A.D.2012年―巨人小笠原引退の日―。
テクノブレイクで偶然A.D.2300年の未来に辿り着いたカッス。そこで彼は自身の引退映像を垣間見、その滅びの未来を変えることを決意する。
新たに得た「時を駆けるキ○タマ」の能力で絶頂射○を利用し原始から未来へ自在に渡る能力を身に着けたカッスは手始めに2012年に飛びエドガー、ボウカー、由伸を襲撃。
無理矢理自分を起用せざるを得ない展開を作り出したが、古城の定着によりそれは阻まれ、未来を変えることは叶わなかった。
ならばタクトを振るう人間が変わればいいと考えたカッス。今度は1981年に飛び、若かりしルーキー原をリリーフカーで轢き殺し存在を抹消。
結果、2012年の監督は堀内の9年目の長期政権になり、これなら起用してもらえるとカッスはご満悦。
しかし、球場で目にしたのは史上空前の暗黒時代を謳歌する大正義巨人軍。そして、「巨人小笠原」という選手は在籍すらしていない未来。
「いかんでしょ」 カッスは狼狽し選手名鑑をめくるが、探せど探せど自分の名前は巨人軍にはない。ならば自分はどこへ行ったのか―。
躍起になり選手名鑑を更にめくるカッス。横浜、広島、パリーグ… そして日本ハムのとあるページに目をやった刹那、カッスは死んだ。
カッスが最後に開いたそのページには、北の侍と呼ばれた男が髭を蓄え、爽やかな笑顔で写っていた。
小笠原道大は、どこにも行っていなかったのだ―。