初田牛駅「あ、あぁ~ッ!」ハイシドーーン
JR北海道「はい、今日の廃駅は終わり。お疲れさまでした」
初田牛駅「うぅ……あ、ありがとうございました……」
数十年前、念願の駅設置をして貰えたのだが、『こんな場所にある駅なんて鹿しか使わないのでは』
という懸念の声があり、結果、JR北海道が廃止してくれるようになった。しかしJR北海道ちゃんはなんだか
廃止することがキライみたいで、いつもいつも不愛想に駅を廃止して、北海道の交通手段がイタイイタイなのだった。
初田牛駅「トホホ……JR北海道ちゃん可愛いのに廃駅はイタイイタイなんだから……あーあ、どうにかしてJR北海道ちゃんの廃駅ピュッピュをやさしくて気持ちいものにしてもらえないかな~、ん?」
深夜なのにJR北海道ちゃんの本社ビルから明かりが漏れている。
JR北海道「よいしょ……よいしょ……」
初田牛駅(JR北海道ちゃんが、自分の部屋で小幌駅を相手に廃駅の練習をしている!?)
JR北海道「ふぅ……こんなものですかね……。もっと廃駅してもらえるように頑張らないと……」
初田牛駅「JR北海道ちゃーん!」 バターンッ!
JR北海道「ひゃあッ!?」
JR北海道「ど、ドサクサにまぎれて本音を嗅がないでください!」
初田牛駅「ご、ごめんねJR北海道ちゃん……!」
JR北海道「べ、別に、廃駅しこしこ練習するくらい普通です……。それが私のお仕事なんですから……。それに、私は赤字で、あんまり経営がなってないから」
初田牛駅「そ、そんなことないよ! JR北海道ちゃんのその気持ちだけでワイは十分廃駅が気持ちいいんだよ! あっ、そ、そうだ! JR北海道ちゃん社長出して!
JR北海道「こ、こうですか?」
初田牛駅「そう! それじゃあ今から存続懇願するからね! JR北海道ちゃんのやわらか本社に懇願ドッピュするからね! ちゃんと受け止めてね!」
JR北海道「えっ、えっ?」
初田牛駅「ウオーッ! JR北海道! ぷにぷに本社に出すぞ!」ドピュドピュドピューッ!
JR北海道「ひゃあッ!」ビシャーッ
初田牛駅「くっ、ふぅ……! す、すっごく沢山の賛同署名が出たぁーッ!」
JR北海道「ほんとうです……で、でもなんで……?」
初田牛駅「それはね……JR北海道ちゃんの気持ちが、地元自治体に伝わったからだよ! JR北海道ちゃんの自社を思いやる優しさがね!」
JR北海道「私のやさしさ……」
初田牛駅「そう! だから、沿線との協力なんて、二の次なんだよ! 廃駅しこしこは、廃線もろともやってもらうより、さっさとやってもらうのが一番気持ちいいんだよ!」
JR北海道「さ、さっさとやるって……はわわ……あ、あの……もうちょっとだけ、練習に付き合ってもらってもいいですか?」
初田牛駅「もちろん!」
その後、ワイは数ヶ月JR北海道ちゃんのために駅経営を続けた。
でもまぁ、その日以来、廃駅するときJR北海道ちゃんが耳元で「今までありがとう」とつぶやいてくれるようになったので結果オーライ! 終わり