ワイ「あ、あぁ?ッ!」 ドサドサドサーッ!(引き継がれる業務の音)
チノ「はい、今日で私の業務はは終わり。お疲れさまでした」
ワイ「うぅ……あ、ありがとうございました……」
数週間前、念願のホワイトIT企業に転職したのだが、『チノちゃんが辞めたんだから話す機会も多かった隣のワイが引き継ぐべきでは』
という押し付けの声があり、結果、チノちゃんの不規則なクソコードをシコシコ完成させるハメになった。しかしチノちゃんはなんだか
仕事のことがキライみたいで、いつもいつも不格好にコードをカラメカラメして、頭イタイイタイなのだった。
ワイ「トホホ……チノちゃん全然喋らないのに描き出すコードは意味フメイフメイなんだから……あーあ、どうにかしてチノちゃんのクソコードグルグルをわかりやすくて保守しやすいものにしてもらえないかな?、ん?」
全く意味の分からない書き方だが、チノちゃんのコードから一筋の光明が差している。
チノ/*以下三行なんかエラーになるのでとりあえず外す
ワイ(ち、チノちゃんが、自分のスパゲッティモンスターにヒントになるコメントをそこかしこに残している!? 助かった!)
チノ//ふぅ……こんなものですかね……。これだけできれば上出来です
ワイ「チノちゃーん!」 エラーンッ!
チノ//2017.05.14 ここは今度直す。(2631行目参照)
ワイ「チ、チノちゃーん! なんだよーッ! チノちゃんは毎日わけも分からずにズパゲッティうんこらえっこらこしらえてただろうけどワイはそんなこと知らんのだぞ……ッ!
クソッ!クソッ! 1年以上前じゃねえかッ! チノちゃんの2631行目全然関係ない部分だよ! 編集したなコイツ!!」
チノ//よ、よくわからないけど動くからドサクサにまぎれてこれで行きます!」
ワイ「こ、殺してやるチノちゃん……!」
チノ/*これを見つけた人が埋める係です……。 動きませんが消すのも勿体無いので以下全てコメントアウトです……。
ワイ「やめてくれよ! 目的の場所が探せないよ!! ただでさえチノちゃんの直前の奇行が理解できないのにワイは……! あっ、そ、そうだ! 上司ちゃんおてて出して!
上司「こ、こうですか?」
ワイ「そう! それじゃあ今から退職願渡すからね! 上司ちゃんのごわごわおててにしっかり託すからね! ちゃんと受け止めてね!」
上司「あっ、あっ」
ワイ「ウオーッ! チノ! ワイも辞めるぞー!!!」ドサドサドサーッ!(荷物をまとめる音)
同僚「ひゃあッ!」ビエエェェェ
ワイ「くっ、ふぅ……! す、すっきりしたぁーッ!」
チノ「あっワイさん……で、でもなんで……こんな昼間から街に?」
ワイ「それはね……チノちゃんのクソコードが、ワイの心を打ち砕いたからだよ! チノちゃんの他人を思いやらないスパゲッティモンスターがね!」
チノ「私のコードが……?」
ワイ「そう! だから、テクニックなんて、二の次なんだよ! コーディングしこしこは、俺たちでやるより、好きな人にやってもらうのが一番気持ちいいんだよ!」
チノ「す、好きって……はわわ……あ、あの……そんな人、居ないと思うんですけど?」
ワイ「もちろん!」
その後、ワイは職場を転々とし続けて次の年の瀬には起き上がれないほどやつれきっていた。
でもまぁ、あの日辞めてなかったら、ワイは多分人間じゃなくなってたので結果オーライ! 終わり
>あっ、そ、そうだ! 上司ちゃんおてて出して!
表情すっごい明るくなってそう
>そんな人、居ないと思うんですけど?
草