……」
ワイ「チノちゃーん!」 バターンッ!
チノ「ひゃあッ!?」
ワイ「チ、チノちゃーん! ごめんよーッ! チノちゃんは毎日ワイのためにカードの相場調べしてたのにワイはそんなことも知らずに……ッ!
ハフッ!ハフッ! チノちゃんのお手々カードの匂い!」
チノ「ど、ドサクサにまぎれて匂いを嗅がないでください!」
ワイ「ご、ごめんねチノちゃん……!」
チノ「べ、別に、カード相場調べするくらい普通です……。それが私のお仕事なんですから……。それに、私は情弱で、あんまり高く買い取れてないから」
ワイ「そ、そんなことないよ! チノちゃんのその気持ちだけでワイは十分気持ちいいんだよ! あっ、そ、そうだ! チノちゃんおてて出して!
チノ「こ、こうですか?」
ワイ「そう! それじゃあ今からするからね! チノちゃんのやわらかおててにワイの溜まりに溜まったノーマルカードの束ドッピュするからね! ちゃんと受け止めてね!」
チノ「えっ、えっ?」
ワイ「ウオーッ! チノ! ぷにぷにおててに出すぞ!」ドサドサドサーッ!
チノ「ひゃあッ!」ドサドサー!
ワイ「くっ、ふぅ……! す、すっごい大量のが出たぁーッ!」
チノ「ほんとうです……で、でもなんで……?」
ワイ「それはね……チノちゃんの気持ちが、ワイに伝わったからだよ! チノちゃんのカードを思いやる優しさがね!」
チノ「私のやさしさ……」
ワイ「そう! だから、買い取りなんて、二の次なんだよ! カード買い取りは、値段の高いショップにやってもらうより、好きなショップにやってもらうのが一番気持ちいいんだよ!」
チノ「す、好きって……はわわ……あ、あの……もうちょっとだけ、買い取りに付き合ってもらってもいいですか?」
ワイ「もちろん!」
その後、ワイは一晩中チノちゃんのおててに持ってた遊戯王カードを渡し続けて次の日の朝は起き上がれないほど疲弊していた。
でもまぁ、その日以来、カード買い取りをするときチノちゃんが「ノーマルカード100枚につき1円」を出してくれるようになったので結果オーライ! 終わり